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1969年6月10日発売開始。後に小林製薬の四代目社長となる小林一雅が訪米した際に見かけたトイレ洗浄剤をモデルに開発を思い立ったという。しかし、アメリカと異なり当時の日本では下水道の普及率がまだ低く、浄化槽で使用後の汚水を一旦貯めて濾過し、汚れを取り除いてから放流する方法が主流であり、浄化槽内のバクテリアに影響するため塩素が使用できないという制約があった。開発の際、大阪工場の屋上には十数基の水洗トイレが設置され、試作品を作っては屋上のトイレで実験し、欠点が改善されれば再び屋上へという地道な作業が繰り返され、色を一定にするまでには約1年を要した。その後も香りや水温の問題、製造方法や製造コストにも取り組み、実際に製品として完成したのは開発着手から4年後のことだった[1]。
当初は、水洗トイレのタンク内に針金で容器を吊す形式(現在の「ブルーレットつり下げ」に相当)で、重いタンクの蓋を取り外す必要に加えて、容器から漏れ出す薬液で手が汚れるなど、主婦の女性には設置が煩わしい製品であったこと、効果の持続性が短いなどの難点があった。そうした悪条件を克服するにつれて売り上げを徐々に伸ばし始め、数年後には採算ラインに到達するまでになった。粘り強い販促活動に加えて、都市部を中心に団地が急増し、下水道普及率やトイレの水洗化率の向上といった社会的条件も追い風となり、リピート率の高さも手伝って累計出荷個数1億個を超える典型的なロングセラーブランドに成長した[2]。
更に市場への定着を促す上で転機となった商品は、1986年に発売された「ブルーレットおくだけ」(水盆の上に設置するオンタンクタイプ)、1991年に発売された「ブルーレットドボン」(タンクの底に固着する投げ込み式固形タイプ)であり、設置の手間を劇的に減らし、販売数が飛躍的に増加した。また、1997年にはオシャレ路線を訴求した「ブルーレット陶器のおくだけ(後の「ブルーレットSelect」)」を発売。2001年には無色の液体タイプ「液体ブルーレットおくだけ」を発売。
初期の製品は青色のみで、「ブルーレット」の名もそれに由来するが、現在は他にグリーンの水仕様や、1990年に発売を開始した無色タイプを加えた三本建ての展開となっている。特に無色タイプは排泄物の健康チェックに支障をきたさないという点で一定の需要があるとされる。
小林製薬にとっては、このブルーレットが家庭用品(トイレタリー)参入第一号の製品であり、従来は医薬品専業メーカーでありながら、その後急速に家庭用品事業を拡大していく端緒となった。
2014年6月には、タンクレストイレの普及に対応し、便器に直接ジェルを貼り付ける「ブルーレットデコラル」が発売され、2015年4月には繰り返し使用可能のスタンプ式「ブルーレットスタンピー」も発売された。
同年11月10日に、「最新の年間売上に基づく、水洗トイレのタンクに設置するトイレケアの最大ブランド」としてギネス世界記録に認定された(洗剤・日用雑貨のカテゴリにおける売上No.1認定はギネス世界記録史上初)。記録として認定された2013年の累計売上は過去最高額である138億1345万5655円(正式認定数値)であった[3]。
2022年8月には世界展開への足掛かりとして、「液体ブルーレットおくだけ」をベースにした中国向け仕様「波乐清(ボールーチン)」をECサイトにてテスト販売を開始した。硬水環境下に合わせた処方にするととともに、水洗トイレに水盆が設けられていない中国の水洗トイレ事情に対応し、先にパーツをタンクの角にセットしてから本体をセットする形式が採用され、また、トイレと浴室・洗面台・洗濯機などが同じ部屋内に設置されている事情を踏まえ、容器下部の開口面積が拡げられ、空間にも芳香が可能なように工夫されている[4]。
2020年4月に「ブルーレット」のブランドロゴが変更されており、既存の「液体ブルーレット」シリーズ全品(おくだけ・おくだけアロマ・おくだけ除菌EX・Premium PERFUME)、ドボン2倍(無色の水を除く)、デコラル除菌効果プラスも同年6月にブランドロゴ変更に伴うパッケージデザイン変更を行いリニューアルされた。
また、2021年より小林製薬の独自基準である「製品開発エコ基準」を1つでも満たした製品に「エコをカタチに」マークの表記を開始し、「ブルーレット」では同年4月にリニューアルされた「ブルーレットスタンピー」シリーズの本体と、同時期に発売された「液体ブルーレットおくだけ 除菌EXフレグランス」のつけ替用から開始され、その後、「液体ブルーレット」全製品と無色を除く「ブルーレットおくだけ」の付け替え用にも自然切替により同マークを表記している[5]。
銀イオンの殺菌効果を謳う商品が流行している中で、2007年9月に「銀のブルーレットおくだけ」が発売された。パッケージには、便器の黒ズミの発生を防ぐ効果を謳っていたが、実際には銀イオンの配合量が少なく効果が認められず、2008年6月、小林製薬は公正取引委員会から不当景品類及び不当表示防止法第6条第1項の規定に基づく排除命令を受けている。なお製品自体は、先立つ同年2月中に公正取引委員会からの指摘を受け、回収を始めている。
スタンプクリーナータイプの「スタンピー」[注釈 1]を除き、ブルーレットシリーズ製品の注意書きに「簡易水洗式便器には使用できない」の旨があるので、簡易水洗便器への使用が不可となる。
タンクの中に直接投入する「ドボン」については、簡易水洗便器に加え、タンクの底が狭くドボンが入る場所がないタンク、内ぶたがあるタンク、節水型タンクへの使用も不可となる。
TOTOやLIXILなど衛生陶器メーカーでは、成分が把握できずタンク内の樹脂・ゴム製器具に劣化や着色の可能性があるとして、芳香洗浄剤の使用を推奨していない[7][8]。
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