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チャセンシダ属(チャセンシダぞく、学名:Asplenium、アスプレニウム、アスプレニウム属)は、シダ植物門チャセンシダ科の一群で、地表や樹上などに生えるシダ植物のなかまである。単葉または羽状複葉で、オオタニワタリやシマオオタニワタリなどの園芸品種は、観葉植物として栽培されている。
属名は、和名がチャセンシダ属である[1]。学名はアスプレニウム (Asplenium) またはアスプレニウム属[2]といい、語源はギリシア語で a(否定)と、splen(脾臓)の2語からなり、アスプレニウムのある種が脾臓の薬として効力があるとの言い伝えに由来している[1]。
世界の熱帯から温帯、寒帯にかけて広い地域に分布し、多くの種は熱帯に分布する[1]。
地生または、森林の樹上や岩の上に生えるシダ植物[1]。根茎は短く、這っているか塊状に直立し、密になった格子状の鱗片に覆われている[1]。葉は単葉で全縁の種もあれば、1回から4回羽状に分裂する羽状複葉になる種もある[1]。単葉の種は葉が放射状に広がる。葉の裏につく胞子嚢群は、葉脈に沿っている。繁殖はシマオオタニワタリやオオタニワタリでは胞子繁殖が一般的であるが、ある種では、葉軸の上や葉の先端あたりに、無性芽が生じて繁殖するものがある[1]。
利用価値の高い一部の種は、観葉植物として栽培されたり、若芽が食用されたりもする。園芸品種として作出されたものは「アスプレニウム」の名で流通し、中でもよく栽培されるものではシマオオタニワタリの園芸種‘アビス’(‘Avis’)、‘プリカツム’(ver. plicatum)が知られている[1]。
栽培ではイノモトソウ属(プテリス)とほぼ同じく、やや明るい日陰を好む性質で、直射日光にあてないようにする注意を要する[1]。直射日光が当たると、葉焼けが起こる場合がある[2]。栽培適温は15度から20度程度の範囲が最適と言われている[1]。越冬はシマオオタニワタリで8 - 10度必要であるが、5度程度でも越冬できる種もある[1]。施肥、植え替え、繁殖とも初夏から夏場に行い、用土は排水性の良いものが用いられる[1]。湿り気のある環境を好むため、春から秋にかけて、表土に多めの水やりが行われるが、冬場は耐寒性を高めるため、水やりが少なめに管理される[2]。栽培による繁殖を胞子繁殖で行うことは難しいため株分けで行われるか、葉先に無性芽が生じるものはそれで繁殖も可能で、葉が3 - 4枚ほど展開した無生芽を切り取って鉢に植え付けて日陰で管理する[1]。
この属のものは世界の熱帯から寒帯にかけて約700種あり、日本にもチャセンシダやオオタニワタリなど、30種以上が知られている[1]。
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