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精神障害内のパーソナリティ障害の一つであり、社会的孤立が特徴。統合失調症スペクトラム障害の一つにも分類され得る。 ウィキペディアから
スキゾイドパーソナリティ障害(スキゾイドパーソナリティしょうがい)またはシゾイドパーソナリティ障害(シゾイドパーソナリティしょうがい)、統合失調質パーソナリティ障害[1][2](とうごうしっちょうしつパーソナリティしょうがい、英語: schizoid personality disorder: SPD[3], ScPD[4], SzPD[5])とは、社会的孤立・全般的な無関心・感情の幅の狭さなどを特徴とするパーソナリティ障害[4]。統合失調症スペクトラム障害の一種でもある[6][7]。医学事典『MSDマニュアル』によると、診断は臨床基準で、治療は認知行動療法で行われる[4]。
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統合失調質人格障害(とうごうしっちょうしつじんかくしょうがい)および分裂病質人格障害(ぶんれつびょうしつじんかくしょうがい)は旧称[8]。
『MSDマニュアル』は「一般に,パーソナリティ障害は知覚,反応,および対人関係における広汎で永続的なパターンによって,著しい苦痛または機能障害が生じている場合とされる」と記載している[9]。シゾイドパーソナリティ障害(SPD)は、他者と有意義な関係を持つ能力を制限しており、やや男性の方が多い[4]。「シゾイドパーソナリティ障害は,統合失調症または統合失調型パーソナリティ障害の家族歴がある人々でより多くみられる場合がある」とされる[4]。SPD患者にはしばしば併存症があり、患者の最大半数はうつ病エピソードが最低一回ある[4]。また、
などもよく併存している[4]。精神神経科学者の橋本亮太および精神科医の加藤敏の学術論文によると、「統合失調症スペクトラム障害」には統合失調症、SPD、統合失調型パーソナリティ障害などが含まれる[6][7]。精神神経科学者の中川東夫、竹内義孝、岩﨑真三の学術論文によると、パーソナリティ障害傾向がある統合失調症患者の親族は、SPDなどにおける《喜びの喪失(アンヘドニア)》が発症する可能性が高い[10]。
『MSDマニュアル』によると、小児期における養育者の感情的冷たさ・無視・よそよそしさが、対人関係は不満足であるという感情を子供の中で助長し、SPDを発症させやすくする可能性がある[4]。
DSM-IV-TRでは次の診断基準の内、少なくとも4つ以上を満たすことで診断される[要ページ番号]。
『MSDマニュアル』によると、医師はSPDを以下の障害と区別せねばならない[11]:
『MSDマニュアル』によると、「シゾイドパーソナリティ障害の一般的治療は全てのパーソナリティ障害に対するものと同じである」[13]。精神療法や薬物療法についての対照試験は公表されていない[13]。「社会生活技能訓練」やそれに関する認知行動療法は一定の効果がある[13]。
加藤敏の学術論文によると、スティーブンズとプライスは進化精神医学によって統合失調症・SPD・妄想性パーソナリティ障害を理解している[7]。これらの精神障害は、「統合失調スペクトラム」(統合失調症スペクトラム障害)または「スペーシング障害」(spacing disorder)の中に含まれている[7]。中川らの論文によると、統合失調症スペクトラム障害の横断的研究において、SAS(社会的な喜びの喪失尺度 Social Anhedonia Scale)で高得点である者は、SPD・統合失調型パーソナリティ障害・妄想性パーソナリティ障害などの特徴である「精神病様体験」や「認知の偏り」を持っていると考えられる[10]。
教育学博士の村澤和多里の学術論文によると、SPDは引きこもりの原因として指摘されているパーソナリティ障害の一つであり、その先行研究は小此木(2000)、藤山(2001)、衣笠(1999)、近藤(1999)などがある[14]。
SPD、自己愛性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害にはそれぞれ異なるパターンがある[15]。しかし共通点もあり、それは「誇大な自己イメージを有している反面,脆く傷つきやすい未熟な自己を有している」という特徴である[15]。これらの障害にとって、対人関係とは自尊心を傷付け得る危険性であり[15]、その危険性に対する防衛的方法が引きこもりとして現れている[16]。
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2002年までは分裂病質人格障害と呼ばれていた。精神分裂病が統合失調症へと名称変更されたことに連動して、「DSM-IV-TR精神疾患の診断・統計マニュアル」の新訂版では、スキゾイドパーソナリティ障害に変更された。「ICD-10 精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン」では、2005年11月版から統合失調質パーソナリティ障害となっている。
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