ビロードカワウソ

ビロードカワウソ（Lutrogale perspicillata）は、哺乳綱食肉目イタチ科ビロードカワウソ属に分類される食肉類。本種のみでビロードカワウソ属を構成する^[5]。

ビロードカワウソ
ビロードカワウソ Lutrogale perspicillata
保全状況評価[1][2][3]
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ワシントン条約附属書I
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota 界 : 動物界 Animalia 門 : 脊索動物門 Chordata 亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata 綱 : 哺乳綱 Mammalia 目 : 食肉目 Carnivora 科 : イタチ科 Mustelidae 亜科 : カワウソ亜科 Lutrinae 属 : ビロードカワウソ属[4] Lutrogale Gray, 1865[5] 種 : ビロードカワウソ L. perspicillata
学名
Lutrogale perspicillata (I. Geoffroy Saint-Hilaire, 1826)[5]
シノニム[5]
Lutra perspicillata Geoffroy, 1826[6] Lutra simung Lesson, 1827 Lutra tarayensis Hodgson, 1839 Lutrogale macrodus Gray, 1865
和名
ビロードカワウソ[4][6][7]
英名
Indian smooth-coated otter[3][6] Smooth-coated otter[3][5][7]

分布

イラク、インド、インドネシア（ジャワ島、スマトラ島、ボルネオ島）、カンボジア、タイ王国、中華人民共和国南西部、パキスタン、バングラデシュ、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス^[3]

模式産地はスマトラ島^[5]。イラクには隔離分布する^[3][7]。

形態

頭胴長（体長）65 - 79センチメートル^[7]。体重7 - 11キログラム^[5][6][7]。尾は側扁するが、外縁はわずかに扁平^[7]。尾の断面は三角形^[6][7]。頬や喉は白っぽいか^[7]、灰色^[5]。

眼窩は大型^[7]。鼻孔周辺の皮膚の裸出部分（鼻鏡）の上縁は平坦か^[7]、中央部で凸状になる^[6]。

分類

以下の亜種の分類は、Hwang & Lariviere (2005) に従う^[5]。

Lutrogale perspicillata perspicillata (Geoffroy, 1826)

インド・ネパールから雲南省・インドネシア（ジャワ島、スマトラ島、ボルネオ島）にかけて^[5]

Lutrogale perspicillata maxwelli Hayman, 1957

イラク南部^[5][6]

体色は暗褐色や黒^[5]。

Lutrogale perspicillata sindica Pocock, 1940

パキスタン^[5]。模式産地はシンド州^[5]。

生態

湖沼、マングローブなどに生息し、海洋に生息する事もある^[7]。

主に魚類を食べるが、昆虫、ヘビ、小型哺乳類などを食べることもある^[5]。

繁殖様式は胎生。10-12月に交尾を行う。妊娠期間は60 - 63日^[5]。インドやネパールでは10月から翌2月に出産する^[5]。1回に1 - 5頭の幼獣を産む^[5]。生後10日で開眼する^[5][6]。生後1年で成獣と同程度の大きさまで成長し^[6]、生後2 - 3年で性成熟する^[5]。

人間との関係

ダム建設や干拓による生息地の破壊、工業廃水や農薬による水質汚染、狩猟などにより生息数は減少している^[3][7]。1977年にカワウソ亜科単位でワシントン条約附属書IIに、2019年にワシントン条約附属書Iに掲載されている^[2]。