リンゴ酸デヒドロゲナーゼ
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リンゴ酸デヒドロゲナーゼまたはリンゴ酸脱水素酵素(malate dehydrogenase, MDH)は、リンゴ酸とオキサロ酢酸との相互変換を触媒する酸化還元酵素である。
用いる電子受容体によって以下の表のように分類されているほか、さらに脱炭酸してピルビン酸にするリンゴ酸酵素に対しても「リンゴ酸デヒドロゲナーゼ」と呼ぶことがある。
IUBMB名称 | EC番号 | 電子受容体 |
---|---|---|
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ | 1.1.1.37 | NAD+ |
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (NADP+) | 1.1.1.82 | NADP+ |
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ [NAD(P)+] | 1.1.1.299 | NAD(P)+ |
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (キノン) | 1.1.5.4 | キノン |
本項ではNAD+依存型の酵素(EC 1.1.1.37)について記述する。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼまたはリンゴ酸脱水素酵素(malate dehydrogenase, MDH)は、リンゴ酸をオキサロ酢酸へと酸化する(またはその逆の)化学反応を触媒する酸化還元酵素である。クエン酸回路を構成する酵素の1つであり、また真核生物においてはリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルに関与している。
ヒトや他の多くの哺乳動物は以下の2種のリンゴ酸デヒドロゲナーゼを持つ。MDH1は細胞質に存在し、MDH2はミトコンドリアに存在する。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(MDH)の翻訳産物は分子量30~40kDa程度であるが、これがホモ2量体またはホモ4量体の四次構造をとる。MDHの祖先はホモ4量体であったと考えられ、構造上よく似た乳酸脱水素酵素もホモ4量体である。古細菌はホモ4量体のMDHを持っており、真正細菌でもグラム陽性菌やαプロテオバクテリアなどが該当する。これに対しほとんどの真核生物はホモ2量体のMDHを持っている。ホモ2量体のMDHは大きく分けて2種類あって、哺乳類では細胞質型のMDH1とミトコンドリア型のMDH2という様に区別されている。MDH1は、真核生物の細胞質や葉緑体で機能しているほか、真正細菌の一部(抗酸菌や放線菌など)が持っている。MDH2は真核生物のミトコンドリアで機能している以外に、キネトプラスト類のグリコソームや、真正細菌のγプロテオバクテリアなどが持っている。[1]
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