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映画『スター・ウォーズシリーズ』に登場する架空のクローン兵士 ウィキペディアから
クローン・トルーパー(Clone trooper)は、アメリカのSF映画『スター・ウォーズシリーズ』に登場する架空のクローン兵士である。銀河共和国軍の兵士で、後の銀河帝国軍のストームトルーパーの前身でもある。実写映画版では声及び素顔の場面を、クローン元である賞金稼ぎ「ジャンゴ・フェット」を演じたテムエラ・モリソンが演じた。『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』及びその続編に当たる『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ (テレビアニメ)』ではディー・ブラッドリー・ベイカー(日本語版:金田明夫)が声を担当している。
このフィクションに関する記事は、全体として物語世界内の観点に立って記述されています。 |
銀河共和国から最新鋭の兵器・艦船・戦闘機・装備を与えられ、ジェダイ将軍の率いるクローン・トルーパーはクローン大戦中、銀河系の各地で行われた数多くの戦いで、煩雑な指令系統を持つ共和国軍を勝利に導き、銀河史上屈指の軍隊と内外に広く認識された。しかしそれと同時に、銀河史上稀に見る戦いの傷跡を銀河系の各地に残した。
成長したクローンは遺伝子のホストであるジャンゴ・フェットとまったく同一の容貌・体型を持ち、幼少期から成人するまでの間に様々な軍事訓練を施されている。同じ素体を基に生産されたため、全個体が軍人として一定以上の水準に適しており、さらに専門性の高い訓練を個体ごとに行うことで様々な環境に対応した兵士を生み出せた。また、遺伝子に調整が加えられており、生産性向上のため通常の人間の2倍の速度で成長する。そのため、10年の歳月で実戦投入が可能であった。さらに、脳にはバイオチップが埋め込まれ、反乱を起こさぬよう独立心や自我を極端に抑制されて作られている[1]。それゆえ初めてその存在が明らかにされた当初は、どのような命令にも疑うことなく従うと思われていた。また知力や独創性にも優れ、通常のドロイドとは比べ物にならないほど優れた状況判断力を持っている。一方で、ドロイドとは違い生きた人間のため負傷による治療や病気などの欠点は通常の生物同様に見られたが、血液や臓器などの代替品は共通のものを生産・準備すればよいという利点があった。同様に同じ人間のクローンであるために同じ規格の武器や兵器、装備品を大量に生産できた。
以上のことから、クローン・トルーパーは皆、全くの無個性であると考えられがちだが、自我を抑えられて作られていても人間であることに変わりないため、後述されている通り従順性に捉われない柔軟な思考を旨とし、それぞれ任務に応じて特別な訓練を受けた兵員も生産された。また、指揮官クラスの兵士たちは、より自我の操作が緩やかに設定されているため、個別の訓練や戦闘経験などを通して生じたであろう能力や思考における明らかな個体差が見て取れる他、それぞれ愛称で呼ばれ、個体の識別を主目的とはしながらも、独自に髪型や刺青による他の個体との外見の差別化を図る者も存在する。これらは戦争の長期化に伴い、一般のクローン・トルーパーにも広まり、一般兵も含めた多くのクローンが独自の名前を持ち、装甲服のカスタマイズや髪型・刺青による他の個体との差別化を広く行うようになる。さらに戦場ではジョークを飛ばし、酒場では酒に酔いながら陽気にダンスを踊り、兵舎では意見の違いから取っ組み合いの喧嘩をするなど、戦争が長期化した結果、各地の戦場を渡り歩き様々な経験を積んだ個性的なクローンが一般兵も含め数多く出現することになる。中には戦功を上げて昇進した者(CT-65/91-6210、通称デヴィス)や失態を演じて降格された者(CT-55/11-9009、通称ジャイガラー)、戦闘ストレス反応やPTSD、重度の外傷等が原因で非戦闘部門に配属替えになった個体も存在する。また、クローンたちはお互いのことを「兄弟」と呼び、敵対するドロイドのことは「ブリキ野郎」と呼んでいた。
自我の抑制が強められているはずの通常のクローンたちの多くが個性を持ち、人間と変わらない自我を持つようになったことに関して製造元であるカミーノの科学者たちは、指揮官であるジェダイたちの影響が大きいと推察している。実際にカミーノでクローンの訓練を監督しているジェダイ評議会マスターのシャーク・ティやジェダイの長老であるヨーダなど、様々なジェダイが部下となったクローンたちにジェダイとしての訓示を教えており、これに影響されたトルーパーも多い。また、無意味な犠牲を伴う無計画な命令をする上官がいればそれに異を唱え、命令に従わないトルーパーが一般兵の中でも増え、ほとんどのクローンが自分たちを名前ではなく認識番号で呼ぶ者に対して不快感を覚えるようになるなど、クローンの強みであった独創性が刺激されることにより人間と変わらない自我と個性を持つクローンが増加する要因となった。これについてカミーノの科学者達は自我の芽生えにより独自の判断をするクローンが増えることを危険視しており、実際にジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカー率いる第501大隊とその師であるオビ=ワン・ケノービが率いる第212大隊のクローン兵たちは現場のクローンたちの判断だけで裏切り者の可能性のあるジェダイ将軍の指揮官権限を剥奪し、戦闘の末逮捕・処刑するなど、独自の判断で動く部隊も現れている。また、上記以外にも後述する「オーダー66」に関係なく、ジェダイ将軍や軍上官の行動を叛逆行為と判断したり、彼らがクローンの生命に関わる危害を加えている場合にはクローン・コマンダーをはじめとする現場のクローン独自の判断でジェダイに対する逮捕・処刑命令を出すこともあった。ほかにも、共和国やジェダイの体制に疑問を抱き、敵に内通して情報を流した個体や、兵士としての責務に疑問を感じ軍を脱走した個体も複数存在する。ただし、共和国時代はクローンの脱走兵の処分に関して寛容であり、コマンダー・ウォルフ指揮下の部隊には元・脱走兵で結成されたクローン分隊も存在した[2]。共和国を裏切ったクローンであっても、兄弟たちへの忠誠心は揺らぎなく、それがクローンの最大の強さであり欠点でもあるとアニメ『スターウォーズ バッドバッチ』で語られている。
納得できない命令への反発は帝国樹立直後に急増し、オーダー66での自分たちの行動や帝国の圧政に納得できなかったクローンの多くが命令違反や上官の殺害、無許可離隊など帝国に離反する行動をとることになる。この事態は軍上層部とターキンの頭痛の種となり、クローン兵廃止・退役と徴兵制度「ストーム・トルーパー法案」を推し進める要因の一つとなった。また、ターキンはクローン兵団の個性の芽生えをジェダイが原因であると考え、その独創性や自己判断力の優秀さは認めつつも、圧政と服従を是とするターキンにとって、クローン兵団は邪魔な存在でしかなかった。その為、ターキンは早い段階で自身の護衛をストームトルーパーに置き換え、無個性な装甲服を着用する従順な人間の軍隊創設を推し進めた[3]。退役したクローン兵の多くは、クローンの人権を訴えてきた惑星パントラのライヨ・チューチー元老院議員とキャプテン・レックス率いる反帝国運動組織「クローン・アンダーグラウンド」の手引きによってパントラに移住した[4]。
クローンを製造する段階で遺伝子的な調整をほぼ受けていないクローンが2体製造されている。一人は年齢の加速を含めた調整を一切受けていないジャンゴの純粋なクローンである『アルファ』。後にボバ・フェットとして知られる個体である。そして彼の兄妹となるもう一体のクローン『オメガ』は一部遺伝子配列をいじられておりジャンゴのクローンでありながら女性として生まれた。少女は戦術家としての才を発揮し、帝国樹立後にクローン・コマンドー部隊『クローン・フォース99』と共に軍を脱走している。
クローン・トルーパーを製造したのはカミーノの技術者たちだが、彼らは軍事への知識が薄く、クローンへの訓練には遺伝子のホストであるジャンゴ・フェットを中心に彼の同業者である賞金稼ぎの傭兵やフェットと同じマンダロリアンの戦士たちで構成された分派組織「ジャーニーマン・プロテクター」が雇われた。彼らはクローンたちに軍事技術だけではなく賞金稼ぎや傭兵、マンダロアの歴史・言語・流儀なども教えており、これに影響され個性的な思考・流儀を持つようになったクローンもいる。戦争がはじまると、教官やマンダロアの戦士たちの多くは活動の場を訓練場のみに留めず、教え子であるクローンたちと戦場で共闘するようになる。ジャーニーマン・プロテクターはクローン戦争終結後、引き続き帝国と手を結び恭順の姿勢を示していたが、生き残りのジェダイ・ケイナン・ジャラスとマンダロリアンの少女・サビーヌ・レンが強引な方法で取引を行い、プロテクターたちは反乱同盟軍の協力者となる[5]。
