ダイオウサソリ
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ダイオウサソリ(大王蠍、Pandinus imperator)は、サソリ目コガネサソリ科に分類されるサソリ。
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特徴
体長200mm以上、体重30グラムに達する世界最大級のサソリ。種小名imperatorは、「皇帝」の意。体色は青みがかった黒。最大で30cm近くにも達するといわれるが、ペットとして移入されるのは、体長100-170mm程度の個体が殆どである。
近縁種のチャグロサソリに比べ、全体に横幅がどっしりし、ハサミが円形に近い。チャグロサソリはやや細身で、ハサミの形も長方形に近い。
性質は大人しく、毒性も弱いといわれる反面、ハサミ(触肢)は太く、頑丈で力は強く人間でも挟まれれば痛く出血することもある。
ワシントン条約のサイテスIIで保護されている。
分布
西アフリカ。
毒
毒性は弱く、刺されても腫れる、痒くなるという程度だとされ、刺されたことで重篤なケースに至った例は現在のところは知られていない。
本種の近似種でも毒性は体の大きさの割に低い種が多い。
近似種
- オオダイオウサソリ (ソウトウサソリ) (Pandinus Dictator)
- 「ソウトウ(総統)サソリ」とも呼ばれるカメルーンに生息する近似種で、見た目は同じ種類に見えるが、別種とされており、ダイオウサソリを全般的に上回る体躯からそう呼ばれ、学名では「独裁者」の意味を持ち、最近は和名でも「ソウトウサソリ」の名で呼ばれる事が多くなった。
- ダイオウサソリに比べて身体がやや細いように見えるが、大きめで鋏と尾部もやや長いものの、個体差でダイオウサソリよりも小さくなる場合もある。生態面でもほぼ同じだが、大人しいダイオウサソリよりも性質はやや荒く、攻撃的。ダイオウサソリ同様にワシントン条約での保護対象となる。
- レッドクロウエンペラースコーピオン (Pandinus Cavimanus)
- 名前通り、鋏部分と、体色がやや赤みがかっている大型種である。
- ダイオウサソリと同じく、アフリカに生息し、生態面でも似ているが、ダイオウサソリよりやや小型であるといわれる。ダイオウサソリやチャグロサソリと同じく、ペット対象ともなるが、オオダイオウサソリと同様に、ダイオウサソリよりもやや攻撃的な性格。
- この種も現在はワシントン条約での保護対象となっている。
- チャグロサソリ (Heterometrus spp.)
- 東南アジアに広く住む大型種で、体長では大きいもので20cm以上になり、ダイオウサソリに負けない程の大きさになるものの、こちらの方は全体的に横幅が狭く、スマートな体型である。鋏角部分の毛の色は緑で、尾の色は茶色であり、それに黒い体色を交えた和名となる。英名や、輸入名ではアジアンフォレストスコーピオンと呼ばれる。通常チャグロサソリ(Heterometrus spinifer)として輸入されるが、マレーキャンサースコーピオン(マレージャイアントスコーピオン)(H. spinifer)、 アジアンロングクローフォレストスコーピオン(H. longimanus)、H. liophysaなどが含まれている。チャグロサソリという名はHeterometrus属の総称である。
- 地域によって、個体差や毒の強弱にも違いが出てくると言われるがはっきりしない。この種もペットサソリとしては最も普及している種であり、原産地の近さから比較的安価となっている。生態面でも似ており、熱帯雨林の多湿性の環境の中で、倒木や石の下に潜んで生息しているが、ダイオウサソリよりも気が荒く、攻撃的。
生態
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熱帯雨林の林床に生息する。夜行性で、昼間は地面に掘った巣穴や倒木の下などで休む。
食性は動物食で、昆虫類や節足動物などを食べる。獲物は触肢で捕らえ、切り刻んでから食べる。本種が毒針を使用するときは自衛行為である場合が多い。
繁殖形態は卵胎生で、十数匹の幼体を産む。産まれたばかりの幼体の色は白で、メスは幼体を背中に乗せて保護する。幼体は一週間ほどしたら母親から独立して生活するようになり、3年で成体になり、寿命は最高で10年ほどとされる。
人間との関係
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2005年には、大阪府豊中市のマンションの一室にペットとして飼育されていたと思われる本種が侵入して捕獲され、警察が取得物として預かるとともに周辺住民に聞き込みを行う騒ぎとなった[1][2]。管理者の怠慢によってトラブルが発生した場合、毒性は低いとは言えサソリということで近隣者に無用な恐怖を与えてしまう恐れがあるため、飼い主やペット業者の管理は厳重さが求められる。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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