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皮膚の色の分類と紫外線への反応 ウィキペディアから
フィッツパトリックのスキンタイプ(Fitzpatrick skin typing)とは、紫外線に曝露されたことによる感受性を元に、ヒトの肌の色を6段階に分類した尺度である。フィッツパトリックのスキンフォトタイプ(Fitzpatrick skin phototyping)とも呼ばれる他、省略して、フィッツパトリック尺度(Fitzpatrick scale)や、スキンフォトタイプ(skin phototyping)などと呼ばれることもある。日焼けの起こり方や、それによる皮膚がん発生のリスク評価、皮膚科の処置や化粧品の反応を評価するためなどに用いられる[2]。1975年にトーマス・B・フィッツパトリックによって開発された[2]。
最初、日光に暴露した白人の反応を分類するためにIからIIIまでで分類した[2]。1972年に、アメリカ食品医薬品局 (FDA) は日焼け止め指数の SPF の評価にこの分類を採用した[2]。
紫外線燈への皮膚の反応の違いを評価するために、このスキンタイプの分類は、1975年にトーマス・B・フィッツパトリックによって開発された[3]。ある種の光線過敏症の治療に用いられるPUVA療法の際に、当初は髪と目の色に基づいて照射する紫外線の強さを決めていたものの、それでは患者にとって強過ぎる紫外線となることがあった。そこで、紫外線に対する皮膚の反応に基づいて、照射する紫外線を決定するように変更し、加えて、広い範囲のスキンタイプへと拡張された[4][5][6]。
フィッツパトリックのスキンタイプは、紫外線に曝露された時に発生する火傷にあたる「赤い日焼け」と、その後に反応として起こる紫外線から身を守るために皮膚でメラニンを合成したことによる「黒い日焼け」の発生の仕方によって分類されている。なお、併記されている点数は、より古いVon Luschan's chromatic scaleの36点との対応を示す[7][8]。
このタイプは遺伝に基づく肌の色だけでは決まらず、日焼けの習慣によって変わってくる[2]。したがって、同じ人種であってもタイプが異なることもある。なお、白色人種でタイプⅠからⅢ程度、黄色人種でタイプⅡからⅣ程度と言われている。
紫外線によって紅斑を生じさせる最小紅斑線量 (MED) と、スキンタイプとの関係は、タイプⅠを「1.0」とした時、次の通りである[10]。
フィッツパトリックのスキンタイプは、紫外線に曝露された時に対する日焼けの仕方の評価の他にも、紫外線による色素沈着の発生のリスク評価、皮膚がん発生のリスク評価、光老化のリスク評価などに用いられる。また、ケミカルピーリング、美白剤、日焼け止め剤、マイクロダーマブレーションなど研究でも使われる尺度である[2]。
UNICODEのVer.8から、emoji modifierとして、肌が表示された絵文字に対し、IとIIを併合した5種類の肌の色を適用しつつある[11]。
記号 | Unicode | 略称 | 名称 |
---|---|---|---|
🏻 | U+1F3FB | light skin tone | EMOJI MODIFIER FITZPATRICK TYPE-1-2 |
🏼 | U+1F3FC | medium-light skin tone | EMOJI MODIFIER FITZPATRICK TYPE-3 |
🏽 | U+1F3FD | medium skin tone | EMOJI MODIFIER FITZPATRICK TYPE-4 |
🏾 | U+1F3FE | medium-dark skin tone | EMOJI MODIFIER FITZPATRICK TYPE-5 |
🏿 | U+1F3FF | dark skin tone | EMOJI MODIFIER FITZPATRICK TYPE-6 |
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