元の素体となったジャンゴの潜在能力の高さや傭兵たちに10年間の戦闘訓練を受けている点からその戦闘技能・技術は後述する個体を除き総じて高く、専門職じゃない一般のトルーパーでもある程度の戦車や宇宙船、スターファイターの操縦を行えたほか、銃器も様々な種類に対応が可能だった。さらに、様々な環境に瞬時に適応できるよう訓練を積んでおり、ジェットパックを使用した空中戦から水中での戦いまで、戦闘要員である全トルーパーが対応可能であった。戦術に関しても常識にとらわれない柔軟な思考で数々の戦いを勝利に導いており、クローン・コマンダーなどの指揮官クラスの戦術はジェダイ評議会のメンバーも信頼を置き、彼らの立てる作戦に従うことも多かった[6]。戦闘技術の高さに関しては、並みのジェダイ・ナイトやパダワンが相手であれば分隊規模で制圧も可能であったほか、共に長年戦ってきた影響でジェダイを知り尽くした彼らは戦術次第で高位のマスタークラスのジェダイを制圧することも可能であった。レックスのような士官クラスのクローンはパダワンとの戦闘訓練でジェダイ相手に勝利したものもいる。
一方、大量生産の弊害から戦闘を行う水準に達していないクローンも一定数生まれていた。彼らは軍医や衛生部門、整備部門に配置されている。最前線を知らない彼らは一般のクローンより死に対する恐怖心も強かったが、それでも戦闘に巻き込まれれば武器を手に取り仲間と共に最前線で戦うこともあった。
クローン戦争終戦までにクローン・トルーパーは約320万ユニット製造され、銀河共和国軍に編成された。彼等は互いの認識を目的とした認識番号を持ち、左手首には詳細な情報が読み取れる識別コードが埋め込まれていた。装備としては、通常装備として銃身の長い長距離用ライフルであるDC-15Aブラスター・ライフルや銃身の短いDC-15Sブラスターを使用。射程はDC-15Aが優れていたが、取り回しが便利な点からDC-15Sを好んで使用するクローンが多かった。また、DC-17ハンド・ブラスター・ピストルを使用するクローンも多く、特に階級の高いクローン兵やARCトルーパーは2丁拳銃として使用する傾向にあった。これは、遺伝子ホストのジャンゴの影響が大きい。また、腰のベルトには手榴弾や対ドロイド用の電磁パルス・グレネード、高所に登る際に使用するブラスター取り付け式のアセンション・ケーブル、近接格闘時に使用する折り畳み式のタクティカルナイフが装備されていた。その他、戦場や部門、個体ごとに狙撃銃やロケットランチャー、Z-6回転式ブラスター砲など、様々な銃器を扱っている。
防護服としては、コムリンクや呼吸補助装置が内蔵された白いヘルメットをかぶり、黒い温度調整ボディ・ローブの上に、それぞれの体形に合った20ピースの白い装甲服を着用している。クローン大戦初期には、装甲服のペインティングによって階級が表されており、下から順に、緑が軍曹(サージェント、分隊長)、青が中尉(ルテナント、小隊長)、赤が大尉(キャプテン、中隊長)、黄が中佐(コマンダー、大隊長)であった。しかし戦争が長期化するにつれ、ペインティングによる階級制度は廃止となる。装甲服に施されたペインティングは所属部隊を表すようになり、さらに装甲服などの標準装備も改良され、様々なクローン・トルーパーの兵科や特色ある装甲服の部隊が創設された。代表的な部隊としてはクローン・キャプテン・レックスが指揮する、装甲服の随所に青い装飾の施された「第501大隊[注釈 1][注釈 2]」、首都惑星コルサントの防衛・治安維持を主任務とし、時にはパルパティーンの警護を行う赤いペインティングの施された、クローン・コマンダー・サイアの指揮する「ショック・トルーパー」等がある。
装甲服は、クローン戦争初期には「フェイズIクローン・トルーパー・アーマー」が使用された。カミーノで製造されたこの装甲服はジャンゴ・フェットが身に着けていたマンダロリアン・アーマを参考に設計されており、宇宙空間において一定時間の戦闘を可能にする生命維持装置のほか、コンピューター内蔵のT字型バイザー、通信装置、重力発生装置、通信妨害装置が内蔵されており、装甲も頑丈に作られていた。また、腰のベルトには弾薬や手榴弾、電磁パルス・グレネード、アセンション・ケーブル、折り畳み式のタクティカルナイフのほかに、軍用双眼鏡や携帯用非常食なども備わっていた。しかし、カミーノの職人たちは人間工学を熟知しておらず、着心地や重さの面で欠点を持つアーマーでもあった。そのため、クローンたちの間では「ボディ・バケツ」と揶揄されることも多かった。
戦争中期になると、試作品のARC・トルーパー・アーマーより得られたデータをもとに設計された「フェイズIIクローン・トルーパー・アーマー」が誕生し、すべてのクローンが身に着けるようになる。この装甲服は人間工学をもとに設計されており、軽量化や多種多様なカスタマイズが可能な点などフェーズIの欠点の多くを改善した。しかし、軽量化に伴い生命維持システムが外されたため、宇宙空間では外付けの呼吸装置を装着しないと短時間しか真空空間に耐えられない欠点も生まれた。しかし、任務に応じて外付けの装置でカバーできる点から、この点を加味してもクローンたちの間で高い信頼と評価を得たアーマーであったが、キャプテン・レックスのように頑丈なフェーズIの設計を評価しているクローンもおり、レックスはフェイズIの装甲服を分解し、大部分をフェーズIIに溶接した改良型装甲服を使用している。後のストームトルーパーは、クローン・アーマーをもとに設計されたストームトルーパー・アーマーを身に着けているが、視野が狭くなるヘルメットや着心地など多くの性能でクローン・アーマーより劣る性能となっており、レックスはストーム・アーマーを「クローン・アーマーに遠く及ばない劣化品」と評している。
クローンには装甲服のほかに軍服や私服も支給されており、クルーザーで働く宇宙軍士官や前線以外の場所で過ごすトルーパーは軍服で過ごすトルーパーも多くいた。また、指揮官クラスのクローンは平時や指揮所から前線に指示を出す場合は装甲服を外して軍服でいる場合も多かった[7][8]。
銀河元老院最高議長が司令官を務める「共和国軍」は、共和国地上軍と宇宙軍からなる。地上軍には3,200,000ユニットのクローン・トルーパーが所属し、10個星系軍からなる通常軍と特別軍からなっている。通常軍と特別軍はそれぞれ別の戦闘序列により編成されている。星系軍はジェダイの最高将軍1名が指揮する2個のセクター軍(方面軍)からなっており、総兵力は327,680人である。セクター軍はジェダイの高位将軍1名が指揮し、4個のコープスによって構成されている(総勢163,840人)。コープス(軍団)はクローン・マーシャル・コマンダー(クローン・コマンダーの最上位階級)及びジェダイの将軍各1名が率い、4個レギオンからなっている(総勢40,960人)。レギオン[要曖昧さ回避]はシニア・クローン・コマンダー及びジェダイの将軍各1名が指揮し、4個レジメントからなっている(総勢10,240人)。レジメント(連隊)はクローン・コマンダーが指揮し、4個バタリオンからなる(総勢2,560人)。バタリオン(大隊)はクローン・トルーパー・メージャー(少佐)1名が率い、4個カンパニーからなる(総勢640人)。カンパニー(中隊)は大尉(キャプテン)1名が指揮する4個小隊からなる(総勢160人)。プラトーン(小隊) は中尉(ルテナント)1名が指揮する4個分隊からなる(総勢40人)。分隊は軍曹(サージェント)1名が率いる9人のクローン・トルーパーからなる。
特別軍はARCトルーパー等、独立心の強いクローン・トルーパーたちで構成されており、彼らはジェダイ抜きの特殊作戦に投入されていた。編成は特別作戦ブリゲード(SO BDE)を最上とし、ジオノーシスの戦いの1年後までに10個のバタリオンで創設され、ジェダイの高位将軍アーリガン・ゼイが指揮する20のコマンドー・グループ(総勢10,000名)で構成されている。コマンドー・グループはバーダン・ジャシクや後にはエテイン・ター=マカンのようにジェダイの将軍が指揮を執っており、5個カンパニーからなる(総勢500名)。カンパニーは5個トループ(総勢100名)からなり、トループは5個分隊(総勢20名)からなり、分隊は4名の兵士からなる。 軍の編成はクローン大戦を通じてほとんどが変化しておらず、後の銀河帝国へとそのまま引き継がれている。
ディズニーの買収劇後に新たに制定されたカノン(正史)の設定では、クローン・トルーパーとストームトルーパーは別の存在であり、クローン軍はクローン戦争終結後ほどなくして解散・退役、ストーム・トルーパーは徴兵や帝国アカデミーを卒業した非クローンの人間の男女で構成されている設定となっている[9][10]。ただし、帝国軍内においても一般的には認知されていないほど少数ではあるが、銀河内乱(エピソード4)以降も軍部に在籍していたジャンゴのクローンの存在が確認されている描写もある。
レジェンズ(非正規)では当初、ストーム・トルーパーの中身はクローン人間であるという表記がなされており、媒体ごとに設定のばらつきも見られた。作品の中にはストーム・トルーパーはクローンと人間の混合部隊であり、特にベイダー配下の部隊はクローンのみで構成されている設定も存在した[11]。ディズニー買収後に設定が一新された現在は、クローン大戦当時のジャンゴ・フェットのクローンは全員退役している設定に変更され、映画公開当時、クローンとして設定集に紹介されたストーム・トルーパーは一般的な人間男性、または女性に設定が変更されている。
