ピーナッツバター: peanut butter)は、ピーナッツから作られた食品

アメリカのピーナッツバター
香港のピーナッツバター、花生醬
概要 100 gあたりの栄養価, エネルギー ...
ピーナッツバター[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 2,678 kJ (640 kcal)
20.5 g
食物繊維 6.1 g
50.7 g
飽和脂肪酸 11.35 g
一価不飽和 20.00 g
多価不飽和 14.70 g
25.4 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
1 µg
チアミン (B1)
(17%)
0.20 mg
リボフラビン (B2)
(8%)
0.09 mg
ナイアシン (B3)
(108%)
16.2 mg
パントテン酸 (B5)
(38%)
1.88 mg
ビタミンB6
(28%)
0.36 mg
葉酸 (B9)
(22%)
87 µg
ビタミンE
(32%)
4.8 mg
ミネラル
ナトリウム
(23%)
350 mg
カリウム
(14%)
660 mg
カルシウム
(5%)
47 mg
マグネシウム
(51%)
180 mg
リン
(53%)
370 mg
鉄分
(12%)
1.6 mg
亜鉛
(28%)
2.7 mg
(33%)
0.65 mg
他の成分
水分 0.6 g
水溶性食物繊維 0.6 g
不溶性食物繊維 5.5 g

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
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さらに見る 項目, 分量 (g) ...
ピーナッツバター(100g中)の主な脂肪酸の種類[3]
項目分量 (g)
脂肪50.39
飽和脂肪酸10.292
16:0(パルミチン酸5.774
18:0(ステアリン酸1.748
20:0(アラキジン酸0.617
一価不飽和脂肪酸23.713
18:1(オレイン酸23.148
多価不飽和脂肪酸13.867
18:2(リノール酸13.791
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スプレッド類。パンに塗ったり、和え物の材料にして食べる。

中華料理では花生醤として、様々な料理のタレの材料に用いる。

利用

家庭のみならずアメリカの学校給食の場でもピーナッツバターとジャムのサンドイッチなどに活用されてきたが、2012年、学校給食の規定が栄養バランスを考慮した内容に改正されて以降、穀類の過剰摂取を防止する等の理由により忌避される例も見られるようになった[4]

アフリカ料理ではマフェ(ソース・アラシッド)などの煮込み料理や、スープの材料として使われる。

製法

ピーナッツをあらかじめ十分乾燥させてから160℃で30分ほど丁寧に炒って香りを高めるとともに水分を除去する。薄皮と胚芽ふるいで除き、粗く砕いてから、バターミルでよくすりつぶして練りこむ。ピーナッツに50%以上含まれる油分によってペースト状に変化する。これが100%純粋なピーナッツバターである。風味を増すため1 - 3%の食塩を加えたり砂糖油脂を加えることもある。スムースなすりつぶしタイプと他に粗く砕いたピーナッツが含まれているものもある。日本では甘みをつけたホイップタイプのピーナッツクリームが広く流通しているが、海外では無糖で固めのピーナッツバターが一般的である。

バター」という名前は外観からつけられたもので、乳脂肪分はまったく含まれていない。

その他

ピーナッツバターはエネルギーが豊富で、タンパク質、食物繊維、不飽和脂肪、マグネシウム、亜鉛、カリウム、ビタミンEなどが含まれる[5]

ナッツ類をスプレッド状にする食品そのものは昔にもあったと思われるが、一般に広まったのは1895年にアメリカ人の医師であり栄養士、ケロッグ社の共同創始者であるジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士がピーナッツバターの特許を申請してからである。ケロッグは病人のためにナッツを煮て消化しやすいペースト状にすりつぶすというアイデアからピーナッツバターを発明した。病人食から発展したという点ではケロッグの発明品として知られるコーンフレークと同じである。ケロッグはピーナッツだけでなくアーモンドでもペーストを作っており、本人はこちらのほうを気に入っていたが、コスト面からピーナッツバターの商品化を選択した。セブンスデー・アドベンチスト教会の信者だったケロッグは、植物性の食事を推奨しピーナッツバターを「肉の代替品」として宣伝した。

脚注

関連項目

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