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ポルシェ910(Porsche 910 )はFIA規定のグループ6用に開発され、1967年にデビューしたプロトタイプレーシングカーである。別称カレラ10(Carrera 10 )。
ポルシェ・910 | |
---|---|
ボディ | |
ボディタイプ | 2ドア クーペ |
駆動方式 | MR |
パワートレイン | |
エンジン |
ポルシェ901/21型1,991cc空冷水平対向6気筒SOHC ポルシェ771/1型2,195cc空冷水平対向8気筒DOHC |
変速機 | 5速MT |
前 |
前 ダブルウィッシュボーン 後 上Iアーム/下逆Aアーム、ツインラジアスアーム |
後 |
前 ダブルウィッシュボーン 後 上Iアーム/下逆Aアーム、ツインラジアスアーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,300 mm |
全長 | 4,100 mm |
全幅 | 1,710 mm |
全高 | 980 mm |
車両重量 | 575 kg |
その他 | |
エンジン出力 | 270馬力 (771型) |
系譜 | |
先代 | ポルシェ・906 |
後継 | ポルシェ・907 |
1966年シーズンを戦った906の発展モデルであり、フェルディナント・ピエヒ率いるデザインチームが改良を行った。車輌カテゴリはグループ4スポーツカーからグループ6スポーツプロトタイプに変わり、ワークス用として28台が製作された。品質管理上レースごとに新車を使う方針だったため、使用後はオーバーホールされ各国のプライベーターに放出された。
ポルシェのレーシングスポーツは904(1964年)→906(1966年)→910(1967年)→907(1967年)→908(1968年)→909(1968年)という順に開発されたが、910のイレギュラーなタイプナンバーについて明確な説明はない。ヒルクライム用マシン、オロン・ヴィラール・スパイダーのシャシ番号"906-010"からきたのではないかという説もある[1]。
エンジンは906と同じく1,991cc6気筒と2,195cc8気筒の2タイプがある。ともにボッシュ製の機械式燃料噴射装置を採用している。
鋼管スペースフレームは軽量化と捻れ剛性の向上を図った。ホイールが15inから13inに小径化し、センターロック方式のマグネシウム製ホイールを採用した。シーズン中、ブレーキをベンチレーテッドディスクに変更した。
外観は906のフォルムを踏襲しているが、以下の変更点がある。
1966年のヒルクライムレースより先行投入され、1967年のスポーツカー世界選手権開幕戦デイトナ24時間レースで本格デビュー。第5戦タルガ・フローリオより8気筒エンジンの910/8を投入し、ロルフ・シュトメレン/ポール・ホーキンス組が総合優勝。6気筒の910/6が2位・3位を占め表彰台を独占した。
第6戦ニュルブルクリンク1000kmでも910/6が1から3位を独占。ウド・シュッツ/ジョー・ブゼッタ組のドライブにより、ドイツ車として地元初勝利を達成した。
マニュファクチャラーズ選手権において、ポルシェは第7戦終了までに32点を獲得(上位5戦有効得点制)。4リットルマシンを使うフェラーリを1点リードしていた。タイトル決定戦となるBOAC500マイルレースでは、ブルース・マクラーレンやグラハム・ヒルも助っ人として910/8をドライブした(日本の生沢徹もリザーブ登録された)。
レースではジョー・シフェール / ブルース・マクラーレン組の910/8が、クリス・エイモン / ジャッキー・スチュワート組のフェラーリ330P4と2位を争ったが、ブレーキパッド交換のタイムロスで3位に終わり、ポイントを逆転され選手権初制覇は成らなかった。
1968年の'68日本GPにタキ・レーシングが購入した910/6が出場し、生沢のドライブで総合2位に入賞した。翌年の'69日本GPでは風戸裕がGP-IIクラス最高の8位。風戸は翌年にかけて国内レースで連勝し、全日本IIクラスチャンピオンとなった。その後オーナーが代わりながら、1977年まで国内レースに出場した。
シャシ番号910-012の個体はレストアされ、2008年10月25・26日にツインリンクもてぎで開催された「ヒストリック・オートモービル・フェスティバル2008」に登場し、生沢が40年ぶりにステアリングを握った[2]。
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