例として、「エピソード4」にてデス・スターでハン・ソロたちによってストーム・トルーパーに変装するために気絶させられた「TK-421」は、2002年発売の「Star Wars Trading Card Game」にてクローンと紹介されていた。しかしディズニー買収後のカノン設定では一般的な人間男性として紹介されており、2017年に発売された著書『ある視点から見た物語』(原題:From a Certain Point of View)では高級将校と同性愛の関係だったこと、ハン・ソロに装甲服を奪われる際に殺害されていたことが明かされている[12]。また、ジャンゴ・フェットやクローンの癖である『ドアに頭をぶつける』シーンで有名な「エピソード4」のストーム・トルーパーも一般的な人間男性に設定が変更され、著書『ある視点から見た物語』ではタトゥイーンでベン・ケノービにマインドトリックをかけられたTD-110と同一人物であることが明かされている。また、ドアに頭をぶつけた理由は「何故、タトゥイーンで老人を調べもせずに行かせてしまったのか」について思案していたという理由に変更された。彼は銀河内乱を生き残り、30年後にはファースト・オーダーの指揮官の一人となっている[12]。
映像作品では『スターウォーズ 反乱者たち シーズン2』にて、クローン・トルーパーは『エピソード4』より5年前の時点では全員退役済みになっていることが明かされる。
他の違いとして、クローン・トルーパーは軍務中でもヘルメットを取ることを許可されており、作中でも素顔を晒しているシーンが多い。また、それぞれが髪形や装甲服をカスタマイズしており、認識番号ではなく名前で呼ばれることを好んでいた。そして、お互いのことを「兄弟」と呼び、仲間の命を救うために命を懸ける一面も描かれている。訓練の過程でも負傷兵を置き去りにした班は即失格となり訓練中止となるほど、クローン同士の絆は強固であった。一方で、ストーム・トルーパーは軍務中にヘルメットを取ることは許可されておらず、装甲服も基本的に統一されていたほか、アカデミー入学以降は軍務に就いて以降も名前ではなく認識番号で呼ばれていた。また、アカデミーの厳格な訓練により、個性を排除して仲間の犠牲も厭わず戦い続けるようプログラムされた。このように、同じ遺伝子を持ち、一見して個性のないように見えるクローン・トルーパーが個性を求めた一方で、ストーム・トルーパーたちは人間でありながら個性を廃したドロイドに近い存在として描かれることもある。
また、装甲服に関してもクローン兵のレックスはストーム・トルーパーのアーマーの脆弱性を指摘しており、「クローン・アーマーとは比較にならない粗悪品」と評している。クローンとストーム・トルーパーは訓練課程にも違いがあり、クローンは生まれてから成人するまでの10年間を訓練に費やすほか、その訓練教官をマンダロリアンを中心とした傭兵たちが務めていた。一方で、ストーム・トルーパーは一般からの志願・徴兵制のため訓練期間は短く、帝国アカデミーにて専門の軍事教官から訓練を受ける一般的なスタイルがとられていた。これは、クローン軍を製造したカミーノアンが軍事知識に乏しかったことからクローンの元となったジャンゴ・フェットが紹介したことが訓練の傭兵起用に繋がっている。
『エピソード1』におけるナブーの戦いにてシスの暗黒卿が密かに復活・暗躍していたという事実に対し、ジェダイ・マスターのサイフォ=ディアスはこの“見えざる脅威”から銀河共和国を守るために、辺境の惑星カミーノの銀河有数のクローニング技術を持つカミーノ人にクローン軍の製造を密かに発注した。当時ジェダイ騎士団と一定の距離を取っていたサイフォ=ディアスは、極秘にこの計画を進めることを決意し、銀河元老院最高議長のシーヴ・パルパティーンにのみこの計画を打ち明けた。だがサイフォ=ディアスはその後、親友であったはずのドゥークー伯爵に、彼がシスの暗黒卿となるための証明を兼ねて殺害されてしまう[13]。しかし、計画は続行し「ティラナス」なる人物の斡旋で“銀河最強の賞金稼ぎ”と言われたジャンゴ・フェットから遺伝子提供を受け、それを元にクローンは製造されたのである。この「ティラナス」なる人物の正体はシスの暗黒卿となり授かったドゥークー伯爵の新たな名「ダース・ティラナス」のことであった。
パドメ・アミダラ議員暗殺未遂事件の首謀者を追跡していたオビ=ワン・ケノービは事件究明のために訪れたカミーノで偶然にもクローン軍団の存在を発見し、報告を受けた銀河共和国とジェダイ・オーダーには衝撃が走った。折りしも軍隊創設案が提言されている中で独立星系連合の武力行使の可能性が急速に高まったため、共和国はクローン軍団をもって共和国軍を編制して惑星ジオノーシスに派兵。以後3年間続いた銀河規模の戦闘は「クローン大戦」と呼ばれる事となる。
約3年間にわたる銀河共和国創設以来の大規模大戦はクローン・トルーパーの名前から「クローン戦争」と名付けられ、この戦いは銀河系全体に歴史的にも物理的にも大きな爪痕を残すことになる。初陣となる「第一次ジオノーシスの戦い」では第1世代のクローン・トルーパー約20万ユニットの殆どが実戦投入され、それから間もないうちに更に100万ユニットが訓練を終え共和国軍に編成される。製造開始から終戦までの13年の間にクローン・トルーパーは第1世代も含め約320万ユニット製造・訓練され銀河各地に派兵されていく。
この戦争でクローンたちは共和国と軍属となったジェダイたちに忠誠を誓い、共和国のために命を捧げていく。そんな彼らの忠誠心や優れた戦闘能力、戦略的な思考能力は共和国軍の上層部や多くのジェダイたちから尊敬と信頼を勝ち取った。また、クローンたちは上官となったジェダイたちと親密な関係となり、特に副官として隣に立つクローンの指揮官たちは、時にはジョークを飛ばし、時には命を助け合うなど、3年間の間で切っても切れない関係となる。ジェダイの中にはマスター・ヨーダやマスター・シャーク・ティのようにクローンたちにジェダイの教義や流儀に基づく訓示を伝授する者もいた。また、友人関係を築いたとはいえ、基本は上官であることもありジェダイに対して敬語で接することが多かったクローンたちだが、彼らの弟子であるジェダイ・パダワンに対しては違った対応をしていた。幼い子供であっても共和国よりコマンダー(指揮官)の階級を与えられているパダワンに対し、それでも一般兵を含めたクローンたちは彼らに対しタメ口や呼び捨てで接したりするなど、本当の友人のように接しているクローンが多かった。アナキンの弟子であるアソーカ・タノは、戦争初期の段階では第501大隊クローンたちから「アソーカ」や「お嬢ちゃん」「おチビさん」と呼ばれており、彼らにとっては上官以前に保護対象となっていた。そのため、戦場で彼女をかばったり、普段の生活でも何も知らない彼女に戦術のやり方や一般的なマナーなどを教えることもあった。しかし、やがて一人前の戦士となったアソーカは第501大隊のクローンたちに認められ、尊敬の念をもって「コマンダー」と呼び慕われるようになる。これは、彼女がジェダイを去った後も同様であり、一般人となった彼女に対して第501大隊や第212大隊の兵士は「コマンダー」と呼び慕っていた。彼女以外にも多くのパダワンがクローンたちと友人関係を築き、戦時において多忙なマスターの代わりにパダワンの訓練をクローンたちが監督・指導することもあれば、一緒にふざけていたずらをしたり共に悪ふざけをして上官のクローン・コマンダーやジェダイ・マスターに叱られるなど、同年代の子供同士のような交流を持っていたクローンも多かった。
共和国の国民も自分たちの代わりに戦うクローンたちに対して尊敬の念を抱いていた。突如現れたクローン軍団を共和国の民衆と元老院が疑問なく受け入れた背景には、戦争の10年前より最高議長となったパルパティーンが分離主義運動を裏で手引きし、民衆の恐怖を長年あおっていたところも大きい。ジェダイ評議会も避けられぬ戦争の中、共和国とジェダイに忠誠を誓い、ジェダイの命を救った優秀なエリート兵たちを受け入れた[14]。
一方で分離主義者はクローン・トルーパーを人工的に生み出された醜き殺人機械として非人道的な共和国のやり方を批判。自分たちの作り出すバトル・ドロイドを人道的な存在としてアピールした。そして、戦争の長期化に伴い共和国国民たちも終わりの見えない戦争に批判的になり、ジェダイやクローンたちへの反戦主義運動が広がりを見せ始める。ジェダイ聖堂の前では平和の守護者としての信用を失いつつあるジェダイへの批判や、クローンの製造反対を訴える国民がデモを起こす事もあった。また、人道的な思想を持つ人々からもクローンたちが年齢的にはまだ10歳から13歳程度と、通常の人間の尺度で見れば少年や青年に過ぎないことが問題視され、当時の共和国のプロパガンダ・ポスターである「白い青年たちに応援を」に批判が集まりクローンの使用停止運動も行われた[15]。
共和国の元老院議員や軍上層部の将校の中には、クローンを人間扱いせず物のように使い捨てたり差別発言をする者もおり、ジェダイ・マスターの中にもクローンをクリーチャーと呼び、蔑む者も現れた。クローンたちはそのような思想を持つ者たちを快くは思わなかったが、共和国のために彼らの命令に従い、彼らの命を守り、そして死んでゆくものも多かった。しかし、パドメ・アミダラをはじめとする議員たちやウルフ・ユラーレンなどの将校たち、そして多くのジェダイがクローン・トルーパーを消耗品ではない人間として彼らを捉え、彼らの人間としての在り方を尊重した。
