五硫化二リン
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五硫化二リン(ごりゅうかにリン、phosphorus pentasulfide)は、分子式 P4S10 で表される、リンと硫黄からなる無機化合物である。淡黄色固体の粉末で、硫化剤などとして工業的に重要である。二硫化炭素やベンゼンには溶けるが、アルコールやアミンとは反応を起こす。分子構造はアダマンタンと類似しており、五酸化二リンとほぼ同じである[1]。
合成
要約
視点
五硫化二リンは液体の白リンを300°Cで硫黄と反応させることで得られる。また、硫黄もしくは黄鉄鉱(硫化鉄(II) FeS からなる鉱物)とリン化鉄(Fe2P、燐灰石から白リンを作るときの副生成物)との反応でも得られる。
- 熱
反応性
要約
視点
五硫化二リンは吸湿性があり、空気中の湿気を吸収して加水分解して硫化水素を発生する。従って五硫化二リンは腐卵臭を持つ。加水分解の際には硫化水素とともにリン酸も生じる。
アルコールやアミンを含む弱い求核剤と反応する。アニソール、フェロセン、そして1-メトキシナフタレンと反応し、ローソン試薬のような1,3,2,4-ジチアジホスフェタン 2,4-ジスルフィドを形成する。
脚注
関連項目
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