モルホリン

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モルホリン英語: morpholine)は、化学式O(CH2CH2)2NH の有機化合物である。

概要 モルホリン, 識別情報 ...
モルホリン[1]
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識別情報
CAS登録番号 110-91-8 
PubChem 8083
ChemSpider 13837537 
UNII 8B2ZCK305O 
EC番号 203-815-1
国連/北米番号 2054
KEGG C14452 
ChEBI
ChEMBL CHEMBL276518 
RTECS番号 QD6475000
バイルシュタイン 102549
Gmelin参照 1803
特性
化学式 C4H9NO
モル質量 87.12 g mol−1
外観 無色の液体
匂い ややアンモニアのような、魚のような匂い[3]
密度 1.007 g/cm3
融点

−5 °C, 268 K, 23 °F

沸点

129 °C, 402 K, 264 °F

への溶解度 混和
蒸気圧 6 mmHg (20 °C)[3]
酸解離定数 pKa 8.36[4] (共役酸)
磁化率 -55.0·10−6 cm3/mol
危険性
安全データシート(外部リンク) msds
GHSピクトグラム 可燃性腐食性物質急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H226, H302, H312, H314, H332
Pフレーズ P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P261, P264, P270, P271, P280, P301+312, P301+330+331
主な危険性 可燃性、腐食性
NFPA 704
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引火点 31 °C (88 °F; 304 K)
発火点 275 °C (527 °F; 548 K)
爆発限界 1.4%–11.2%[3]
許容曝露限界 TWA 20 ppm (70 mg/m3) [皮膚][3]
半数致死量 LD50 1220 mg/kg (哺乳類, 経口)
525 mg/kg (マウス, 経口)
1050 mg/kg (ラット, 経口)[5]
半数致死濃度 LC50 365 ppm (マウス, 2時間)[5]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
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構造・性質

モルホリンは、シクロヘキサンの向かい合わせになった炭素の1つを窒素で、もう1つを酸素で置換した構造を持った複素環式アミンである。窒素は塩基性を持ち、比較的水溶性が高く、水溶液中ではプロトンを受容して陽イオン化し、モルホリニウムイオンになり得る。なお、モルホリニウムイオンのpKaは8.33である[6]

morpholinium ion + H2O ⇔ morpholine + H3O+

モルホリンの単体の常圧での融点は-5 ℃であり、常温・常圧ではアミン臭を持った無色の液体として存在する。引火性の液体であり、引火点は38 ℃、発火点は310 ℃である。

用途

モルホリンの弱い塩基性を活かして中和剤として用いる場合がある他に、防腐剤として用いられる場合もある。有機合成においては、ペプチドの有用な合成法である固相合成において汎用されるFmoc保護基の脱保護剤として用いられる。また、パラジウム触媒によるAlloc保護基、またはアリルエステルやアリルアリールエーテルの開裂の際、アリル基の捕捉剤として用いられる。

なお、天然物中にはモルホリン骨格を持った分子はほとんど存在しないものの、水溶性が高いため医薬の部分構造として、モルホリン骨格が導入される場合がある。モルホリノエチル基はカルボン酸プロドラッグとして用いられる。

危険性

モルホリンは皮膚に対しての腐食性を有する。さらに、長期的なモルホリンの暴露により、肝臓や腎臓に悪影響を与える可能性が指摘されている。また、引火性の液体であるため取り扱いには注意を要する。日本では消防法により危険物第4類に指定されている他に、2008年11月21日にはPRTR制度対象物質としても指定された。

出典

関連項目

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