やがて来る戦争に備えて共和国とジェダイ騎士団のためにと、ジェダイのサイフォ=ディアスが独断でカミーノ人に依頼して製造されたはずのクローン軍であったが、当初の依頼主であるサイフォ=ディアスをドゥークー伯爵(ダース・ティラナス)が暗殺してクローン軍計画を横取りしてしまった時点で、すべてはシスの暗黒卿の壮大な計画の手中にあった。
サイフォ=ディアスから計画を引き継いだと言う新たな依頼主となった「ティラナス」なる人物からの秘密裏の要望で、もしも万が一、ジェダイの騎士が暴走・反逆した際の保険として、クローン兵には緊急時に上官たるジェダイを攻撃対象に設定できるようにプログラムされた「バイオ・チップ」が製造段階で頭部に埋め込まれていた。これは、内容が内容ゆえジェダイ騎士団にも秘密にされた上でカミーノのクローン製造上層部は了承したが、カミーノ上層部もこの新たな依頼主「ティラナス」の正体がシスの暗黒卿であるドゥークー伯爵であることにも、共和国の最高議長であるパルパティーンまでもがシスの暗黒卿であることにも全く気付いていなかった。
このバイオ・チップを内蔵されているクローン・トルーパーたちは、大戦の終結時にダース・シディアスの発令した、ジェダイの大粛正「オーダー66」に忠実に従い、銀河に散らばり大戦で疲弊していたジェダイたちを殺害。約1万人いたジェダイは信頼関係を築いていたクローン・トルーパーによりほぼ壊滅させられた。(残ったジェダイはかなり少なかった)その後シディアスはこの粛正の理由を、ジェダイ騎士団が大戦に乗じて銀河を支配しようと謀反を起こしたためと偽り、共和国制の廃止と新たに自身を皇帝とする銀河帝国の樹立を宣言。帝国の支配体制下で、クローン・トルーパーは帝国軍の兵士として再編された。バイオ・チップの影響でクローンたちはジェダイを共和国を裏切った敵として認識していたが、時が経つにつれて一部のクローンは上官であり戦友であったジェダイを殺害したことに後悔の想いを抱くようになり、バイオ・チップの存在に気付いた者は自発的に除去手術を行う者もいた。
元老院と民衆がジェダイ粛清に疑問を抱かなかったのは、戦争の中でパルパティーンがホロネットによる報道をひそかにコントロールすることで、ジェダイへの恐怖心をあおり、最高議長と、彼の配下にあるクローン軍を恐れを知らぬ高潔な銀河の英雄として長らく報道し続けたところが大きかったと、晩年のパルパティーンの書記に記されていたことを、皇帝の死後にルーク・スカイウォーカーが発見している[14]。
なお、この計画は幾度か未然に発覚する可能性を秘めていた。ダークサイドに堕ちた裏切り者のジェダイ・マスターのポング・クレルは第501大隊のクローン兵士たちによって逮捕・処刑される際に、フォースの予知夢で垣間見たジェダイの滅亡とそれがドゥークー伯爵や分離主義者以外の者の手で行われる光景をクローンたちに伝えていた。第501大隊所属のクローン兵タップはチップの不慮の故障から戦場でジェダイを殺害している。最終的にタップはこの故障が元で死亡し、その事件を追っていた第501大隊CT-5555・ARCトルーパー・ファイブスもパルパティーンの罠にはまり死亡したことによって計画はジェダイに知られることはなかった。この事件はその後もファイブスが死の間際に発した警告の言葉を耳にし、彼らの死に疑問を抱いた第501大隊指揮官のキャプテン・レックスを中心とした一部クローン兵により独自に調査が続行された。レックスと共に調査をしていた第501大隊クローン衛生兵のキックスは真相を突き止めた直後にドゥークー伯爵の罠にはまり誘拐され冬眠状態となり、それから発見されるまでの50年間もの時を冷凍保存された。また、別の事件ではジェダイ独自の調査により、ジャンゴ・フェットに遺伝子提供を依頼したティラナスの正体がドゥークー伯爵であることをジェダイ評議会が突き止める。しかし、この情報が発覚した時点で既にクローンの使用を止めることが不可能な程に戦争が深刻化していたため、ジェダイ評議会と調査にかかわったアナキン・スカイウォーカー以外には、他の多くのジェダイやクローン達を初めとする共和国軍、最高議長を含めた共和国上層部にも詳細は極秘とされた。また、真相が明らかにされた場合クローンが迫害・処分される可能性があった事や、ヨーダを含めた評議会のメンバー全員が命を何度も救われた恩からクローンたちを強く信頼しており、クローンたちと戦友以上の関係を築いていた事もこの情報が部外秘とされる状況を後押しした。この油断こそがシディアスの仕掛けた罠であり、最終的にジェダイは戦友であったクローンにより滅ぼされることになる。
クローン戦争終結の数日前、コマンダーに昇進したレックスは調査を続けていたが最終的にオーダー66の存在にたどり着けずダース・シディアスの命令に従い、元ジェダイのアソーカ・タノ殺害を迫られる。しかし、発動直後、バイオ・チップによる強制力に抗いながら最後の力でアソーカに「ファイブスを探せ」と伝えたことにより、アソーカはファイブスの事件の調査ファイルとレックスの残していた音声ファイルを入手。この情報をもとにレックスを捕縛し、彼の頭部からバイオ・チップを取り除く。直後に第501大隊の襲撃を受け絶体絶命の状況に追い込まれるアソーカであったが、バイオ・チップの影響から解放されたレックスの助けにより命を救われた。その後もレックスとアソーカは第501大隊のクローン達の殺害を避け、スタンモードやフォースで気絶させながらクルーザーからの脱出方法を探っていたが、このクルーザーに拘束され脱走していたダース・モールが機関部を破壊して逃亡したため、クルーザーに残った兵士たちは窮地に追い込まれる。アソーカとレックスは肩などを撃たれて負傷しながらも互いを守りながら逃亡を続け、ギリギリのところでファイターに乗り脱出。墜落によりクルーザーに乗っていたCT-5597 ジェシーや千人を超える第501大隊のクローンたちは全滅し、アソーカとレックスは死を装いオーダー66を生き残った。レックスとアソーカはクローン戦争の3年間を共に戦ったクローンのうち、当時アナキンと共にコルサントの防衛に当たるため別行動を取っていた本隊を除く全員を失い、悲しみの中、墜落現場の前に亡くなったクローン全員を埋葬。自身のライトセーバーをその場に供えて、墜落現場を去っていった。この墜落は、ダース・ヴェイダーにとっても、アナキン・スカイウォーカーの時に心を許せる数少ない仲間であった元パダワンに加え、第501大隊のクローン達の大多数を失ったことを意味した。クローン戦争終結から数年後、ヴェイダーはこの地を訪れ、供えてあったライトセイバーを回収している[16]。
銀河帝国の樹立とクローン軍によるジェダイ殲滅、ダース・ヴェイダーによる分離主義者の幹部抹殺、ドロイド軍の機能停止によりクローン戦争は終結した。ジェダイが殲滅されたことにより銀河は再びシスの支配下となり、シス卿ダース・シディアスがシーヴ・パルパティーン皇帝として銀河帝国のすべての実権を握った。共和国の軍事の主力であったクローン・トルーパーはオーダー66により発動された抑制チップによる影響により帝国と皇帝への忠誠を示し、各惑星への軍事的圧政や帝国の敵対者の殲滅や生き残りのジェダイ狩りに従事した。なお、樹立して数年の間は装甲服は以前のフェーズⅡクローン・アーマーのままであり、構成員もクローン戦争を生き抜いたクローンのみであった。
しかし、戦争が終戦したことにより、帝国にとってクローン兵の継続的な使用にデメリットが見え始めた。デメリットとしては『同じ遺伝子や見た目をしているが故に反乱組織への潜入任務が困難』『特定の遺伝子のみに作用するウイルス兵器が製造されるリスクがある』などである。特に最大のデメリットは『良質なクローン製造を維持する上での莫大なコスト』と『実戦投入までに10年もの月日を要する点』『成長加速により兵役期間が通常の兵士の半分の年数』という点であった。優秀な兵士とはいえ国家予算を圧迫するほどの資金がかかり、訓練期間の長さに対して兵役期間が通常の半分という短さであることは戦争という数年程度の短期間の軍務には適していたが、銀河全域を統治する数十年は続く軍務のために更に多くの兵士を必要としていた帝国にとって、クローン兵士はコストに見合わない投資であった。このため、クローン戦争終結直後にカミーノへのクローンの発注は中止された[17]。
帝国軍のターキン総督はクローンを継続させなかった理由として一番に『製造・育成にかかる膨大なコスト』を挙げており、『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』では、帝国樹立直後にターキンがカミーノを訪れ「銀河中から大量に集められ短期間で育成・投入できる徴兵制の兵士の方が、クローンを使用することでかかる費用・育成期間を現状の半分以下に抑えられ、兵役期間も長い」という理由から「クローンは徴兵された一般の兵士よりはるかに優れた戦闘能力やスキルを持つ」という点を認めつつ、クローンの生産打ち切りを依頼するシーンが描かれている[18]。また、同時期にターキンは帝国軍将校のランパート中将と共に水面下で「ウォー・マントル計画」を進めていた。これは、徴兵や志願により集められた兵士を歴戦のクローン兵たちが育成・監督、または指揮官となることで人間の兵士による銀河史上最強の軍隊を作り上げる計画。その初期段階として、後のストーム・トルーパーのモデルとなる男女混成の志願兵部隊『エリート・スクワッド・トルーパー』がCT-9904クローン・コマンダー・クロスヘアーによって指揮され、ソウ・ゲレラ率いる反乱分子を殲滅したほか、各惑星の占領任務に従事した。彼らは通常のフェイズIIクローン・アーマーを灰色に染めた装甲服を身に着けていた。ターキンは彼らを率いたクローン兵士の指揮能力や技能を高く評価していたが、一方で戦争が終わり膨大な銀河を支配するために兵士を増員するには費用が莫大で成人までに10年の時間を要するクローン兵士の製造継続は過剰投資であるという考えは変わらなかった。ランパート中将もクローン兵の高い技能を認めつつ、「志願兵が持つ帝国への忠誠心」の方に重きを置いていた[19]。
