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イネ科ススキ属の植物 ウィキペディアから
ススキ(芒、薄、学名∶Miscanthus sinensis)とは、イネ科ススキ属の植物[1]。尾花(おばな)や振袖草(ふりそでぐさ)ともいい秋の七草の一つ[1]。また茅(かや。「萱」とも書く)と呼ばれる有用植物の主要な一種。 野原に生息し、ごく普通に見られる多年生草本である。
高さは1から2m。地下には短いがしっかりした地下茎がある。そこから多数の花茎を立てる。葉は細長く、根出葉と稈からの葉が多数つく。また、ケイ酸を多く含むため堅く、縁は鋭い鉤状になっているため、皮膚が傷つくことがある。
夏から秋にかけて茎の先端に長さ20から30cm程度の十数本に分かれた花穂をつける。花穂は赤っぽい色をしているが、種子(正しくは穎果・えいか)には白い毛が生えて、穂全体が白っぽくなる。種子は風によって飛ぶことができる。花穂はオギ(荻)に似ているがススキは株立ちになっており区別できる[2]。中秋の名月ごろに出た花穂は、晩秋のころには熟し、草体が黄色や赤色なる草紅葉が見られる[3]。
日本には全国に分布し、日当たりの良い山野に生息している。
夏緑性で、地上部は冬には枯れるのが普通であるが、沖縄などでは常緑になり、高さは5mに達する。その形ゆえに、たまにサトウキビと勘違いする観光客がいる。国外では朝鮮半島・中国・台湾に分布するほか、北米では侵略的外来種として猛威をふるっている(日本にセイタカアワダチソウが侵入したのと逆の経路で伝播)。
植物遷移の上から見れば、ススキ草原は草原としてはほぼ最後の段階に当たる。ススキは株が大きくなるには時間がかかるので、初期の草原では姿が見られないが、次第に背が高くなり、全体を覆うようになる。ススキ草原を放置すれば、アカマツなどの先駆者(パイオニア)的な樹木が侵入して、次第に森林へと変化していく。後述の茅場の場合、草刈りや火入れを定期的に行うことで、ススキ草原の状態を維持していたものである。
本州南部以南の海岸線には、葉の幅が広く、ざらつきの少ないものがあり、これをハチジョウススキ(M. condensatus Hack.)という。変種と見なす立場もある。
同属の別種もいくつかある。やや華奢な植物で、株を作らず水辺に生え、綿毛が純白で穂先にノギの無いのものにオギ(荻、M. sacchariflorus (Maxim.) Benth.)がある。ススキよりさらに大きく、堤防などに大きな株を作るものにトキワススキ(M. floridulus (Labill.) Warb.)がある。他にもカリヤス(苅安、M. tinctorius Hack.)、カリヤスモドキ(M. oligostachyus)など数種が知られるが、多くない。
ススキはイネ科の代表のひとつと見なされているから、ススキの名を持つ植物は多く、たとえば以下のようなものはさほどススキに似ておらず、分類上も近くはないがその名を持っている。
かつては「茅」(かや)と呼ばれ、農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料に用いたり、家畜の餌として利用することが多かった。そのため集落の近くに定期的に刈り入れをするススキ草原があり、これを茅場(かやば)と呼んでいた。現在では、そのような利用がされないので、その多くは遷移が進んで、雑木林となっている。そのため、ススキ草原に生育していた植物には、かつて普通種であったが、現在は稀少になっているものがある。また、カヤネズミなども同様に見かけにくくなっている。
また、未成熟の穂を食用とする地域もある。
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気象庁では、全国の気象官署で統一した基準により、すすきが開花した日などの植物季節観測(生物季節観測)を行っている。
すすきの開花日とは、葉鞘から抜き出た穂の数が、穂が出ると予想される全体の約20%に達したと推定される最初の日である。気象台の構内もしくは付近で観測している。
観測地点 | 開花日 |
---|---|
函館 | 8月15日 |
青森 | 8月28日 |
秋田 | 8月25日 |
盛岡 | 8月30日 |
山形 | 8月15日 |
仙台 | 8月6日 |
福島 | 8月27日 |
新潟 | 8月27日 |
金沢 | 8月4日 |
富山 | 8月23日 |
長野 | 8月18日 |
宇都宮 | 8月26日 |
福井 | 9月11日 |
前橋 | 9月1日 |
熊谷 | 9月19日 |
水戸 | 9月4日 |
岐阜 | 9月20日 |
名古屋 | 9月23日 |
甲府 | 8月24日 |
銚子 | 10月8日 |
津 | 8月28日 |
静岡 | 9月25日 |
東京 | 9月13日 |
横浜 | 9月17日 |
松江 | 9月13日 |
鳥取 | 9月12日 |
京都 | 8月31日 |
彦根 | 9月4日 |
下関 | 10月2日 |
広島 | 9月22日 |
岡山 | 9月13日 |
神戸 | 9月26日 |
大阪 | 9月8日 |
和歌山 | 9月25日 |
奈良 | 9月17日 |
福岡 | 9月23日 |
佐賀 | 9月24日 |
大分 | 9月22日 |
長崎 | 9月29日 |
熊本 | 9月21日 |
鹿児島 | 10月6日 |
宮崎 | 9月28日 |
松山 | 9月9日 |
高松 | 9月25日 |
高知 | 8月30日 |
徳島 | 9月16日 |
名瀬 | 10月26日 |
石垣島 | 10月6日 |
宮古島 | 10月25日 |
那覇 | 10月16日 |
南大東島 | 10月24日 |
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