Loading AI tools
塗装箇所の周囲に貼り、汚れを防ぐテープ ウィキペディアから
マスキングテープ(英語: masking tape)は塗装をはじめとするシーリングやコーキングの際に塗装箇所以外を汚さない目的で使用される保護用の粘着テープ。
「マスキング」は「覆い隠す」の意味で専門的には「養生」と呼ばれ、マスキングテープは養生資材に分類される。粘着力が弱くて剥がしやすく切りやすいため、仮止めにも使われる。近年ではさまざまな色や柄のマスキングテープが発売され、装飾やラッピングなどに幅広く用いられるようになり人気が高まっている[1]。
マスキングテープは、3Mの従業員であったリチャード・ドリューによって発明された。ドリューは、自動車塗装工たちが自動車に、糊やサージカルテープで張ったブッチャーペーパーを剥がそうとするとき、自動車の塗装まで剥がされているのを見た。その剥脱した部分を再度塗りなおすと、コストがかさむことを感じたドリューは、粘着力の低いテープの必要性を痛感し、研究を始めた。試行錯誤をかさね、1925年にドリューはマスキングテープを世に送り出した。ただしこのマスキングテープには伸縮性がなかったため、後にクレープペーパーを使った伸縮性のある商品に改良された。
日本では、1918年に日進工業合資会社の芳川作次郎が紙絆創膏・紙テープの実用新案を登録、1938年に日本粘着テープ工業株式会社(現:寺岡製作所)が塗装用火薬包装用として和紙製のマスキングテープの製造を開始した。これ以降、世界で和紙製のマスキングテープが使われるようになった。
以上のように、元来はもっぱら塗装現場や撮影現場などの専門職の人たちが作業箇所以外の部分を汚さないため、あるいは資材の識別のために用いるものであった。絵画やプラモデルのエアブラシ塗装のマスキングにも用いられ、液体のマスキングゾルやシート状のマスキングシートも併用される。のちに柄入りの装飾用マスキングテープが売り出されるなど「雑貨」として捉え直されることとなり、文房具愛好家の間に爆発的な人気が出るに至った。近年では著名デザイナーとコラボしたマスキングテープ[2]や北欧風のかわいい柄のマスキングテープ[3]等も販売されている。
材質・幅・色・柄はさまざまで、粘着力も商品によって異なり、使用用途によって使い分ける。基材は紙・ビニール、粘着材はゴム系・アクリル系のものが使われる。メーカーによって異なるが、一般に水色はシーリング(コーキング)用、白色は建物塗装用、黄色は溶剤と熱に強い自動車塗装用と色で区別されている。ホームセンター等で入手できるものは、基材は和紙で粘着力が弱くのり残りの少ないものが一般的。
装飾用のマスキングテープは特に「マステ」と略称されることもある[4]。カラフルな工業用マスキングテープに着目した愛好家により、本来の養生の目的から離れて手帳などの装飾から梱包、DIYまで幅広く用いられ、人気を集めている。近年ではさまざまな色、柄の装飾用・文具用マスキングテープが文具店や100円ショップなどで販売されており、文言が印刷された実用的なものから駅名標が印刷されたものまで、用途も種類も広がりを見せている[5][6]。基材は和紙が多いが、布も用いられる[7]。 なお粘着力はセロハンテープよりも弱いものが多く、また経年劣化でも粘着力が低下するため、郵便物の封かんや物品の長期保存などの用途での使用には向かない。
養生用テープのうち、一般的なガムテープとほぼ同じ形状(幅50ミリ前後)で、基材がポリエチレンやポリエステルのものを特に養生テープと呼ぶ。
手早く作業ができるように、ハサミなどを用いなくても繊維に沿って手で簡単に切ることができる。一時的に貼ることを前提としているため、ガムテープに比較して粘着力は弱く、剥がしても跡が残りにくい。また、剥がし忘れのないように色はガムテープと比べて多く、緑や青、白などがある。
養生の用途以外にも、剥がしやすい特性を活かして台風などで窓ガラスが割れた時に破片が飛散するのを防ぐ目的で予め窓ガラスに貼るなど、災害対策にも用いられる[8]。
など
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.