同時期に惑星・ダロの極秘の軍事基地ではクローン・コマンドーたち50名が招集され、帝国軍の新たな主力となるストームトルーパーの第1世代「TKトルーパー」の訓練教官を任された。銀河中から集められた一般的な人間による男女の志願兵で構成される非クローン部隊「TKトルーパー」は、第一世代としてダロで訓練された1000人のほか、カミーノ閉鎖に動員された大隊規模のTKトルーパー部隊が存在した。TKトルーパーはストーム・トルーパー・アーマーのプロトタイプを装備していた。彼らは戦闘技能こそ「クローンには及ばない」と言われていたが、銀河中から数多く徴兵でき、短期間の訓練で従軍可能なことから、時間も費用も必要なクローン兵に変わる主力戦力として期待された。クローン・コマンドーたちは彼らの訓練を担当していたが、自分たちの存在を脅かす存在でもある彼らにすべての技能を訓練することはなかった[20]。後に、『TK』の名称はストーム・トルーパーの識別番号『TK番号』に引き継がれている。
「ウォー・マントル計画」が進んだことによりカミーノを必要としなくなった帝国は、カミーノのクローン工場を全て閉鎖。そこにいた科学者をTKトルーパーに拘束させ、逆らうものは皆殺しにした。そしてすべての設備を回収し、クローン部隊もすべて撤退させたのち、ランパート中将の命令でクローン部隊が操縦するヴェネター級リパブリック・アタック・シャトル3隻がカミーノの都市をすべて破壊。こうしてクローンたちの故郷であるカミーノは崩壊し、クローン・トルーパーの製造は完全に終了したのであった。拘束されたカミーノの科学者たちは帝国の新たな極秘プロジェクトに従事させられることになる。
同時期、コマンドー部隊「クローン・フォース99」も帝国のやり方に異を唱え軍を脱走。以降は傭兵として銀河全域で活躍し、カミーノに関連する事件にも関わる。また、惑星ライロスではクローン・キャプテン・ハウザーと彼の部下である標準的なクローン兵部隊の一部が抑制チップの影響下にありながらトワイレックの民を騙し惑星を占拠しようとする帝国のやり方に異を唱え、その場で別のクローン部隊に捕らえられている。これは、抑制チップがジェダイの抹殺命令には特化しながらも、帝国への忠誠に関しては一般のクローンでさえも反抗することができることを示していた。さらに、クローンたちの間では徴兵制導入によるクローンの存在価値についてや「オーダー66」の是非、帝国の圧政に対する疑問も増えていき、それに合わせてコマンダー・コーディのように無許可離隊をするクローン兵も増えていく。保身のために真実をゆがめる帝国将校のやり方を気に食わず命令無視をするクローンの指揮官も増加し、帝国将校の間でクローンの忠誠心と正義感は次第に邪魔なものへと変わっていく[21][22]。
ランパート中将の指揮下のもとで行われたカミーノの惨劇は銀河全体に「カミーノの悲劇」として伝わるが、その内容は災害によるものとして伝えられた。また、帝国軍に連行されたカミーノ・アンたちは表向きには全員が死亡したことになっている。
この惨劇の事実を表に出さないために、ランパートは作戦に関わった全クローン・トルーパーの配置転換を行った。しかし、ランパートのこの行動が作戦に参加したクローン大隊の兵士たちに帝国への不信感を抱かせることになる。作戦に参加したクローンたちはその真実を告発しようとするが、多くは行方不明となるか死体で発見されることになる。また、ランパートは認識番号の無いクローンの暗殺者を暗躍させ、自身に不利な証言をしようとしたクローンたちを暗殺していく。しかし、クローン軍全体にカミーノの真実はすでに知れ渡っており、クローンの多くから帝国への不信感が漏れ始めることになる。
一方、帝国元老院ではカミーノの崩壊により、これまで棚上げにされ続けていた「徴兵法案」についての議論が本格的に行われることになる。ベイル・オーガナ議員をはじめとする、後の反乱同盟軍創設に関わる議員たちは戦争が終わったにもかかわらず軍拡を推し進める帝国軍のやり方に異を唱えるも、ランパートや銀行グループなどの徴兵推進派はクローンの生産が困難になった銀河において、今なお残る反乱分子の掃討と治安維持のために徴兵は必要だとし、多くの議員がその意見に賛同した。また、残存するクローン軍に関しては一部議員から「廃棄という名の殺処分」を提案するものまでいた。
この法案に対し、かつて501大隊のクローンたちに助けられた経験もあるライヨ・チューチー議員は、「銀河のために命を賭して戦った英雄であるクローン兵たちへの敬意がない」「彼らの退役後の保証が万全でなければ徴兵法案を進めることは間違いである」とクローン兵の権利を訴え、その意見に賛同する議員たちの力もあり、再び徴兵法案の審議は滞ることになる。マス・アミダ大宰相はランパートに行動を促し、カミーノ崩壊に関するすべての証拠の抹消とチューチー議員の暗殺に動き出す。
一方、チューチーはクローン兵たちに接触し、彼らと対話することで退役後の彼らの権利獲得に動き出していた。そんな時、カミーノ掃討作戦に参加していたクローン兵・スリップが議員と接触し、ランパートがカミーノの都市に砲撃命令を出し、その事実を隠ぺいしていたことを知る。チューチーはオーガナと協力し、その事実を元老院で告発しようとするが、暗殺者の襲撃にあいスリップと自身の衛兵たちを殺されてしまう。彼女もあと一歩で殺されてしまうところであったが、スリップの依頼で現場に駆け付けていたキャプテン・レックスが暗殺者を無力化。チューチーはかつて任務で自身を守り、現在は戦死したと思っていたレックスが現れたことに驚くも、それはレックスも同様であった。チューチーから事情を聴いたレックスは暗殺者を尋問するが、識別番号不明の謎のクローンはレックスに自らを「帝国を信じる者」だと語り、歯に隠し持っていた道具で命を絶った。
レックスはランパートの不正を明るみにするため、脱走したクローン・コマンドー部隊「バット・バッチ」にヴェネター級からコマンド記録を盗み出すように依頼。レックスも加わりコルサントの帝国造船所に潜入した。そして情報を奪取することに成功したレックスたちはベイルとチューチーに情報を渡し、元老院の議会場で全銀河にカミーノ崩壊の真実が知れ渡った。しかし、その場に現れたパルパティーン皇帝はこの出来事をランパートの独断と断言し、ランパートに罪を着せ逮捕させた。そして、「ランパートの指示のもと、躊躇なく命令に従ったクローン部隊の従順性にも問題がある」とし、任務に参加したクローンたちからの告発があったことを明かすことなく、非道な命令にも躊躇なく従うクローン兵より銀河を守るために集った一般市民たちによる徴兵法案の制定こそが銀河の平和に必要であることを述べた。この演説に多くの議員が賛同したことで、パルパティーンは議会の場で新たな銀河の守り手となる「ストーム・トルーパー計画」の始動を宣言したのだった[23]。
徴兵法案成立により、クローン兵の廃止は決定的なものとなるが、チューチー議員やレックス、エコーなどのクローンたちは、全クローン・トルーパーの救済のために動き出すことを決意した。
共和国の崩壊と銀河帝国誕生から1年後、クローンの生産終了と徴兵法案の可決により帝国は表立って新兵を正式に銀河中の一般市民から募るようになる。集められた人間の新兵たちにはTKトルーパーの装甲服や兵器が支給された。TKトルーパーたちは装備をそのままに名前を『ストーム・トルーパー』と替え、銀河全域に配備されていく。帝国の主要都市や要塞の多くは兵士がすべてストーム・トルーパーに置き換えられ、クローンたちは強制的に退役を迫られることになる。なお、一部の主要施設ではクローン・コマンドーやショックトルーパーの部隊をそのまま使用し続けており、クローンに対して差別的な将校以外からの信頼は厚かった。また、ストームトルーパー樹立初期は、部隊指揮をクローンの指揮官たちが担当しており、クローン・コマンダー率いるクローン部隊の中に装甲服の違うストーム兵たちが混ざり一緒に任務をこなしていた。一方、ストームトルーパー主体の大隊ではクローン・コマンドーたちが部隊指揮官を務めていた。
帝国軍将校にとって正義感と独創性、個性を発揮するクローンを快く思わないものも多く、使い捨て同然に危険な任務に導入する場合もあった。一方で、長年彼らと戦場を共にした前線の将校たちからの信頼は依然として厚く、帝国初期に軍を取り仕切った将校のハースト・ロモディ将軍やバートン・コバーン提督は彼らの強制退役に対してターキンに直接疑問を呈したほどであった。しかし、ターキンはクローンを廃止したことへの本心として「ジェダイの配下で必要以上の個性を身に着けたクローン・トルーパーたちは、時として帝国の予想しえない行動を起こし、帝国と皇帝への大きな脅威となりうる」と判断し、彼らの廃止を決めたのであった。
