ジヒドロエルゴタミン

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ジヒドロエルゴタミン

ジヒドロエルゴタミン(Dihydroergotamine; DHE)は 片頭痛治療に用いられる麦角アルカロイドのひとつ。 エルゴタミンからの誘導体。 鼻腔スプレーや注射薬として投与され、スマトリプタンど同様の作用が得られる。 吐き気はよくみられる副作用のひとつ。[1]

概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
ジヒドロエルゴタミン
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IUPAC命名法による物質名
臨床データ
発音 [dˌhdr.ɜːrˈɡɒtəmn] dy-HY-droh-ur-GOT-ə-meen
販売名 ジヒデルゴット, Migranal など
Drugs.com monograph
MedlinePlus a603022
ライセンス US FDA:リンク
胎児危険度分類
  • US: X
    法的規制
    • JP: 処方箋医薬品、劇薬
    • US: -only
    薬物動態データ
    生物学的利用能32% Nasal Spary
    半減期9 時間
    排泄胆汁
    データベースID
    CAS番号
    511-12-6 
    ATCコード N02CA01 (WHO)
    PubChem CID: 10531
    IUPHAR/BPS英語版 121
    DrugBank DB00320 
    ChemSpider 10091 
    UNII 436O5HM03C 
    KEGG D07837  
    ChEBI CHEBI:4562 
    ChEMBL CHEMBL1732 
    別名 (5'α)-9,10-dihydro-12'-hydroxy-2'-methyl-5'-(phenylmethyl)-ergotaman-3',6',18-trione
    化学的データ
    化学式
    C33H37N5O5
    分子量583.678 g/mol
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    トリプタン系薬剤と同様の作用を示す。 セロトニン受容体へのアゴニストとして作用し、頭蓋内の血管を収縮させる。ドーパミンアドレナリン受容体に対しても作用する。

    医療用途

    皮下、筋肉内注射は、一般的に経鼻スプレーよりも効果的であり、患者が自己投与することもできる。 静脈内注射は重症片頭痛や片頭痛重積発作にとても有効であると考えられている。 DHEは 薬剤乱用頭痛の治療にも用いられる。[2]

    副作用

    吐き気が経静脈的投与で一般的にみられる副作用である。他の投与経路では比較的少ない。 制吐剤(Antiemetics) がDHEによる嘔気に先立ち投与されることがある。 リスクや禁忌はトリプタン系の薬剤に似ている。 DHEとトリプタン系性冠動脈攣縮を起こす可能性があるため、24時間以内に併用してはならない。 DHEは依存性を持たない。[3]

    薬理

    DHEの抗片頭痛作用は、セロトニン (5-HT)-1B-1D-1F、各受容体に対するアゴニストしての作用による。 他のセロトニン受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体にも作用する。

    歴史

    ジヒドロエルゴタミン(Dihydroergotamine; DHE)はエルゴタミンからの半合成物として1946年に承認された。

    社会および文化

    日本

    • 日本では錠剤が流通していたが、ジヒデルゴットヒポラールとも販売中止となった。
    適応症: 片頭痛(血管性頭痛)、起立性低血圧

    米国

    口腔投与での生体利用率が良くないため、米国では経口は用いられない。 DHEとして経鼻スプレー投与や皮下、 筋肉内静脈内 に注射される。 鼻腔スプレー投与ではバイオアベイラビリティは注射投与の32%である。

    脚注

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