ジェームズ・ウィットブレッド・リー・グレイシャー

ジェームズ・ウィットブレッド・リー・グレイシャー（英: James Whitbread Lee Glaisher、 (1848-11-05) 1848年11月5日 - 1928年12月7日(1928-12-07) ）は、イギリスの数学者、天文学者^[1][2][3][4]。Glaisherはグレーシャーとも。彼の陶磁器のコレクションはフィッツウィリアム美術館に保存されている。

ジェームズ・ウィットブレッド・リー・グレイシャー
生誕	(1848-11-05) 1848年11月5日 イングランド,ルイシャム
死没	1928年12月7日(1928-12-07)（80歳没） ケンブリッジ
研究分野	数学, 天文学
出身校	トリニティ・カレッジ
主な業績	グレイシャーの定理 グレイシャー・キンケリンの定数
プロジェクト:人物伝

経歴

グレイシャーはケントのルイシャムにジェームズ・グレーシャーとセシリア・グレイシャー（英語版）（セシリア・ルイーザ・ベルヴィル、Cecilia Louisa Belville）の息子に生まれた^[5]。

1858年からセント・ポールズ・スクールに通った。また、父とともに2つの熱気球を作り、1861年、学校中で有名になった^[5]。

彼は、トリニティ・カレッジでの研究で、カムデン展示奨学金を入手した。1871年、セカンドラングラー（英語版）になった^[6]。また、同大学の研究員になった。ケンブリッジ大学で教鞭を執り有名になった。現在は、モジュラー形式の性質の数論の功績で人々の記憶に残っている。 また彼は、他の多くの分野でも出版物を発表している。

1875年、グレイシャーは王立協会フェローに選出された^[7]。雑誌Messenger of Mathematicsの編集長を務めた。また、 ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの講師も務めた（この講師(tutor)はケンブリッジ大学の正式な役職ではない）。 1886年から1888年、1901年から1903年には、王立天文学会の代表を務めた^[3][4][8]。1881年ジョージ・ビドル・エアリーが王室天文官を退職した後、グレイシャーは後任の頼みが来たがそれを辞退した^[5]。

彼は、トリニティ・カレッジの一室に住んでいた。彼は、1928年12月7日にそこで亡くなった^[9]。

彼は熱心なサイクリストでもあったが、最新の安全な自転車より、ペニー・ファージングを好んで使っていた。1882年 - 1885年の間はケンブリッジ大学のサイクリングクラブ会長も務めた。また、イングリッシュデフルト（英語版）や英語のポエトリーの収集家であった。しかし、そのコレクションは他の収集家には注目されなかった。 大学はフィッツウィリアム美術館の一室を貸して彼にコレクションを保管させるほど彼を大事にした^[5]。 更に彼は1600個ものバレンタインのコレクションを集め、そのコレクションは博物館に寄贈された^[10]。

受賞歴

• 1892年:ダブリン大学の名誉理学士号
• 1902年:マンチェスター大学の名誉理学士号
• 1908年:ロンドン数学会のド・モルガン・メダル
• 1913年:シルヴェスター・メダル
• 他、エディンバラ王立協会フェロー、王立天文学会フェロー

出版物

グレイシャーは、Messenger of Mathematicsの編集長を務めていたため、自身の論文の多くをMessenger of MathematicsとQuarterly Journal of Mathematics（英語版）に寄稿した。

関連項目

• グレイシャーの定理
• グレイシャー・キンケリンの定数

出典

1. Garfinkle, Robert A. (2014). “Glaisher, James Whitbread Lee”. In Hockey, Thomas; Trimble, Virginia; Williams, Thomas R.. Biographical Encyclopedia of Astronomers. New York: Springer Publishing. pp. 818–819. doi:10.1007/978-1-4419-9917-7_523. ISBN 978-1-4419-9917-7
2. 『東洋學藝雜誌』東洋學藝社、1914年。https://www.google.co.jp/books/edition/%E6%9D%B1%E6%B4%8B%E5%AD%B8%E8%97%9D%E9%9B%9C%E8%AA%8C/XuE6AQAAMAAJ?hl=ja&gbpv=1&bsq=%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC&dq=%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC&printsec=frontcover。
3. Turner, Herbert Hall (1929). “James Whitbread Lee Glaisher”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 89 (4): 300–308. Bibcode: 1929MNRAS..89..300.. doi:10.1093/mnras/89.4.300.
4. Hunt, John L. (1996). “J. W. L. Glaisher, FRS, ScD (1848–1928)”. Quarterly Journal of the Royal Astronomical Society 37 (4): 743–757. Bibcode: 1996QJRAS..37R.743H. http://articles.adsabs.harvard.edu/full/1996QJRAS..37R.743H 9 June 2016閲覧。.
5. “Glaisher biography”. 2024年8月21日閲覧。
6. "James Whitbread Lee Glaisher (GLSR866JW)". A Cambridge Alumni Database (英語). University of Cambridge.
7. "Glaisher, James Whitbread Lee". Who's Who. Vol. 59. 1907. p. 686.
8. “Obituary Notices: Fellows:- Glaisher, James Whitbread Lee”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 89 (4): 300. (February 1929). Bibcode: 1929MNRAS..89..300.. doi:10.1093/mnras/89.4.300. http://articles.adsabs.harvard.edu/full/seri/MNRAS/0089//0000307.000.html?high=512695a29c29710.
9. Biographical Index of Former Fellows of the Royal Society of Edinburgh 1783–2002. The Royal Society of Edinburgh. (July 2006). ISBN 0-902-198-84-X. オリジナルの24 January 2013時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130124115814/http://www.royalsoced.org.uk/cms/files/fellows/biographical_index/fells_indexp1.pdf 11 July 2016閲覧。
10. R. Virag. Valentines: Highlights from the Collection at The Fitzwilliam Museum. Cambridge: 2018.

外部リンク

• 英語版ウィキソースにはJames Whitbread Lee Glaisher著の原文があります。
•  O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “James Whitbread Lee Glaisher”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews, https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Glaisher/.