そんな帝国に対し反抗的な行動をあらわにするクローンたちは増加し続けることになり、ターキンの頭痛の種となった。帝国への不服従や民間人への圧政に対する反乱活動、将校の不正行為の暴露や上官の射殺など、その行動は膨らんでゆき、帝国は反乱行為を行ったクローン兵を随時逮捕、拘束することとなる。
一方、帝国軍を脱走したクローンたちは元・501大隊コマンダーのレックスにより組織された反乱ネットワーク『クローン・アンダーグラウンド』に参加していた。彼らは帝国内部に潜入したクローン士官らの協力やクローンの人権活動を行っているチューチー議員支援のもと、「クローンの自由」の為に帝国への反乱活動を開始した。彼らは帝国に逮捕されたクローンの奪還など、様々な活動を行い、ソウ・ゲレラと並ぶ帝国樹立初期の反乱ネットワークの一つとなっていた。
徴兵制度の導入により、帝国は銀河各地に士官学校(アカデミー)を設立。訓練を受けた一般兵の割合がさらに増加した。帝国軍は短期間で多くの人数を育成・実践投入でき、任期もクローンより長く継続できる新たな人間の兵士『ストーム・トルーパー』を手に入れ、最終的に銀河全域に兵力を伸ばした。元々、惑星の占領ではなく解放を目的としたクローン軍とは違い、銀河全域の占領を目的とした帝国軍内では全盛期には20億ものストーム・トルーパーが銀河全域に配備されていた。一方でクローンたちは加齢により続々と退役していき、クローンは帝国軍内からその姿を消していった。カノン(正史)で最終的に確認されたクローン・トルーパーはエピソード3の5年後の時点であり、コルサント市街をパトロールするショック・トルーパーの部隊のみであった[24]。
エピソード4でヤヴィンの戦いが発生する4年前には、クローン戦争当時に約320万人以上いたクローン兵は帝国軍から全員退役し、銀河各地で余生を過ごしているという認識が通説となっていた[25]。退役後のクローンたちはそれぞれの人生を歩みだし、傭兵になったものや家庭を持ったもの、ホームレスになったものもいる。退役したクローン兵の多くは、クローンの人権を訴えてきたライヨ・チューチー元老院議員とキャプテン・レックス率いる「クローン・アンダーグラウンド」の手引きによってパントラに移住。戦いの中で生きてきた彼らは安息の日々を手に入れることとなった[4]。
だが、人数は数えるほどに減少したものの帝国に仕えたクローン兵もわずかに存在した。ダース・ヴェイダーは自身やその配下にある尋問官の直属部隊として、カミーノで製造された最後の世代である若きクローンたちによって構成された暗殺部隊「パージ・トルーパー」を組織し、ジェダイ狩りの補佐を命じていた。フォースやライトセーバーに対抗できる攻撃力を持つ対ジェダイに特化したこの部隊のクローンはフェーズⅡ・クローン・アーマーとクローン戦争時代の共和国軍の武器・兵器を愛用し、クローン戦争時のジェダイとクローンの戦術を駆使して生き残りのジェダイを追い詰めていった。この部隊は銀河帝国最後のクローン部隊となる[26][27]。なお、クローンを主体としたパージ・トルーパーは帝国初期に運用されていたが、成長加速の影響もあり徐々に退役し、クローン戦争終結から10年後が舞台となるドラマ『オビ=ワン・ケノービ』の時代にはアーマーや武器がストーム・トルーパー仕様に変更された人間の兵士に置き換わっている[28]。
また、彼ら以外にもインペリアル・ガードの隊長として皇帝の警護をしていた者や軍の教官として新兵の育成に従事した者、ストーム・トルーパーとして軍務に残ったクローンがごく僅かに存在していた。例として、ダース・ヴェイダーに仕えたクローンの軍曹・クレストは一般の人間で構成されたストーム・トルーパー分隊の指揮官としてヴェイダーの下で数多くの任務をこなした。クレストはクローン戦争にも参戦した兵士であり他の兄弟が退役した後も帝国軍に残った数少ないクローンの一人であった。当初、加齢した身体も影響して何度か任務を失敗しており、ヴェイダーからも「おまえは現役勤務ができないほど古ぼけたのか」と叱責を何度も受けていた。しかし、ヴェイダーはそれでも彼を処分せず自身の下に置き、クレストが反乱分子相手に戦果を収めた時には彼を中尉に昇格させている[29]。彼のように帝国軍内の残ったクローンもいたが、帝国軍将校の間で「クローンがすべて退役した」という認識が一般化されていた通り、『エピソード4』の段階で帝国軍内にクローンの姿を見かけることは稀となっており、その多くが銀河全域に散らばり余生を過ごしていた[30][31]。
ヤヴィンの戦い(エピソード4)以降の時代に軍務についていたクローン兵として知られるトレント軍曹(TX-828)は、帝国保安局のアレシア・ベック中佐に仕え部隊を率いていた。最初、トレントの姿を初めて見たベックはそれ以前にクローンと軍務を共にした経験がなく、その存在自体に驚いた。また、ある事件で彼の素顔をみたハン・ソロも彼の顔に見覚えを感じていた。トレントは通常の人間で構成される自身のストーム・トルーパー部隊にクローン軍特有の戦闘技法と効率性を教授しており、この部隊は賞金稼ぎの集団を瞬時に一掃したほか、手練れであるハン・ソロとチューバッカを捕縛するなど優れたチームワークを発揮している。また、トレント個人としても、賞金稼ぎ2人を瞬時に射殺する技量を見せるなど、クローンのリーダー性や戦闘技能を自身の上官に示し信頼を勝ち取った。トレントのほかにもクローンの存在はわずかに確認されていた[32]。
一方で、一部のクローンは帝国のあり方に異を唱え反乱同盟に参加していた。中でも、キャプテン・レックス(CT-7567)として知られた元501大隊指揮官は帝国設立初期に行われた初期反乱運動に参加したほか、反乱同盟軍結成当初から主要幹部の一人として参加しており、ベイル・オーガナ、モン・モスマ、ジャン・ドドンナ将軍など同盟軍主要メンバーと共に作戦の立案や部隊指揮を行っていた。また、コマンダー昇格後はヘラ・シンドゥーラ将軍指揮下の『ゴースト』チームと共にエンドアの戦いを含めた数々の反乱に参加し、帝国の崩壊に貢献した。
クローン軍時代の指令系統や部隊などの多くはそのまま帝国にも引き継がれており、反乱同盟軍に所属するクローン・キャプテン・レックスは共和国軍時代に自身とクローン・コマンダー・コーディが作成した認証コードを利用して潜入任務を行うことがあった。また、クローン戦争を生き残ったクローン兵たちは帝国のストーム・トルーパーや一部の将校たちから英雄視されており、クローン兵の英雄的活躍は後のストームトルーパーの志願者を多く生み出す要因となる。帝国軍の将軍でターキンの副官であったハースト・ロモディやジェダイ将軍プロ・クーンの配下で提督を務め、帝国樹立後は高官を務めたバートン・コバーンはクローン軍の忠誠心と正義感、戦闘技術を高く評価しており、彼らを退役させることに対して反対していた。帝国元老院にはクローンの人権を訴える議員も多くいたとされている[33]。反乱同盟に参加する人々の多くも、分離主義の侵略から人々を救ったクローン・トルーパーを英雄として見ており、クローン・パイロットがスターファイターで空を自由に飛んでいる姿を見たことでパイロットを志し、自身もクローンたちに命を救われた経験を持つ反乱同盟軍のヘラ・シンドゥーラ将軍は、クローンを憎みストーム・トルーパーとクローンを同一視しているジェダイのケイナン・ジャラスにクローン・トルーパーとストーム・トルーパーは別物で銀河を救った英雄だと話している。彼女の父で惑星ライロスのレジスタンスのリーダーであり、クローン大戦時にはクローン・トルーパーと共闘した経験を持つチャム・シンドゥーラとその部下たちは帝国の指揮下で惑星を軍事的に支配したクローン部隊を敵と認識しつつも決して殺すことは無く、キャプテン・ハウザーなどクローンの一部とはむしろ友好的な関係を築いていた。また、チャムは分離主義者から惑星を解放したクローンに敬意を表しており、自分たちの武装にクローン軍の武器を使用しているほか、肩当などの装備にクローン・アーマーを使用している。銀河各地の戦場になった星の住民たちは英雄であり死んでいったクローンたちの慰霊碑を立てて彼らに祈りをささげた。
一方で、帝国軍将校の多くはクローンを人として扱わないものも多く、まだクローン軍が主力であった帝国樹立初期の時代にはあえて識別番号で呼ぶものもいた。また、保身のために不正を隠そうとしても、そのすべてを包み隠さず報告し、市民の安全を優先したり間違った命令には従わないクローンたちの誠実さを疎ましく思う将校も多く、徴兵によるTKトルーパーの導入を歓迎するものも多かった。分離主義者が統治していた惑星に関しては戦時中に身内をクローンに殺されたものも多く、帝国初期のクローンによる惑星の占領に反対する市民も多く存在した。生き残りのジェダイたちの一部はクローンに対して強い憎悪を抱いており、生き残りのパダワン・ケイナン・ジャラスやパダワン・カル・ケスティスは彼らを憎んでいた。しかし、ケイナンは後にクローン・キャプテン・レックスと和解し彼と親友と呼べる間柄となる。カルもクローンの行動を理解できないとしつつも、彼らも皇帝の駒に過ぎなかったことは理解している[34]。クローン戦争を知らない次世代の少年であるジェダイ・パダワンのエズラ・ブリッジャーは、クローンとジェダイの関係を理想的な相棒として見ており、生き残りのジェダイのケイナン・ジャラスと、元クローン兵のキャプテン・レックスの2人を「相性のいいコンビ」「ジェダイとクローンなら納得」と考えている。
