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ローマ教皇ヨハネ23世による1963年の回勅 ウィキペディアから
パーチェム・イン・テリス (Pacem in Terris, 地上の平和) とは、ローマ教皇ヨハネ23世によって、1963年4月11日に発せられた回勅である[1]。発布の2ヶ月後にヨハネ23世はガンで死去したため[2]、彼によって書かれた最後の回勅となった。また、これは、カトリック信者のみならず、「すべての善意の人びと」に宛てて教皇が発した初の回勅であり、人間個人が有する生存、尊厳、自由、教育といった権利を列挙するとともに、核兵器や軍拡競争を終わらせるための取組みについて言及している。
本回勅において、ヨハネ23世は、当時の冷戦只中における政治情勢に対して反応している。この「平和の回勅」は、ベルリンの壁建設から2年後、そしてキューバ危機からほんの数箇月後というタイミングで発表された。ヨハネ23世は、この回勅の中で、紛争は「武力に訴えることによってではなく、対話によって解決されるべきである」と説き、さらに、キリスト教徒的な人間理解の本質的帰結として、人権を尊重することの重要性について強調した。彼は、次のように明言している。「すべての人間は、生きる権利を持っている。肉体的に尊厳を保つ権利、人としてふさわしい形での成長を遂げるために必要な手段を有する権利を持っている…」
本回勅は、以下の4つの節に分けられる。
本回勅の日本語の題名は、「パーチェム・イン・テリス――地上の平和」である。「パーチェム・イン・テリス」は、以下の本回勅冒頭の数語に由来する(インキピット。教皇が出す文書には、慣例としてこのような題名が付される)。
Pacem in terris, quam homines universi cupidissime quovis tempore appetiverunt, condi confirmarique non posse constat, nisi ordine, quem Deus constituit, sancte servato.
- 地上の平和-すべての人間があらゆる時代を超えて切望し続けてきたもの-それは、神が命じられたことを忠実に守ることによってのみ達成され得る。
本回勅を記念して、1964年に「パーチェム・イン・テリス賞」がダベンポート教区ローマ・カトリック教会により設立された[3]。現在は「クアッド・シティズ・パーチェム・イン・テリス連盟」が授与を行なっている[4]。
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