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コニイン(Coniine)は偽アルカロイド(アミノ酸ではなくアンモニア由来の窒素を持つ)の一種であり、ドクニンジン(Conium maculatum)に含有される神経毒。異性体があるが、天然に産するのはS体。
2-メチルピリジン(α-ピコリン)とアセトアルデヒドを250℃で反応させた2-プロペニルピリジンをナトリウムとエタノール で還元して合成する。
ヒトに対する致死量は60~150mg、マウスでのLD50は経口で100mg/kg(静注のLD50はこれの1/8程度)である。消化管からの吸収が速いために症状は急速に起こり、中毒を起こしてから30分-1時間で死に至る。
コニインを摂取すると、初めは中枢神経興奮麻作用を示した後、中枢神経抑制作用を示す(ニコチン様作用)。その後、運動神経の末梢から麻痺が進んでいく。
症状は、
の順に進行する。 なお、意識は最期まで正常に保たれたまま死に至るとされる。
また、家畜に対し催奇形性を示し、妊娠初期のウシにドクニンジンやコニインを与えると、四肢関節や脊椎の彎曲奇形の仔牛が高確率で生まれる。
古代ギリシャでは、罪人の処刑にアヘンとドクニンジンを混ぜたものが用いられていた。 ソクラテスの処刑にはドクニンジンが用いられたと言われ、その最期の様子は弟子プラトンの著書「パイドン」に詳しく記されている。 しかし、一説にはソクラテスの処刑に用いられたのはドクニンジンではなくドクゼリ(Cicuta virosa)の毒であったともいわれる。
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