帝国崩壊後、その遺志を引き継いだ組織ファースト・オーダーは新世代のストーム・トルーパーの育成にジェダイとクローン・トルーパーの両方の教育・訓練方針を採用した。これは、誘拐した子供に幼少期から徹底した軍事訓練を行い忠誠心を植え付けることで、銀河帝国時代のストーム・トルーパーより優れた兵士を生み出す方法である。この方法論は、クローン・トルーパーの戦闘技術を高く評価していた元共和国軍将校、ブレンドル・ハックス将軍によって考え出された。
帝国崩壊から30年後、海賊のサイドン・イサノは、クローン戦争時代にパニマ・ターミナルに墜落した船を発見する。この船にはかつて分離主義者のリーダーの一人であったドゥークー伯爵の秘宝が眠っていると言われ、イサノはクルーを率いて捜索に向かう。そこで彼らが見つけたのは、冷凍睡眠にかけられた501大隊衛生部門のクローン・トルーパー・キックス(CT-6116)であった。クローン戦争時代、ある事件をきっかけにクローンについて疑問を持ち、オーダー66の陰謀を独自に突き止めたキックスは、この秘密を伝える前に分離主義者に誘拐され冬眠状態にされた。それから50年後、イサノによって目覚めさせられたキックスは共和国の終焉について知り、「銀河系最後のクローン」となった自身がジェダイや共和国にできることはもう何もないと考え、イサノのクルーとして活動していくことになった。
ディズニーによる買収劇の後、レジェンズ(非正史)扱いとなった設定では、ゲーム『スター・ウォーズ バトルフロントII(2005年版)』にて、自身らがシスの暗黒卿の謀略に利用された事に気付いたカミーノ人たちが、最初のクローン兵が製造されてから約20年後頃(エピソード3直後)に帝国に反旗を翻し「アンチ=トルーパー」なるクローン兵を用いた反乱を行うも敗北、クローン製造施設も破壊されている。この戦いを経て皇帝パルパティーンは単一の遺伝子からなる軍隊の問題点を感じ、クローン兵を帝国軍の主力にすることを辞めたとされる。
ARCトルーパー(ARC Trooper/アーク・トルーパー)、正式名称はアドバンスト・レコン・コマンドー(Advanced Recon Commando、上級偵察コマンドー)。クローン・トルーパーの精鋭兵士であり、一般のクローン・トルーパーと同じように惑星カミーノで製造された。しかし、初期のARCトルーパーにはクローンのために遺伝子を提供し、戦闘に関しては銀河屈指の腕を持つ賞金稼ぎジャンゴ・フェットの提案により成長加速以外の遺伝子操作が一切施されていない。そのため、一般人とほとんど変わらない自我と柔軟性を持っており、上官(大抵は将軍に任命されたジェダイ)が訓練によって培った自分達の戦略・作戦観念に反する指令を出しても堂々と反論する。特殊作戦を専門とする兵士として育成された彼らは、想定外の出来事にも的確かつ冷静に対処し、チームとして活動するときは完璧なチームワークと手信号によって隠密かつ迅速に展開することができる。装備に関しても一般のクローン・トルーパーよりも高性能の装甲服(ポールドロン、ベルト=ケープ、保護プレート、サバイバル・パックなど)に身を包んだ彼らは、ブラスターライフルやブラスターピストルの他に任務に応じて無反動砲やガトリング型ブラスター・キャノン等の重火器を携行することもある。
ARCトルーパーは、成功困難である極めて複雑で危険な任務に単独、又はツーマンセル以上のチームで派遣されることが多かった。また、戦争が長期化するにつれ、個々のARCトルーパーがクローン大隊を率いることが多くなり、クローン・コマンダーやクローン・キャプテンと同等に部隊指揮官としての活動も増えていく。中でもコマンダー階級のクローンは「クローンARCコマンダー(Clone ARC Commander)」という階級が与えられていた。アニメ「クローン・ウォーズ」では、クローン訓練兵の間でARCトルーパーになることはクローンとしての夢であり憧れであることが語られている[35]。
初期の個体はジャンゴ・フェットから直接訓練を施されており、ジャンゴ・フェットのクセであるガンスピン等のガンプレイや性格に影響を受けた者も何人かいる。しかし、教官であるジャンゴ・フェットがジオノーシスの戦いにて落命したため、彼から直接訓練を受けたARCトルーパーはごく少数に留まる。その後、ARCトルーパーの一部は教官としてカミーノを都度訪れ、次世代のARCトルーパーになる兵士の育成に取り組んだ。ARCトルーパーに選ばれるのは指揮官となるために自我の抑制を極力無くした個体が多かったが、戦闘の長期化に伴い自我が抑制されているはずの一般の兵士が、経験を積み戦果を挙げることでARCトルーパーへの転属・昇進を認められるようになる。代表的な例としては第501大隊所属のファイブス、エコー、ジェシーは一般兵からARCトルーパーにまで昇進したトルーパーである。
なお、ARCトルーパーはあくまでも兵科の一つであり、ARCトルーパーに昇格しても、誰もが指揮官(中佐以上)の階級に昇進できるわけではなかった。新兵から昇格して生死不明となる短い期間を第501大隊のARCトルーパーとして過ごしたエコーはARC昇格後に伍長、第501大隊の古参兵として多くの戦いで小隊を指揮してきたジェシーはARC昇格後に中尉の階級に昇進している。そのため、クローンたちの憧れの兵科ではあるが、同じ部隊にARCがいた場合にもその階級が低い場合には、彼らに対し同僚や後輩に対するようなフランクな接し方をしているトルーパーも多く、ARCたちも一般兵に対して友人のように接していた。一方で、ARCコマンダーや第一世代のARCトルーパーは軍内でも高い権限を有しており、カミーノで教官を務める賞金稼ぎたちも、彼らには敬意をもって接していた。
別名リパブリック・コマンドー(Republic commando)は、共和国クローン軍の中でARCトルーパーと対をなす代表的な特殊作戦部隊の兵士である。自我の抑制がほとんど行われなかった初期のARCトルーパーと違い、クローン・コマンドーはARCの独立心を危険視し従順性を求めたカミーノの技術者により、通常のクローンと大きな差のない程度に自我の抑制が行われている。しかし、高度な戦術訓練を受けた彼らは単体でも標準的なクローンを上回る戦果を挙げた。
クローン・コマンドーは単体でも優秀ではあるが、部隊行動においてその真価を発揮する。4人組の分隊単位で作戦を実行する彼らは、主に戦場にて敵の主要拠点となる堅固な要塞・基地への破壊工作、作戦妨害に投入された。単体又はツーマンセルでの活動が多く独断で作戦を実行することも多いARCトルーパーと異なり、チームでの連携と指揮系統を重視したクローン・コマンドーは数多くの戦場で共和国に勝利をもたらしている。
特殊作戦に投入される彼らは装備・武器も他の部隊とは異なる。装甲服には通常のブラスターでは簡単に貫通できない強固な素材で作られたカターン級コマンドー・アーマーを装備し、武器にはブラスターモードからアタッチメントを取り付けることにより瞬時にグレネードランチャー等に装備を付け替えれるDC-17Mブラスター・ライフルや近接格闘を想定して手甲に仕込んだバイブロブレードなど多種多様な武器を使用して工作任務を遂行する。
クローン大戦では様々なコマンドー部隊が戦場で名を馳せた。クローン戦争の最初の戦いであるジオノーシスに投入された「デルタ分隊」は多くの任務で作戦を遂行し、その活躍はジェダイ評議会にも知れ渡っていた。コマンダー・コーディが率いる第212突撃大隊に属していた「フォックストロット・グループ」はコマンドー・キャプテン・グレガーが指揮官を務めていた。この部隊は共和国史上最大の負け戦とも言われるサーリッシュの戦いで戦闘中行方不明となる。その後、記憶喪失の状態で発見されたグレガーは、ある事件をきっかけに記憶を取り戻し、共和国軍への奇襲攻撃阻止に貢献。さらに彼は、バイオチップを頭部から取り除きオーダー66に参加せず、十数年後には反乱同盟に参加している。コマンドー・サージェント・ハンターが率いる「クローン・フォース99(別名:バッド・バッチ)」は意図的に遺伝子の大きな改変を受けた奇形クローンによる部隊であり、一騎当千も可能なほどの戦闘能力を秘めるこの実験的部隊も各地で極めて大きな戦果を挙げていた。
帝国樹立後、コマンドーたちは戦線を離れ、帝国の重要施設の警備任務のほか、帝国軍の新戦力である非クローンの人間の男女により構成されるストーム・トルーパーの訓練教官となる。しかし、自分たちの代わりに台頭することになる彼らを快く思わなかったコマンドーたちは、彼らにすべての技能を教えることはなかった。
ストーム・トルーパーが正式に認可されると、彼らの指揮官を務めたほか、主要施設や要人の警護を主任務としていた。帝国時代初期のコマンドーたちは下士官やコマンダークラスに昇格しているものが多く、ストームトルーパー小隊や大隊の指揮を執る関係上、単体での活動が多かった。また、各クローンコマンダーの補佐官としてクローンコマンドーが置かれているケースもあった。
少なくともエピソード4の5年前には解体・退役となっている。
