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ヴァン・ダインの二十則(ヴァン・ダインのにじっそく)は、推理小説家S・S・ヴァン・ダインが「アメリカン・マガジン」誌(American Magazine)の1928年9月号に掲載し、1936年に刊行した自らの短編集(Philo Vance investigates)に収録した、推理小説を書く上での20の規則である[1][2]。「探偵小説作法二十則」(英: Twenty Rules for Writing Detective Stories)ともいう[3]。
1927年に本名のウィラード・ハンティントン・ライト名義で出版した『探偵小説傑作集』(The Great Detective Stories: A Chronological Anthology, 1931年に『世界探偵小説傑作集』 The World's Great Detective Stories と改題)の序文として掲載した「推理小説論」とともに[4]、ヴァン・ダインが推理小説評論の世界に残した大きな指標の一つとなっている。
ノックスの十戒と並んで有名な規則であり、推理小説へ入門する者にとっての基本指針となっているが、この二十則を意図的に破った作品も数多く存在する[注 1]。
★印を付けた項目は、ノックスの十戒と全くあるいは非常に似た項目である。
雑誌「新青年」1930年(昭和5年)6月号に「探偵作家心得二十ヶ條」として掲載された[5]。小河原幸夫訳。ヴァン・ダインの寄稿によるものであり、編集部宛書簡の一部も掲載された[6]。
アメリカのミステリ評論家ハワード・ヘイクラフトは、1946年に刊行したミステリ評論のアンソロジー『ミステリの美学』 The Art of the Mystery Story において、「出版当時はきわめて画期的であったが、今日なお広い支持層を得るには、せめてルールその三、七、一六は削除するか、大幅な修正を加える必要がある。探偵小説は進化しているのだから!」と評している[7]。
江戸川乱歩は1951年刊行の評論集『幻影城』において、ノックスの十戒とともに「この二つの戒律は、謂わば探偵小説初等文法であって、力量のある作家はこういう文法を無視して優れた作品を書いている例も多く、現在ではもう戒律などの時代を通りすぎているのだが、一九二八年頃には、英米とも謎小説の愛好心が高潮し、こういう戒律まで生れたという点に深い興味がある」と評している[8]。
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