数学、特に実解析におけるボルツァノワイエルシュトラスの定理(ボルツァノワイエルシュトラスのていり、: BolzanoWeierstrass theorem)は、ベルナルト・ボルツァーノおよびカール・ワイエルシュトラスに名を因む、有限次元ユークリッド空間 n における収束に関する基本的な結果である。定理は「n 内の任意の有界数列収束する部分列を持つこと」を主張する[1]。これと同値な定式化として、「n の部分集合が点列コンパクトであるための必要十分条件は、それが有界閉集合となることである[2]」という形で述べることができる。この定理をしばしば (n の) 点列コンパクト性定理とも言う[3]

歴史と意義

ボルツァノヴァイヤシュトラスの定理は、ボルツァノとヴァイヤシュトラスという二人の名前が冠されているが、実際には1817年にボルツァノが中間値の定理の証明において補題として証明したのが初出である。50年ほどしてから、この結果自身の重要性が見いだされ、ヴァイヤシュトラスによって再び証明された。それ以降、実解析における本質的な定理と位置付けられた。

証明

ユークリッド空間の点列コンパクト性

n の部分空間 A が、A 内の任意の列が A の元に収束する部分列を持つと仮定する。このとき、A は有界である。実際、有界でないとすれば A 内の点列 xmxmm (∀m) を満たすものが存在するが、この列の任意の部分列は非有界で、したがって収束しない。さらに A は閉集合である。これは A の補集合に属する非内点 x から、x に収束する A-値の点列が作れることによる。したがって、n の部分空間 A が、A 内の任意の点列が収束する部分列を持つすなわち点列コンパクトな部分集合であることは、ちょうどそれが有界閉集合となることに同じである。

定理をこの形に述べることで、ハイネ–ボレルの被覆定理との類似性が特に明らかとなるハイネボレルの定理の示すところは「n の部分集合がコンパクトであるための必要十分条件が、それが有界閉集合であること」であった。実は、位相空間論の一般論として「距離化可能空間がコンパクトであるための必要十分条件は、それが点列コンパクトであることである」ことが言えるので、ボルツァノヴァイヤシュトラスの定理とハイネボレルの定理は本質的には同じものということになる。

関連項目

参考文献

関連文献

外部リンク

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