クローン・シャドウ・トルーパー(Clone shadow trooper)はクローン戦争が激化する中で「クローン情報部」に新設された潜入・スパイ任務を専門とするエリート部隊。新設の背景には戦争の激化によるARCトルーパーの減少も影響していた。
彼らの装甲服は通常の装甲服を漆黒に染めただけのようにも見えたが、この装甲服に備えられた装置は潜入任務に特化した高価な装置ばかりであり、特殊なセンサーにより他の人間や種族の姿を投影して変装する装置やジャンゴのクローン特有の歩き方を偽ることもできる装置、電波妨害装置など、潜入やスパイ任務に必要な多くのシステムを備えていた。ただし、この妨害装置は通常のクローン部隊の装備に影響を与えてしまうため、シャドウたちは通常部隊との合同任務を行うことはできなかった。また、彼らの使用するDC-19・ステルス・カービンは銃弾の音を消す音声抑制器のほか、僅かな弾数ではあるが目では視認できない銃弾を発射することが出来た。
彼らの任務は戦闘ではなく隠密活動がメインであり、敵地への偵察やスパイ任務、情報収集が主となっていたが、その内容は通常の偵察部隊よりもはるかに危険な潜入任務が殆どであった。ARCトルーパーのように単独、又はツーマンセルで行動する彼らは任務中は変装をしていることが多く、その存在を実際に視認できた人物は敵や味方も含めごくわずかといわれている。高い戦闘技術も備えていた彼らは前線に投入されることもあったがジャミング装置の影響で通常部隊との合同任務は不可能であったため、基本的には大規模部隊を投入する大きな作戦の際に先行して敵地に侵入し妨害作戦を実行する任務に就いていた。彼らの妨害技術はクローン戦争終盤の「ウータパウの戦い」でジェダイ将軍のオビ=ワン・ケノービが囮になっている間に敵に気づかれることなく大規模部隊を都市に送り込むことに成功している。
帝国樹立後は要人警護や主要施設の警備任務に割り当てられ、皇帝の宝物庫の警備も担当していた。その能力を評価した尋問官・ヴァリン・ドレイコは彼らを自身の任務に同行させていた。その後、クローンが全員退役となって以降はストーム兵団内に彼らをモデルにした新部隊であるストーム・コマンドやシャドウ・ストームトルーパーが誕生している。
帝国樹立直後から戦争終結1年後の18BBYまで活動が確認されている、帝国先端科学部門ドクター・ロイス・ヘムロックとクローン・コマンドーのコマンダー・スコーチ指揮下のクローン師団の1つ。CXトルーパーやクローンアサシンの名称でも呼ばれたこの部隊は暗殺や工作活動が主な任務であり、その多くが帝国に反する元老院議員とクローン兵たちの殺害であった。その為、元501大隊コマンダーのレックス率いる反帝国組織「クローン・アンダーグラウンド」や彼らに協力する異端のクローン・コマンドー分隊「クローン・フォース99」と戦闘を繰り広げていた。
この部隊に所属するクローンたちはドクター・ヘムロックが独自に選別した少数のクローン達であり、ヘムロックは彼らに独自の潜入プログラムの訓練を施した。また、Xトルーパーたちはクローンの大きな特徴であるアイデンティティを抹消されており、感情の起伏が薄く、帝国への忠誠心が高かった。識別コードも抹消され、それぞれが「CX-1」「CX-2」などの番号で呼ばれている。これは、ヘムロックがクローンの個性や独創性、そして「兄弟への忠誠心」が帝国の時代では大きな欠点になると考えていたためである。
クローンとは大きく異なる黒い装甲服にスナイパーライフルやをエレクトロソードを主な装備とする彼らは、帝国軍内でもその存在は明かされておらず、任務に失敗すれば即座に自害するように訓練されていた。その戦闘能力は近接戦闘、狙撃能力、潜入能力などすべてにおいて高水準であり、レックスら指揮官クラスのクローンや不良分隊と互角の戦いを繰り広げている。
パージ・トルーパー(Purge Trooper)は、帝国軍樹立後に設立された対ジェダイに特化した特殊ユニットであり、帝国最後のクローン・トルーパー部隊。非クローンの人間で構成されるようになった帝国軍において唯一、ジャンゴ・フェットのクローンで構成されたこの特殊部隊は、元ジェダイを中心としたフォース感応者による暗黒面の組織「帝国尋問官(Imperial Inquisitors)」の専属部隊として、オーダー66を生き残ったジェダイの討伐を専門に活動していた。最後に製造された世代のクローンを中心に組織された彼らは、クローン戦争時代と同じく、クローン・アーマーにクローン戦争当時の武器を使用していた。また、対ジェダイ専用にエレクトロスタッフ、エレクトロバトン、エレクトロハンマーを装備し対ライトセイバー戦にも対応できた。また、フォースに対する知識にも富んでいた彼らはフォース・プッシュ等の技にも即時に対応し、対ジェダイ戦で彼らを苦しめた。
装甲服はクローン戦争時の空挺部隊と同じくビーハイブ型のヘルメットを装着し黒のクローン・アーマーに赤い差し色が入った装甲服を装着していた。武器はクローンと同じくDC-15Aブラスター・ライフルを装備。ジェダイとの白兵戦の際にはエレクトロスタッフ、エレクトロバトン、エレクトロハンマーなどの対ライトセーバー用の近接戦闘武器やフォースを想定した近接格闘により、未熟なジェダイであれば一対一であっても互角の戦いが行えた。
通常、パージ・トルーパーは尋問官かパージ・トルーパー・コマンダーの指揮のもと活動し、クローン・トルーパーが使用していた戦術を駆使しながら、かつてのジェダイとクローンのように尋問官と連携して生き残りのジェダイを狩っていった。
なお、クローンを主体としたパージ・トルーパーは帝国初期に運用されていたが、成長加速の影響もあり徐々に退役し、クローン戦争終結から10年後が舞台となるドラマ『オビ=ワン・ケノービ』の時代にはアーマーや武器がストーム・トルーパー仕様に変更された人間の兵士に置き換わっている[28]。
銀河系全体でクローン戦争が広まり、クローン部隊も様々な環境下での戦いを要求された。クローンの中には特殊な環境下での戦闘を目的とした兵科が多く誕生した。そうした数多くある兵科・部隊の中でも特に代表的なものを以下に列挙する。なお、クローンはどの専門分野に関してもある程度の訓練は受けており、専門部隊所属のクローン兵ほど特化した技術はないが全クローンたちが各種兵器やスターファイターを平均以上の技術で扱うことができた。劇中でも一般のクローン兵がファイターやガンシップを操縦して戦闘に参加するシーンが描かれている。
クローン・キャプテン(後にコマンダーに昇進)のレックスが率いる青いマーキングの精鋭部隊。ジェダイ将軍のアナキン・スカイウォーカーと彼のパダワン・アソーカ・タノと共に数多くの戦いで勝利をおさめ、彼らに影響され個性豊かで型破りなクローンが多く所属する。オーダー66の際にジェダイ聖堂を襲撃した部隊でもある。また同時期にアソーカやレックスを含めた大隊の主要メンバーの属する別動隊を乗せたクルーザーが墜落。公式には搭乗員全員が死亡したことになっており、墜落現場にはARCトルーパー・ジェシーを含めた多くの第501大隊のクローン兵が埋葬されている。
クローン・コマンダーのコーディが指揮を執るオレンジ色のマーキングを施した部隊。ジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービが率いた。分離主義者のグリーヴァス将軍との遭遇率が高く、幾度となく彼の部隊と戦闘を繰り広げている。
クローン・フォース99(Clone Force 99)は共和国軍に所属したクローン・コマンドー部隊。通称『バッドバッチ(Bad Batch/不良分隊)』又は『CT-99』『実験ユニット99』。彼らはカミーノの主要エンジニア・主任医療科学者のナラ・セにより、彼女の個人ラボで意図的に遺伝子に突然変異を加えて作り出された5人のクローンのうちの4人で構成されている。後に、元501大隊ARCトルーパー伍長のエコー、ジャンゴの遺伝子を持つクローンの少女・オメガが仲間に加わる。また、帝国樹立後はクロスヘアが同部隊を脱退している。名前の由来はカミーノの戦いで戦死した奇形クローン「99号」からとられている。 様々な指揮官の下で活動しており、コマンダー・コーディ、キャプテン・レックス、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーなどの指揮下で功績を挙げた。
キャプテン・レックスとライヨ・チューチー議員によって率いられた帝国初期のクローン・トルーパーによる反乱同盟。レックスとエコーを中心にキャプテン・ハウザーと彼の部下、ネメック、ファイアボール、コマンドー・キャプテン・グレガー、帝国軍内のクローンたちによって組織され、「全てのクローンの救済」を目的に帝国軍の主要施設への潜入や破壊工作などの活動をしていた。
クローン軍解体後に帝国に従事したクローンは数少なく、銀河内乱の時代にはクローンは全員退役して軍内でその姿を見かけることはないと言われるような存在となっていた。しかし、銀河内乱の時代にも帝国軍に残っていたクローンも僅かに確認されている。
クローン・トルーパーの中には遺伝子操作が行われていないジャンゴ・フェットのクローンが2体存在した。1体は『アルファ』、もう一体は『オメガ』と名付けられた。
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