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パトリック・レーシング (Patrick Racing) は、アメリカ合衆国のレーシングチーム。チャンプカー・シリーズおよびインディカー・シリーズに参戦していた。
パトリック・レーシングはパット・パトリックによって、ゴードン・ジョンコックをドライバーにUSACシリーズに参戦を開始。オリジナルシャシー・ワイルドキャットを作製。1978年のCART創成メンバーにも加わっていた。インディ500で3勝、CARTシリーズチャンピオンを2度獲得し、最も成功したチームの1つとなる。チームの固定ゼッケン『20』を使用した。 1989年、チップ・ガナッシが共同代表者として加わったことにより、パトリックは89年シーズン終了後に事業から引退することを決意。チーム資産の殆どをガナッシに、また、チーム・ペンスキーから新鋭シャーシPC-18を供給してもらった見返りの意を込めて、ドライバーのエマーソン・フィッティパルディと彼のスポンサーマールボロをチーム・ペンスキーに売却することを決めていた。 しかし、同年のインディ500の勝利、フィッティパルディのチャンピオン獲得で、パトリックは引退の考えを翻し現役続行の意を示す。だが、既にチームは売却に入っていたため、パトリックは現役続行に向けた別の選択肢を模索することになる。
ガナッシが引き継いだ旧パトリック・レーシングはチップ・ガナッシ・レーシングとして、現在も活躍している。
1989年に鳴り物入りで参戦したアルファロメオのCARTプロジェクト、アレックス・モラレス・モータースポーツは、その前評判に反して、鳴かず飛ばずの成績が続いていた。1990年に向けて、チーム体制の大幅な刷新、強化を計画していたアルファロメオは、元チャンピオンチームのオーナーであるパトリックをチームに合流させることでその目的を達しようと考えた。チーム資産がほぼ無いが現役続行を考えるパトリックにとっても、この話は渡りに船だった。 思惑が合致した両者は提携を結び、チーム名をパトリック・レーシングに改称して、1990年シーズンに挑むことになる。 しかし、当時はイルモア製のシボレーインディV8エンジンが最強の時代であり、アルファロメオV8エンジンは惨敗でシングルフィニッシュが16戦中4度と惨憺たる結果だった。 そこで、チームは禁じ手に手を出してしまう。 パトリックが所有していて、メーカーに返却を迫られていた、PC-18用のイルモアシボレーV8 265Aエンジンをイタリアのアルファロメオに極秘裏に輸送、分解をしてエンジン構造や技術を盗用してしまう。[1]程なく、この件はシボレー側に発覚し、これが原因となりチームは崩壊への道を進むことになる。
1991年、年初よりアルファロメオエンジンに関する財務・法務問題が勃発。シーズン後、ドライバーズランキング11位と中団に甘んじたダニー・サリバンが離脱しギャレス・レーシングに移籍してしまう。パトリックは同チームから成績不振で放出されたボビー・レイホールを獲得する。慢性的なパワー不足に悩むチームは、人気ドライバーのレイホールの名にすがり、イルモアシボレーエンジンの獲得に動くが、先述の問題が原因となりシボレーエンジンの供給を拒否される。 アルファロメオエンジンでは競争力が期待できないことや、エンジンの予算、シボレーとの法務問題がさらに悪化していくことから、パトリックは1992年の参戦を諦め、チームをボビー・レイホールとカール・ホーガンに売却した。 皮肉なことに、改組しシボレーエンジンを獲得した元パトリック・レーシングこと、レイホール・ホーガン・レーシングは、緒戦から優勝を含むポディウムフィニッシュを連発、マイケル・アンドレッティとの熾烈な争いに勝ち、1992年のドライバーズチャンピオンに輝いている。
現在もチームは、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングとして、活躍を続けている。
1994年、ファイアストンのタイヤテストチームを結成。翌年のファイアストンのインディ復帰を先導する。 その後1995年にパトリック・レーシングとして復帰。 2004年には、CARTからIRLに移籍をするが、2005年のスポンサーが付かずチームは業務停止。そのまま解散され、資産は売却された。
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