ホソアカクワガタ属
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ホソアカクワガタ属(ホソアカクワガタぞく、Cyclommatus)は、甲虫目・クワガタムシ科に属する分類群。体色も大顎の形状も奇抜なものが多く、人気がある。
ホソアカクワガタ属 Cyclommatus | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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エラフスホソアカクワガタ" C,Elaphus,TruneKartus | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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亜属 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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特徴
フィリピンや、中国南部以南の東南アジアや、オセアニア地域を中心に分布し、各種の分布域が狭いことが特徴として挙げられる。人気はあるものの成虫は短命なので長期飼育には向いていない。また、種毎の差異が少なく、属内の分類は確定していない。
脚の脛節外側の棘は発達しない。また眼縁突起も不発達、学名は「丸い目」を意味する。ツバキ科の植物の新芽を傷つけ汁を吸うといわれている。
非常に華奢な体形をしており、特にメタリフェルホソアカクワガタは大顎が体長の半分以上を占めることもある。 本属全般に共通の習性として、樹液に集まるのではなく、草本の花に集まることが知られている。(飼育下では昆虫ゼリーや、果実、樹液も食する。) 華奢な体型と長大な雄の大顎は、太い木の幹でなく細い枝先や草本を生活の場として雌や餌場を巡って闘争する本属雄の習性に対応して進化したと考える研究者もいる。
長い大顎は一見するとチリクワガタのように、挟む力はそれほどでもないように見えるが、実際には挟む力は強く、指を挟まれると出血させる程の力を持ち、見た目が華奢に見える脚部も、樹皮や枝を掴む力が強い事や、僅かに頭循のようなものが発達する頭部、後半が細くなる前胸部、低温を好む部分がミヤマクワガタ属の性質と共通する。
種類
- メタリフェルホソアカクワガタ Cyclommatus metallifer
- 本属中では2番目に大きい種類である、最大個体は100mmに達する。先端の内歯から外歯にかけて細かい内歯が並ぶ。日本において最も普通に輸入・販売・飼育されているホソアカクワガタである。大顎発達が著しい本属の中でも、特に大顎が発達する。「メタリフェル」の名の通り、亜種間で差はあれど、オスの鞘翅は金属光沢を有する。
- インペラトールホソアカクワガタ C. imperator
- コウテイホソアカクワガタともいう。90mmにもなり、ニューギニア島における最大のクワガタムシである。
- 原名亜種 C. i. imperator
- ニューギニア島東部
- C. i. monguilloni
- イリアンジャヤ
- C. i. siokurai
- 西イリアン。C. i. ssp. splendidusのシノニム名。
- C. i. arfakensis
- アルファク山に生息する。
- C. i. splendidus
- ティミカに生息する。
- エラフスホソアカクワガタ C. elaphus
- 大型のものでは100㎜を越える本属最大種である。
- 原名亜種 C. e. elaphus
- スマトラ島南部
- C. e. truncatus
- スマトラ島北部
- C. e. kirchnei
- スマトラ島西部
- アラガールホソアカクワガタ C. alagari DeLisle, 1968
- パラワン島に生息する異色のホソアカクワガタ
- プルケルスホソアカクワガタ C. pulchellus
- ニューギニア島
- マルガリータホソアカクワガタ C. margaritae Gestro, 1877
- ニューギニア島
- バインライヒホソアカクワガタ C. weinreichi Laxroix, 1972
- ニューギニア島
- カウピホソアカクワガタ C. kaupi Deyrolle, 1865
- ニューギニア島
- ゲストロホソアカクワガタ C. gestroi Nagel, 1931
- ニューギニア島
- スペキオススホソアカクワガタ C. speciosus
- イグジミウスホソアカクワガタ C. eximius Möllenkamp, 1909
- ニューギニア島
- モンタネルスホソアカクワガタ C. montanellus Möllenkamp, 1904
- ボルネオ島
- チュウホソアカクワガタ C. chewi Mizunuma, 1994
- ボルネオ島
- ムルティオルムホソアカクワガタ C. murutiorum H. Ikeda et Katsura, 2001
- ボルネオ島
- タランドゥスホソアカクワガタ C. tarandus (Thunberg, 1806)
- ボルネオ島
- ルニフェルホソアカクワガタ C. lunifer Boileau, 1905
- ボルネオ島、スマトラ島、マレー半島、ミャンマー南東部
- ギラファホソアカクワガタ C. giraffa (Möllenkamp, 1904)
- カリマンタン島。全身が紅色で、大顎には内歯が殆ど見られない。
- カナリクラトゥスホソアカクワガタ C. canaliculatus (Ritsema, 1891)
- ストリギケプスホソアカクワガタ C. strigiceps
- アルペルスホソアカクワガタ C. albersi (Kraatz, 1894)
- ビコロールホソアカクワガタ C. bicolor
- タイ、ミャンマー、中国雲南省
- トサカ(ムニスゼッチ)ホソアカクワガタ C. muniszechi
- 原名亜種 C. m. muniszechi (Thomson, 1856)
- 台湾
- C. m. tonkinensis (Didier, 1927)
- 中国東南部、ベトナム北部
参考文献
- 「ホソアカクワガタ大特集!!」『月刊むし』増刊号BEKUWA2006年春号(19号)、むし社。
- 「第6巻 世界のクワガタムシ大図鑑 」、 むし社。
- 「Stag Beetles of China III 中華鍬甲[参] 中国のクワガタムシ III」Huang Hao & Chen Chang Chin, 2017.
外部リンク
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