ムライト(Mullite、ムル石あるいはマル石)とは単鎖構造を持つアルミノケイ酸塩鉱物、すなわち酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の化合物。化学式は3Al2O3·2SiO2〜2Al2O3·SiO2、またはAl6O13Si2で表される。スコットランドのマル島(Isle of Mull)で産出する事からムライト(mullite)と名付けられた。酸化アルミニウム、二酸化ケイ素は地殻中に非常に豊富に含まれるが、ムライトは天然にはほとんど存在しない(ブッカイト中に産する)。なお磁器の中ではごく普通に生成されており、ムライトを主要構成物とするものを特にムライト磁器と呼び、るつぼなど化学用品に使われている。
結晶構造は斜方晶系で(010)にへき開性があり、無色ないし淡紫紅色の柱状晶となる。一部のものはTiやFe3+を含み、高い屈折率を持つ。全般的に珪線石(sillimanite)に性質が似ている。
関連項目
参考文献
- 黒田吉益・諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、ISBN 4-320-04578-5。
- 松原聰・宮脇律郎『国立科学博物館叢書5 日本産鉱物型録』東海大学出版会、2006年、ISBN 978-4-486-03157-4。
外部リンク
- Mullite(mindat.org)
- Mullite Mineral Data(webmineral.com)
- 日本新産鉱物情報(日本鉱物学会)
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