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パハルプールの仏教寺院遺跡群(Ruins of the Buddhist Vihara at Paharpur)はバングラデシュ、ラジシャヒ管区ナウガウン県にある大乗仏教精舎の跡[1]。8世紀半ばから、9世紀にかけて建設された。パハルプールは地名であり、ソーマプラ僧院(Somapura Mahavihara, ソマプーラ僧院)が精舎である[1]。ベンガル語でパハルは「山」、プールは「中核」を意味する。
バングラデシュはイスラム教国であるが、当時、この地域はパーラ王朝の支配を受け、その時代には仏教が大いに栄えた。これと共に、この地域には多数の仏教寺院が建設され、その最大級のものがパハルプールである[1]。同じ時代にはヴィクラマシーラ僧院、ナーランダ僧院などが建設されている。
建築当時、ここには尖塔が建っていたと思われるが、現在では、レンガ造りの基礎と周壁が残っているだけである。
ここはかつて、一辺330mの敷地内に177の僧院、72の台座、中座、仏舎利塔が存在し、1000人もの僧を収容することが出来る仏教寺院であった。この施設配置は、インド仏教末期の典型的な配置であり、当時の中核的な仏教施設であったと言われている。
各部屋には中庭へ続く樋があり、当時既に下水道施設が存在したものと思われる。
壁にはおよそ2,800枚に及ぶ粘土を素焼きにした塑像がはめ込まれており、そこには仏陀やヒンドゥー教の神々、動物や人などが描かれている。
このような理由から、パハルプールはこの一帯における仏教の中心として発達、巡礼者は17世紀まで続いた。また、建築様式はビルマ(ミャンマー)のパガン遺跡やクメール(カンボジア)のアンコール遺跡に多大な影響を与えたと言われている。
この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
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