プロメテウス (衛星)
土星の第16衛星 ウィキペディアから
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プロメテウス[6][7] (Saturn XVI Prometheus) は、土星の第16衛星である。羊飼い衛星の一つであり、土星の環の一つであるF環の形成・維持に関与している。
プロメテウス Prometheus | |
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カッシーニから撮影したプロメテウス | |
仮符号・別名 | 仮符号 S/1980 S 27 別名 Saturn XVI |
分類 | 土星の衛星 |
発見 | |
発見年 | 1980年10月 |
発見者 | B・A・スミスおよび ボイジャー1号撮像チーム |
軌道要素と性質 元期:2003年12月31日 | |
軌道長半径 (a) | 139,380±10 km[1] |
離心率 (e) | 0.0022[1] |
公転周期 (P) | 0.612990038 日[1] |
軌道傾斜角 (i) | 0.008°±0.004° (土星の赤道面)[1] |
近日点引数 (ω) | 37.514°[2] |
昇交点黄経 (Ω) | 319.176°[2] |
平均近点角 (M) | 96.886°[2] |
土星の衛星 | |
物理的性質 | |
三軸径 | 135.6 × 79.4 × 59.4 km[3] |
平均半径 | 43.1±2.7 km[3] |
表面積 | ~23,000 km2 |
体積 | ~335,367 km3[4] |
質量 | (1.595±0.015) ×1017 kg[3] |
平均密度 | 0.48 ± 0.09 g/cm3[3] |
表面重力 | ~0.0013-0.0058 m/s2[3] |
脱出速度 | ~0.019 km/s |
自転周期 | 0.614102 日 (公転周期と同期) |
アルベド(反射能) | 0.6[5] |
赤道傾斜角 | 0 |
表面温度 | 74 K |
大気圧 | なし |
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
プロメテウスは1980年10月中旬に、ボイジャー1号が撮影した写真の中からブラッドフォード・A・スミスが率いるボイジャーの撮像チームによって発見され、S/1980 S 27 という仮符号が与えられた[8]。この際にはパンドラも発見されている。その後1986年1月3日に、ギリシア神話の巨人族で人類に火をもたらして罰を受けるプロメーテウスにちなんで命名され、Saturn XVI という確定番号が与えられた[9]。
プロメテウスは非常に細長い形状をしており、三軸径はおよそ 136×79×59 km である。表面には尾根や谷、複数個の直径 20 km ほどの衝突クレーターがみられるが、近くを公転するパンドラ、エピメテウス、ヤヌスと比べるとクレーターの数は少ない[4]。
密度が非常に低く、アルベドは比較的高いことから、プロメテウスは非常に多孔質な氷で出来た天体だと考えられている。しかしこれらの値には不定性が多い。
プロメテウスは土星の細い土星の環#F環内縁の羊飼い衛星である。パンドラはF環のすぐ外側を公転しており、パンドラもF環の形成に関わっていると考えられてきた。しかし近年の研究では、F環の形成に寄与しているのはプロメテウスのみであることが示唆されている[10][11]。
土星探査機カッシーニ (探査機)によって、プロメテウスの重力はF環中にねじれ構造とこぶ状の構造を生成していることが判明した[12]。
プロメテウスの軌道は、パンドラとの4種類の 121:118 平均運動共鳴の影響でカオス的であると考えられる[13]。プロメテウスとパンドラの軌道の最も分かりやすい変化は、パンドラの近点がプロメテウスの遠点と一直線上に並ぶ、およそ6.2年ごとに発生する[1]。この時、両者はおよそ 1400 km 以内の距離に接近する。またプロメテウス自身はアトラスの軌道に大きな擾乱をもたらしており、両者は平均経度が 53:54 の共鳴を起こしている[1]。
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