ヒツジ属

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ヒツジ属

ヒツジ属(ヒツジぞく、Ovis)は、偶蹄目ウシ科に含まれる

分布

北アメリカ大陸西部、ユーラシア大陸

ウシ科内では最も広域に分布する[3]

形態

最大種はアルガリ体長オス180 - 200センチメートル、肩高オス115 - 130センチメートル、体重オス95 - 180キログラム[3][4][4]。メスよりもオスの方が大型になる[2]。尾は短いが[2]、家畜種はこの限りではない[3]。顎に髭状の体毛は伸長しない[3][4]

雌雄共に角があり(ムフロンの一部個体群を除く)、多くの種で角はカーブし先端が前方や外側へ向かう[2][3]。角の断面は三角形で、角表面の皺が明瞭[3]。角の色彩は褐色[3]。眼下部に臭腺(眼下腺)がある[2][3][4]涙骨には窪みがある[3]上顎骨鼻骨の間に、前顎骨が突出しない[3]。鼠蹊部(鼠蹊腺)、蹄の間(蹄間腺)に臭腺がある[2][3][4]

メスは角がより小型で、湾曲も小さい[3]。乳頭の数は2個[2][3]

分類

シベリアビックホーンOvis nivicola

ドールビッグホーンO. dalli

ビッグホーンO. canadensis

アルガリO. ammon

ムフロンO. orientalis

ウリアルO. vignei

Rezaei et al.(2010)よりミトコンドリアDNAのシトクロムbの塩基配列を決定しベイズ法で推定した系統図[5]

更新世前期に出現したと考えられている[3]

以下の分類・英名はムフロンとウリアルを除いてMSW3(Grabb, 2005)、和名は今泉(1988)に従う[1][3]。MSW3ではヒツジにムフロンとウリアルを亜種として含めているが、ICZN(2003)では家畜種と野生種(O. orientalis)の学名を区別しているため、この見解に従う[6]。また、Rezaei et al.(2010)の系統図の見易さを考慮して[5]、暫定的に今泉(1988)に従いウリアルを独立種として扱う[3]。ただしムフロンの分類は混乱しており、今泉(1988)ではムフロンO. musimonとアジアムフロンO. orientalisの2種とされたが[3]、Gentry et al.(2004)によるとO. musimonO. ariesのシノニムで[7]、Groves & Grubb(2011)によるとO. orientalisは交雑種に由来する不適格名であり、O. gmeliniが有効名とされる[8]

生態

高山、砂漠などに生息する[3]。繁殖期を除いて雌雄別々に生活する[2]

食性は植物食で、主にを食べる[2]

人間との関係

ムフロンが家畜化され、ヒツジになったと考えられている[2][3]

伐採や紛争などによる生息地の破壊、家畜との競合、密猟などにより生息数が減少している種もいる[4]

画像

参考文献

関連項目

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