スプートニク (通信社)
ロシアの国際通信社 ウィキペディアから
スプートニク(SPUTNIK、露: Спутник)は、ロシアの通信社。2014年11月10日に設立され、RIAノーボスチとロシアの声に代わってロシア国外での展開を担っている[1][2][3]。ロシア政府系メディアであるロシアの今日の傘下にある。編集長はA.S.アニーシモフ[4]。
概要
本局はモスクワにあり、支局をワシントン、北京、パリ、ベルリン、カイロ、ロンドン、エディンバラなどに持つ[4]。
ロシア語での24時間ラジオ放送以外に、外国読者向けに30か国語のニュースサイトを有している。ロシア及び世界のニュースをロシア語から日本語を含む各国言語に翻訳して伝えるほか、スプートニク記者によるオリジナルコンテンツも配信している。基本的にロシア政府から指示された内容やロシアの方針に沿う報道を行っている[6]。
2016年10月6日、日本語版ブログが開設された。ロシア大統領のウラジーミル・プーチン政権にやや批判的な面もある塩原俊彦[7]やスプートニク編集部が記事を出稿している。ブログの書き手にはアカウント登録の上ポイントを取得することで誰でもなることができる。スプートニク編集部の記事ではロシアの生活や伝統的な行事などについて紹介されている。
2017年に朝鮮語版サイトが閉鎖された。
ラジオ・スプートニク
ラジオ・スプートニクは、スプートニクの音声放送である。放送は、FM、デジタルラジオ(DAB/DAB+)、HDラジオ、携帯電話、インターネットによって行われている[4]。ネットラジオの聴取は非常に容易である[8]。
ロシア以外にFM放送が行われているのは、アブハジア、アルメニア、キルギス、モルドバ、南オセチア、トルコ、セルビア、フランス、アルゼンチン、アメリカ、ポーランド、シリア、レバノン、イラクの14か国であった(2017年時点)。
モスクワ放送からロシアの声時代に行なわれていた日本語ラジオ放送は、「ロシアの声」の日本語放送が2010年代に入ってから中波・短波でのラジオ放送が廃止となり、インターネット上のストリーミング放送のみになった後、2014年に『ラジオ・スプートニク』に引き継がれてからも、引き続きインターネット上のストリーミング放送として、『ラジオ・スプートニク』の日本語版サイトから放送されていたが、2016年に日本語放送は事実上廃止[注釈 1]され、音声コンテンツとしては、サウンドクラウドにおいて、かつての「ロシアの声」時代に放送された日本語ラジオ放送の番組の一部が、アーカイブとして公開されている。
モスクワ放送時代から日本語放送を担当していた日向寺康雄は、会社の代表が「多くの人にウケること」を強調しており、プーチンの声明の後に空飛ぶ円盤の目撃情報を流すなどしたことから、視聴率だけを重視する二流テレビ局のようだったと指摘している[6]。
フェイクニュースの拡散と反応
西側諸国の指導者やメディアから、スプートニクはロシア政府のプロパガンダに加担しフェイクニュースを拡散していると指摘、批判されている[9]。
フランス大統領のエマニュエル・マクロンは、自身が選出された2017年の大統領選挙に対してプロパガンダを駆使したと主張し、ロシアの国際放送ロシア・トゥデイ(RT)と共に、名指しで批判している[10]。また、ハフポストもフランス大統領選挙に関してフェイクニュースを拡散していると述べている[11]。
2016年米大統領選においては、世論を扇動して選挙に介入しようとしたとして、Twitterから広告出稿を禁じられた[12]。なお、前述のように普段流しているウケ狙いの情報がアメリカに利用されたという意見もある[6]。
2021年に行われたデジタルヘイト対策センターの調査によると、スプートニク(とRT)はFacebookにおいて気候変動否定を推進する影響力のあるメディア10社のうちの1社であることが判明した[13][14]。
2022年3月には、欧州連合(EU)が同社に対しRTとともに禁止令を正式に採択し発効した[15]。インターネットプロバイダーは、同社とロシア・トゥデイのコンテンツが自分たちのプラットフォームに表示されないように積極的な措置を取ることが求められる。制裁は期限付きだが、制裁解除には条件が付され、ロシア大統領のプーチンがクレムリンにいる間は、制裁解除を想像することは困難との見通しである[16]。
脚注
関連項目
外部リンク
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