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ゴルフ競技におけるプロ選手の呼称 ウィキペディアから
プロゴルファー(Professional golfer)は、ゴルフ競技におけるプロフェッショナル(Professional)選手の呼称。
一般にゴルフにおける「プロゴルファー」とは、下記の2つの意味を総称したものである。
一般的なスポーツにおいては「プロフェッショナル=自らが競技することで報酬を得るスポーツ選手」と定義されることが多く、ゴルフにおけるティーチングプロのような存在は「プロインストラクター」などとして選手とは明確に区別されるのが普通だが(サッカーのように指導者限定のライセンス制度を設けている競技すらある)、ゴルフの場合は近年までツアープロとレッスンプロを明確に区別せず、双方をほぼ同じ基準で認定していた点が特異的である。
最近はツアープロとティーチングプロを区別し、プロ認定を行うためのテスト等を別々に実施するようになってきているが、現在も日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)ではトーナメントプロテストの合格者に対しインストラクター(レッスンプロ)資格を付与するなど、依然として双方が密接に関係している。
男子のプロゴルファーは、トーナメントに出場するツアープロは日本ゴルフツアー機構(JGTO)が、ティーチングプロに関しては日本プロゴルフ協会(JPGA)がそれぞれ管轄している。
プロゴルファーに対しては、一般のアマチュアゴルファーと比べて様々な規則変更や規制が前倒しで適用されるケースが多い。特に近年はゴルフクラブに対する各種の開発規制(詳しくはクラブ (ゴルフ用具)#規制を参照)が厳しくなっており、アマチュアでは使用が許容されるクラブでもプロのツアー競技では使用を禁止されるケースが増えている。
プロゴルファーの中でも、実際にプロのツアー競技に参加することで賞金を獲得する者を、後述の「レッスンプロ」と区別する意味で「ツアープロ」あるいは「トーナメントプロ」と呼ぶ。基本的にはツアー競技に参加することで得られる賞金や、特定の企業と所属契約を交わすことで得られる契約金、ゴルフ用品メーカーとの間で交わすアドバイザリー契約などが収入源となる。
他のプロやアマチュアゴルファーにゴルフの指導を行うことで報酬を得る者を「ティーチングプロ」あるいは「レッスンプロ」などと呼ぶ。基本的には特定のゴルフ場やゴルフ練習場などに所属し、当該施設に来場したゴルファーの求めに応じて指導を行うのが一般的であるが、中にはたとえばタイガー・ウッズの歴代コーチであるブッチ・ハーモン、ハンク・ヘイニー、ショーン・ホーリー、また、キャロウェイと契約しているデビッド・レッドベター、日本では、レッスンプロの草分けといわれた小松原三夫、元プロ野球出身の後藤修、秋本祐作や、丸山茂樹らのコーチを務めた内藤雄士、片山晋呉・諸見里しのぶらのコーチとして知られる江連忠などのように、主にツアープロを相手に指導を行ったり、その知名度を活かしてDVDやレッスン書販売、テレビ出演などで収入を得ているものもいる。
誰でも、プロ宣言を行えばプロゴルファーにもなれるし、趣味としてゴルフを行っていればアマチュアゴルファーである。ただし、各種ゴルフ連盟は独自にプロ、アマを定義しており、試合に参加するには主催する連盟が定義する資格が必要である。後述のプロゴルファー及びアマチュアゴルファーという用語はJGA及びJPGA/JLPGAが定めた用語であり、一般的な用語とは異なる。
ゴルファーが「プロ宣言」を行ったからと言って、「(JPGA/JLPGA)プロゴルファー」になる訳ではない。そして後述する理由で「(JGA)アマチュア資格」を失ったとしても、そのゴルファーは「(JGA)アマチュア資格のないゴルファー」であって「(JPGA/JLPGA)プロゴルファー」ではない[2]。
プロゴルファーとはPGAプロテストまたは、ティーチングテスト(各国でPGA以外のティーチングライセンスも複数存在する)。もう一つJGTOのツアー資格(「サード」をクリアするとプロとして活動できる。JGTOの主宰する試合の予選に出る資格が与えられる)は、「サード」をクリアしてもその年シードが、取れなければ再受験となる。その時はプロの称号は無いが、アマチュアの試合に出られない、アマチュア資格のないゴルファーとなる。ゴルフ研修生などは、PGA、JGTOプロテストを受験して合格しなくても一定の条件さえ満たしていれば、アマチュア資格を持ち続けることも出来る。
