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『ゼノサーガ エピソードII[善悪の彼岸]』(ゼノサーガ エピソード ツー ぜんあくのひがん)は、モノリスソフトが制作、 ナムコが2004年6月24日に発売したPlayStation 2用ロールプレイングゲーム。
本作はゼノサーガシリーズの第2作目にあたり、前作である『ゼノサーガ エピソードI[力への意志]』の直接的な続編にあたる。
前作からメインスタッフのほとんどが変更されている。『ゼノギアス』、『ゼノサーガエピソードI』で監督、脚本を務めた高橋哲哉は原案に退き、監督はマップデザイナーだった新井考、脚本は『アークザラッドII』や『FRONT MISSION3』等を担当した米坂典彦が務めている。またゼノギアスからシリーズの音楽を担当していた光田康典、キャラクターデザイン・イラスト担当の田中久仁彦らもスタッフから外れている。田中は、当初エピソードIIもイメージイラストの担当をする予定だったが、麦谷興一やモノリスソフト社内スタッフによるイラストに変更となった。田中は「キャラクターイラストレーション」としてクレジットされているが、エピソードIIにあたって新規に書き下ろされたイラストは存在せず、田中のホームページのWORKS(職歴)の項目にも本作についての関わり合いは記載されていない。
このスタッフ刷新により、キャラクターデザインやゲームシステムが大きく変化している。また、IとIIを分けたことでシナリオに若干の齟齬が生まれたため[1][2]、2006年に二つのエピソードのシナリオ統一を図った[3]ニンテンドーDS用ソフト『ゼノサーガI・II』が発売されている。
限定プレミアムボックスには主要キャラであるKOS-MOSのフィギュアが同梱されたが、その造形からインターネット上で「邪神モッコス」を呼ばれ、一種のネットミームと化した。詳細はKOS-MOSの記事を参照。
戦闘は『ゼノギアス』からの伝統であった必殺技を廃し、「上段」「下段」「空中」の属性の概念を組み合わせて戦う形式となった。敵毎に弱点の属性の組み合わせが異なり、これを上手く突いた上で「ブースト」で仲間に繋げる事でコンボを叩き込み、一気に畳み掛ける事が効率的な戦い方となる。ただし、敵の弱点を突いたりターンを消費して貯める「ストック」と、前作同様のブーストゲージが必要であり、さらに事前に敵の弱点を調べておく必要もあり、コンボに要する手順は多い。コンボを主軸とする関係上、味方の攻撃は低威力で単発では実用性に乏しく、その一方でコンボの概念の無い敵は開幕から容赦なく攻めてくるため、効率的に敵を排除するには、戦闘の度に敵の攻撃に耐えながらコンボの準備を行う必要が生じる。
今作より登場した搭乗型ロボット「E.S.」に搭乗するシーンも存在し、バトルだけではなく『ゼノギアス』のようにロボットで探索するダンジョンも登場した。ただし、『ゼノギアス』と違って指定のポイント以外での乗降は出来ず、また、前作までと異なりチューンナップも不可能で生身同様のレベルアップ方式で強化していく。
その他、システム面ではアイテムの売買が可能なショップが廃止された事で、消費アイテムは全て敵が落とすか宝箱から入手するしかなくなった。また、武器や防具の概念も廃止され、代わりにパラメーターを変動させる「スキル」を装備する形式となった。回復はセーブポイントでは無条件に可能となっている。ミニゲームは無くなり、メール閲覧や用語集が参照できた「U.M.N」へのアクセスも不可能になった。
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後年、高橋は本作の評価が低かった事を認めている。本作は、不夜城のような開発状況であった前作の反動から、社内が「限られた期間と予算の中でできることをしよう」という雰囲気に流れた中での開発となったとのこと。結果として様々な部分が間引かれて完成し、不夜城化することもなく予算内で作り終えることができたが、発売後のプレイヤーの反応は「大変なこと」になってしまった[4]。
それを受けて「このやり方は間違っていて,変えなきゃいけないものなんだ」と再び方向転換を図ったものの、既に開発が始まっていた続編の『ゼノサーガ エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき]』では最後まで舵を切り直すことができなかったと語っている[4]。
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