トレミフェン

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トレミフェン

トレミフェンクエン酸塩(Toremifene citrate)は経口選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)の一つであり、体内で抗エストロゲン作用を発揮する。日本では「閉経後乳癌」治療薬として1995年3月に承認された[1]。米国では進行(転移性)乳癌治療薬として1997年5月に承認された[2]:Approval History前立腺癌治療薬としての効果も検討されている[3]。商品名フェアストン

概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
トレミフェン
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IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com monograph
MedlinePlus a608003
薬物動態データ
血漿タンパク結合more than 99.5%
半減期5 days
データベースID
CAS番号
89778-26-7 
ATCコード L02BA02 (WHO)
PubChem CID: 3005573
IUPHAR/BPS英語版 4325
DrugBank DB00539en:Template:drugbankcite
ChemSpider 2275722 
UNII 7NFE54O27T 
KEGG D08620 en:Template:keggcite
ChEBI CHEBI:9635en:Template:ebicite
ChEMBL CHEMBL1655en:Template:ebicite
化学的データ
化学式
C26H28ClNO
分子量405.959 g/mol
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禁忌

トレミフェンは下記の患者に禁忌である[4]

  • 妊婦または妊娠している可能性のある婦人および授乳婦
  • QT延長またはその既往歴のある患者(先天性QT延長症候群等)
  • 低カリウム血症の患者
  • クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)またはクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者

副作用

重大な副作用に挙げられているものは、脳梗塞、肺塞栓、血栓塞栓症、静脈炎、血栓性静脈炎、肝機能障害、黄疸、子宮筋腫である[4]

QT延長症候群を起こすおそれがある。

臨床開発

2007年、2本の第III相臨床試験が実施された。1本は進行性前立腺がんに対するアンドロゲン遮断療法英語版(ADT)で生じる重篤な副作用(特に椎骨・脊椎骨折、一過性熱感英語版、脂質異常症、女性化乳房)の治療に関する要となる試験であり、もう1本は前立腺癌のリスクの高い男性および悪性度の高い前立腺上皮内腫瘍英語版(PIN)の前立腺癌予防薬としての重要な試験であった[5]

前立腺癌の予防効果については2010年5月、偽薬に対する優位性を示せなかった事が発表された[6]

アンドロゲン遮断療法中の骨折予防薬として2009年2月に米国で承認申請が受理された[7][8]が、同年10月にさらなる臨床データが必要であると判断され、第三相臨床試験をもう1本実施するよう指示された[9]

出典

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