プロライセンス・ツアープロライセンスの無い「プロゴルファー」も一部に存在する。日本ではあまりメジャーではないが、ドラコン選手である(ドライビングコンテスト。ドライバーでどの位遠くまでボールを飛ばせるかを競う)専門の選手で、LDA世界ドラコン選手権やL-1グランプリなどといった「賞金」つきのドラコン大会も複数存在する、上位選手には南出仁寛などメディアに露出しゴルフ用品メーカーと契約を結ぶ者もいる。ただ2011年現在、ドラコン専門選手のプロテストは日本では行われていない。
また名誉あるゴルファーが、特例としてプロ宣言で宣言プロになる事が出来る(プロ宣言の詳細は、JGAルール参照の事)。
日本の法律では職業としてゴルフを行うのに資格は必要ないが、出場する試合を行う団体が設定する資格が必要になる(誰でも参加できる賞金が出るゴルフ大会の主催や参加は制限されないが、そのような試合に出場して賞金を受け取った場合はJGAのアマチュア資格の条件からは外れる。)。またゴルフトレーナーが「認定プロ」と名乗るにはその団体が設定する資格が必要になる(単に職業としてゴルフを教えることは誰でも出来るが、JGAのアマチュア資格の条件からは外れる)。日本で最も大きいプロゴルファーの統括団体は、男子は日本プロゴルフ協会(JPGA)、女子は日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)である。現在男子プロのみティーチングプロとツアープロの統括する団体が別組織で統括しており、主にティーチングプロを統括している団体が日本プロゴルフ協会(JPGA)でツアープロを統括している団体が日本ゴルフツアー機構(JGTO)である。以下の記述ではJPGA及びJLPGAの規定について記述する。
日本でツアープロになるためには、自らが参加を希望するツアーの参加資格を得ることが必要となる。かつては参加資格取得には、レッスンプロと同様にJPGAもしくはJLPGAの主催するプロテストに合格する必要があったが、現在は以下のようになっている。
またアマチュア選手としてツアー競技に参加し優勝した場合にも、その後にプロ宣言を行えば優勝した競技に応じてシード権等が有効となる(過去には宮里藍、石川遼、松山英樹、畑岡奈紗、古江彩佳がこの形でツアープロに転向している。ただし勝みなみは権利を行使せず、高校卒業後にプロテストに合格してツアープロに転向している)。ツアープロの中でも、ツアー競技においてシード権を獲得しているものは当該ツアーの「ツアーメンバー」と称される。
2005年まではPGAシニアツアーにおいて、50歳以上のアマチュアゴルファーの中で規定の予選会を突破するなど成績優秀な者に対しシニアツアーへの出場資格を与える「シニア認定プロ」制度を設けていた(過去には霍本謙一、古市忠夫、徳永雅洋、辺土名求などの例がある)。
ティーチングプロになるためには、JPGAもしくはJLPGAが実施する資格認定講習会に合格することが必要。
日本の法律では趣味(アマチュア)としてゴルフを行うのに資格は必要ない。また、賞金を受け取る事も違法では無い(賭博に該当する賞金システムは不可。また、適切な税務処理は必要である。)。ただし、アマチュア団体によっては資格を厳格に定めており、一団体である日本ゴルフ協会(JGA)が主催する競技に出場するにはJGAが定めるアマチュア資格が必要になる。以下の記述はJGA内の規則に基づいて書かれた物である。
ゴルフにおいては歴史的経緯から、アマチュア資格を極めて厳格に管理していることも特徴的である。現在、プロテストに合格する・プロ宣言を行うなど自らの意思でプロに転向する以外にも、以下の行為を行ったゴルファーは、アマチュア資格を即時に喪失するとされている。なお2022年にゴルフ規則が改正され、従前に比べ一部規制が緩和されている[4]。
2022年以前の旧規則では「ゴルフの手腕や名声(Golf Skill or Reputation)のあるアマチュアゴルファー」について、その氏名・肖像を宣伝・広告に利用することが禁止されていたが、新規則ではそれが撤廃された[4]。
アマチュア規則に違反しアマチュア資格を喪失した者のうち希望するものは、統括団体(日本の場合JGA)に申請を行うことでアマチュア資格の復帰を行うことができる。ただし復帰の回数は生涯を通じて最大2回までに制限される。
また復帰を希望する者は、復帰申請後一定期間(アマチュア規定に反した期間が5年未満であれば1年間、5年以上6年未満の場合は2年間)の待機期間を経る必要がある。待機期間中はアマチュア規則の厳格な遵守が要求されるだけでなく、アマチュアゴルファーに対象を限定した賞を受け取ることができないなど、通常のアマチュアよりもさらに厳しい制限下に置かれる。
6年以上アマチュア規定に反した著名なプレーヤーはアマチュアへの復帰はできない。
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