三角法
三角形の角の大きさと辺の長さの間の関係の研究を基礎として、他の幾何学的図形の各要素の量的関係や、測量などへの応用を研究する数学の学問領域 ウィキペディアから
三角法(さんかくほう)とは、三角形の角の大きさと辺の長さの間の関係の研究を基礎として、他の幾何学的図形の各要素の量的関係や、測量などへの応用を研究する数学の学問領域の一つである[1][2][3]。様々な数学の分野の中でもきわめて古くから存在し、測量や天文学上の計算などの実用上の要求と密接に関連して生まれたものである(→歴史)。三角法と数表を用いることで、直接に測ることの難しい長さを良い精度で求めることができる(→応用分野)。三角法は平面三角法、球面三角法、その他の三角法に分けられる[3](→平面三角法、→球面三角法、→その他の三角法)。三角関数は歴史的には三角法から派生して生まれた関数である(→三角関数)。
三角形の決定問題

任意の三角形の3辺と3角の大きさ(三角形の主要素)を一般的に与えたとき、一部から残りを特定することが、三角法の本来の目的である[1][2][4]。任意の三角形は3辺と3角の大きさという6つの要素のうち3つの要素が与えられた場合、他の諸量が決定する場合があるという性質があり、この性質を利用して三角形を特定することを「三角形を解く」(solving triangles)といい、その条件を「三角形の決定条件」という[3][5][6][7]。三角形を解く際に計算を利用する場合、三角関数が現れる[2]。
三角形の辺の大きさが与えられている状態を(Sideの)S、角の大きさが与えられている状態を(Angleの)Aと表記することにすると、3辺と3角のうち3つが与えられている状態は、以下の6通りに表せる[8]。平面三角法においては、このうち、SSS, SAS, ASA, AAS の場合に三角形が一意に特定されることが知られており[4]、このことはエウクレイデスの『原論』においても幾何学的に証明されている。図1.1に示すように、ASSの場合、2通りの三角形に決定する。AAAの場合、三角形が決定しない。他方で、球面三角法においては、AAAの場合でも一意に特定される[4][9]。
- SSS, 三辺
- SAS, 二辺挟角
- ASA, 二角挟辺
- AAS
- ASS
- AAA
三角形の辺と内角以外の諸量、例えば高さ、外角、中線の長さなど(三角形の副次量)が与えられた場合に三角形が解けるケースがある[1][2]。三角形を解くための要素が、他の幾何学的図形の各要素の量的関係から間接的に決定される場合もある[1][2][6]。他の幾何学的図形の平面三角法における一例を挙げると、外接円、内接円、傍心円などがある。平面上の三角形は独立の3情報から決定されるため、「平面三角形は自由度(degree of freedom)が3である」とされる[6]。
平面三角法
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