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中東の民族の一覧(ちゅうとうのみんぞくのいちらん)は、有史以来、中東に存在してきた民族の一覧。
中東という地域概念の範囲は一定ではないが、ここでは、イランからカフカス、西アジア(アナトリア、イラク、歴史的シリア、アラビア半島)、北アフリカ(エジプト、マグリブ諸国、エチオピア)を中心とした地域に関して述べ、21世紀までに消滅した民族も中東に歴史上存在した民族として含める。
中東地域は民族の十字路と呼ばれるように、中央アジア、南アジア、ヨーロッパなど周辺の地域との間で民族の移動と交流が盛んに行われており、中東と周辺地域との関連を抜きに民族集団の形成を考えることはできない。
世界的に見ると多くの場合、民族の枠組みは言語や文化の同質性によって定義されるが、この地域においてはアブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの唯一神教)や印欧系宗教(ヒッタイトの信仰、ミトラ教、ゾロアスター教、仏教など)の発祥地でもあり、民族の枠組みと特定の宗教・宗派を信仰する宗教集団、宗教共同体の枠組みとの間に密接な関係があることは中東の諸民族の重要な特徴である。
中東の民族を見ると、アラブ人のように、イスラム教(イスラーム)の拡大にともなって先住民族を同化していき、ついには非ムスリム(イスラム教徒)まで同化させた例や、古代のヘブライ人のように固有の言語を持たず、居住地の言語を取り入れながら漂泊した集団が見出せるように、中東はある民族の血統的連続性と言語、宗教が必ずしも一致する訳ではないという実例を豊富に示す地域である。その他にも、古代イスラエル人のように多くの民族と通婚し次第に文化・信仰の面での一体性を失っていった集団や、エジプトのコプト正教徒のように言語的・文化的にアラブとの同化が進み民族(古代エジプト人)としての内実はほぼ失われながらも宗教の紐帯により集団の一体性を保ちつづける集団、中世から現代のユダヤ人(ユダヤ教徒)のように固有の土地や言語を失いながらも、特定の言語で書かれた聖典と信仰によって集団としての一体性を保ったために、奇跡的な帰還と言語の復興を成し遂げた集団も存在する。
ここでは、便宜的に言語の系統によって分類する。
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