ハスティナープル
インドの都市 ウィキペディアから
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ハスティナープル(ヒンディー語: हस्तिनापुर Hastināpur)は、インドのウッタル・プラデーシュ州メーラト県にある都市。デリー首都圏に属する。サンスクリットのハスティナープラの名で知られ、叙事詩『マハーバーラタ』の中心的な舞台であるクル国の首都であった。
ハスティナープル हस्तिनापुर | |
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カイラーシュ・パルヴァット・ラチナー (ジャイナ教の寺院) | |
座標:北緯29.17度 東経78.02度 | |
国 | インド |
州 | ウッタル・プラデーシュ州 |
県 | メーラト県 |
標高 | 212 m |
人口 (2011) | |
• 合計 | 58,452人 |
ハスティナープラとは文字通りにはゾウ(hastin)の町を意味し、同じ意味のガジャサーフヴァヤ、ヴァーラナーフヴァヤ、ナーガサーフヴァヤなど数多くの別名がある[1][2]:273-275。
しかし『マハーバーラタ』巻1およびプラーナ文献によれば、帝王バラタの子孫であるハスティン王によって建設されたためにこの名があるとされる[2]:111-113[3]。
ハスティナープルはガンジス川上流の西岸近くに位置し、県都メーラトから約37キロメートル、デリーからは約100キロメートル北東にあたる[4]。
町の中にはパーンデーシュワル寺院などの『マハーバーラタ』にちなんだ名所が多い[4]。またジャイナ教の寺院も多い[4]。ヘーマチャンドラ『トリシャシュティ・シャラーカー・プルシャ・チャリタ』ではガジャプラという別名で呼ばれ、16番目のティールタンカラであるシャーンティ、17番目のクントゥ、18番目のアラがこの町で生まれたとされる[5]。
県都メーラトから伸びる国道34号線 (National Highway 34 (India)) が町の北西を走っている。
『マハーバーラタ』巻1によると、バラタの父であるドゥフシャンタ王の時代にすでにハスティナープラを都としていた[6]。しかしながら同じ巻1でバラタの子孫のハスティンがハスティナープラを建設したとも記しており[3]、伝承に矛盾が見られる。あるいは町はハスティン以前からあり、ハスティンは町を拡張して自分の名をつけたとも解釈される[2]:273-275。クル族の始祖であるクルはハスティンの子孫とされる[3]。
同じく巻1によると、クル国王ヴィチトラヴィーリヤの没後、長男のドリタラーシュトラが盲目であったために弟のパーンドゥがかわって王になったが、彼は呪いによって国を去り、ドリタラーシュトラが王位についた。パーンドゥの没後、王はその息子たちを王都ハスティナープラに呼び寄せた。しかしドゥルヨーダナをはじめとするドリタラーシュトラの息子たち(カウラヴァ)とパーンドゥの5人の息子たち(パーンダヴァ)の間に反目が生じたため、ドリタラーシュトラ王はパーンダヴァに領土の半分を分けあたえ、彼らはインドラプラスタ(今のデリー近郊)を都として栄えた[7]。
その後ドゥルヨーダナの仕組んだいかさま賭博によってパーンダヴァはすべての領土を騙し取られ、森の中を放浪することになった。13年が経過した後にパーンダヴァは元の領土の一部を返還することを要求したが、ドゥルヨーダナは拒絶し、クルクシェートラで戦争になった。パーンダヴァは戦争に勝利し、長男のユディシュティラがハスティナープラで王位についた[2]:283。
ユディシュティラの後はアルジュナの孫のパリクシットが王位についたが、ナーガの王タクシャカによって殺された。パリクシットの子のジャナメージャヤはナーガ族を破ってハスティナープラを取り戻した[2]:285。
1950-1952年に、インドのB.B.ラールによってハスティナープラの発掘が行われた。発掘されたハスティナープラは5期に分かれる[8]。
第II期の彩文灰色土器文化はアーリヤ人によるものと考えられ、『マハーバーラタ』の主要部分もこの時代のものだが、『マハーバーラタ』によれば都市が栄えていたことになっているにもかかわらず、当時の住居は粗末なもので、都市的な遺構はハスティナープラからは見つかっていない[9]:36-38。
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