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セグノサウルス(Segnosaurus)は白亜紀後期にアジア(中国、モンゴル)に生息していた恐竜の一種。骨格に竜盤目と鳥盤目双方の特徴が入り混じり、近年まで分類上の混乱があった種である。学名は「緩慢な爬虫類」と言う意味がある。
外見はプラテオサウルス等のいわゆる“古竜脚類”に似ており、特に(近縁とされるエルリコサウルスから得られた情報に拠るが)頭骨と歯の形状が非常に類似する。その一方、獣脚類に典型的な形状を為す先端が広がった恥骨が坐骨に沿うように後方に伸びており、そのため骨盤の形状が一見すると鳥盤目のそれに非常に類似している。胴体は幅の広い樽型で、前脚には鋭く発達した爪が備わった3本の指があり、後脚は4本の機能指が全て接地する構造になっていた。
こうした特徴は、それまで骨盤の形状で自動的に選定されていた恐竜の分類に一石を投じることになり、本種の分類については最近までさまざまな憶測が為された。特殊化の末白亜紀まで生き残った古竜脚類の子孫だと考えられたり、竜盤類にも鳥盤類にも分類されない恐竜の第三の目だとされたこともあった。 近年、この仲間のより良好な化石(代表的なものとしてはアラシャサウルス)が発掘されるに至り、それらが詳細に研究されてからは「極めて特殊な進化を遂げた獣脚類」と言う見解が一般的になった。同時に、アラシャサウルスの研究からテリジノサウルスとの類縁も示唆されるようになった。
樽型の胴体と古竜脚類に似た歯を持つことから、通常は植物食だったと推測されているが、一部の研究者はこの説に賛同していない。魚食性だったとする説も存在する。
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