本稿では中華料理の切り方一覧(ちゅうかりょうりのきりかたいちらん)として、中華料理における切りかたを紹介する。
中華料理の料理名には、主材料、調理法、味付け、切り方といった情報が含まれている[1]。例えば腰果鶏丁の「丁」は食材(この場合は鶏)の切り方を表している[1]。
中華料理においては、漠然とした切り方の表現はしない[2]。調理法により食材の大きさ、長さなどは決まっており、『論語』の「郷党篇」にも「割不正、不食(切り方が間違っていたら、食べない)」と記されている[2]。
- 片(ピエン)[1][3]
- 薄切り。日本料理の切り方ではそぎ切りに相当する。
- 食材の繊維に沿って切るのが特徴となる。
- 絲(スー)[1][4]
- 細切り。千切り。
- 糸のように細く切る。なお「絲」は「絹糸」の意味である[2]。
- 幅や大きさをそろえることが肝要であり、繊維を断ち切らないよう、繊維に沿って切ると食感を活かせる。
- 短時間で食材に火を通したいときに適した切り方である。
- 青椒肉絲などで知られる。
- 丁(ディン)[1][5]
- 賽の目切り。
- 1cmから2cm角くらいの大きさに切りそろえる。様々な食材に用いられ、食材によって火の通り方を調整するために大きさは変わってくる。
- 5mm角程度に小さく切る場合には、小丁と呼ばれる。
- 條(ティヤオ)[1][6]
- 拍子木切り。
- 条とも。食材を棒状に切る。長さは5cmから6cm程度、厚さは6㎜から8mm程度にそろえる。絲と同様に繊維に沿って切ると食感を活かせると共に、火を通したときに崩れないようできる。
- 野菜だけでなく、イカや魚、肉を切るときに使われることが多い。
- 塊[1]
- ぶつ切り。
- 末、鬆[1]
- みじん切り。
- 末(モォ)[7]
- 中華料理の基本的な切り方で特に基本となる切り方。鬆、米、片、丁よりも細かく切る。粒の大きさをそろえるのも重要。
- 茸(ロン)[8]
- 食材を刻んだり、すりつぶしれm弾性の強い、粘性の強い状態にすること。
- 水分が多い野菜、デンプンを含む野菜、穀類、木の実、魚肉など多くの食材が「茸」にされる。山芋や里芋などでは、「茸」にすると栄養価を高めたり、栄養の吸収率を向上させる効果もある。
- 段(ドワン)[1][9]
- 小口切り。
- 細長い物をぶつ切りにするときに使われる。繊維を断ち切るように切ると食感に違いを出すことができる。
- 日本ではぶつ切りは長さもそろえずに切るイメージもあるが、中華料理では大きさをある程度そろえて切る。
- 葱段などとして使用される。
- 方(ファン)、象眼(シャンイェヌ)[10]
- 日本料理の色紙切りに近い。
- 切った後に薄い小さい四角形になる切り方。方は正方形に、象眼は菱形になるように切る。
- 竜(ロン)[11]
- じゃばら切り。
- 付け合わせのキュウリやダイコン、ニンジンなどを美しく飾り付けるために用いられている技法。
- 切り落とさないように、食材の片面から薄く斜めに包丁を入れて、裏面にも同様に包丁を入れる。広げると蛇腹のようになる。
- 紋(ウェン)[12]
- 鹿の子切り、松笠切り。
- 食材の表面に網の目のような切れ込みを入れること。味が食材に染み込みやすくするためや、食べやすくするために行なう。
- イカ、アワビ、貝柱などの海鮮や肉類のほか、ナス、ダイコン、カブといった野菜にも施される。
“片”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “絲”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “丁”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “条”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “末”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “茸”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “段”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “方”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “竜”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。 “紋”. クックドア. 中華料理・中国料理店用語辞書. 2024年5月3日閲覧。