パラチフス熱

サルモネラ属の細菌を病原体とする感染症 ウィキペディアから

パラチフス熱

パラチフス熱またはパラチフスとは、血清型がParatyphi Aのサルモネラ属の細菌によっておこる細菌感染症である[1]

概要 Paratyphoid fever, 別称 ...
Paratyphoid fever
別称 Paratyphoid
Thumb
Rose colored spots on the chest of a person with typhoid fever which are similar to those of paratyphoid
概要
診療科 Infectious disease
症状 Fever, headache, rash, weakness[1][2]
発症時期 6–30 days post exposure[1][3]
継続期間 Weeks to months[1]
原因 Salmonella enterica spread by food or water contaminated with feces[1]
危険因子 Poor sanitation, crowded populations[4]
診断法 Culturing the bacteria or detecting its DNA in the blood, stool, or bone marrow[1][3]
予防 Handwashing, clean water[1]
治療 Antibiotics[1]
頻度 529,000[5]
死亡数・ 29,200[6]
分類および外部参照情報
Patient UK Paratyphoid fever
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一般的な症状は、腸チフス熱と同様で、細菌曝露から6日から30日後に症状が現れる[1][3]。大体の場合が数日かけて徐々に発熱し高熱を発症する[1]。症状は脱力感、食欲不振(食欲減退)、頭痛が一般的である[1]。一部の患者には皮疹バラ色の斑点ができる[2]

治療をしない場合、症状は数週間から数カ月続く[1]。人によっては感染していても症状がでない場合があるが、症状がなくても細菌は他人に感染する[3]。腸チフスとパラチフスの症状の重度は同じ位である[3]。パラチフス熱は腸チフスに並ぶ腸管発熱の一種である[7]

パラチフスは、腸管血液中に生息する、血清型Paratyphi AのSalmonella entericaが原因でおこる[1]。 Paratyphi B、Paratyphi C による感染症は、パラチフスから除外されサルモネラ症と改められた。その感染経路は、感染したヒトのに汚染された水や食へ物を口にすることである[1]。また、感染者が調理したものを食べることによって感染する場合もある[2]

リスク要因としては、貧困人口の密集した不衛生な環境である[4]。稀に性行為によって感染することもある[1]。動物の中ではヒトだけに感染する[1]。診断方法は菌の培養、血や血便からの細菌のDNA骨髄の検査で確認される[1][3]。菌の培養は困難な場合がある[3]。骨髄検査は、最も正確な診断方法である[4]。パラチフスの症状は、他の多くの感染症と似ている[3]チフスは、パラチフスとは関係のない病気である[8]

パラチフス専用のワクチンはないが、腸チフスワクチンで多少の効果が得られることもある[1][2]。予防には清潔な飲料水、衛生環境、正しい手洗いである[1]。治療は抗生物質アジスロマイシンを用いる[1]。一般的に従来のいくつかの抗生物質に対しては抵抗し効果がない[1]

パラチフスは、年間で約6万人に影響を及ぼしている[1][9]。一般的にアジアでよく診られるが、先進国では稀である[1][2]

多くの場合は、Paratyphi BやCよりParatyphi Aにるよものである[3]。2015年のパラチフス熱による死亡者数は約29,200人、1990年は約63,000人である[10][6]。治療しなかった場合、死亡リスクは10%から15%、治療した場合は1%以下である[3]

出典

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