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トーマス・マンの小説 ウィキペディアから
『ファウストゥス博士』(ファウストゥスはかせ、独:Doktor Faustus)は、トーマス・マンの長編小説。『ファウスト博士』とも訳される。1947年刊。
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ファウストゥス博士 Doktor Faustus | |
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初版本(1947年) | |
作者 | トーマス・マン |
国 | 連合国軍占領下のドイツ、 アメリカ合衆国 |
言語 | ドイツ語 |
ジャンル | 長編小説 |
発表形態 | 書き下ろし |
刊本情報 | |
出版年月日 | 1947年 |
受賞 | |
ゲーテ賞 | |
日本語訳 | |
訳者 | 円子修平、佐藤晃一 |
ウィキポータル 文学 ポータル 書物 |
架空の近代音楽作曲家アドリアン・レーヴァーキューン (Adrian Leverkühn) の運命をファウスト伝説を下敷きにして描いた長編で、マン晩年の作品。「一友人によって語られるドイツの作曲家アドリアン・レーヴァーキューンの生涯」の副題が示すとおり、古典語学者ゼレヌス・ツァイトブローム (Serenus Zeitblom) が年下の友人であるレーヴァーキューンの生涯を語り起すという設定で書かれている。もともとはマンが若い頃(1901年)に短編の素材として着想したもので、1943年になってふと思い出し長編に仕立てたものであった。
マンが本作執筆に着手した1943年5月23日では、作中でツァイトブロームが物語を書き記し始めた日付と同じであり、ナチスドイツが崩壊をたどる大戦末期の時間進行がツァイトブロームの語りに重ねあわされている。創作に必要な霊感を得るために意図的に梅毒にかかり(悪魔に魂を売り)破滅に向かうレーヴァーキューン(ニーチェとシェーンベルクをモデルにしたものと見られる)は滅びゆくドイツを象徴する人物であり、物語全体はドイツへの批判であるとともにマン自身の自己批判とも捉えられる。ただし、「『ファウストゥス博士』の成立」(第8章)には、レオンハルト・フランクからの問いかけに対し、主人公には特定のモデルはいないとマンが答え、更に、ハノー・ブッデンブロークを除いて、これほど愛したキャラクターは他にいないと述べたと記されている。
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