ケンペロール

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ケンペロール

ケンペロール(ケンフェロール、kaempferol)は、フラボノイドの一種である天然フラボノールの一つである。ケンペロールは黄色結晶性固体であり、融点は276–278 °C。水にはわずかにしか溶けないが、熱エタノールおよびジエチルエーテルは可溶である。

概要 ケンペロール, 識別情報 ...
ケンペロール
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識別情報
CAS登録番号 520-18-3
PubChem 5280863
日化辞番号 J1.575J
KEGG C05903
ChEMBL CHEMBL150
特性
化学式 C15H10O6
モル質量 286.23 g/mol
精密質量 286.047738 u
融点

276–278 °C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
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存在

[1]ブロッコリーデルフィニウム属マンサクグレープフルーツキャベツケール豆類、キクヂシャ、セイヨウニラネギ、トマト、イチゴ、ブドウ、メキャベツリンゴ、その他の植物から単離される。

さらに見る 食材, 含有量(mg/Kg) ...
比較的多く検出された食品[2]
食材含有量(mg/Kg)
モヤシ(春)46.9
グリーンピース(春)62.8
タマネギ(秋)41.3
リーキ(夏)117.8
ネギ(夏)116.7
カラシナ(秋)482.0
ショウガ(秋)315.0
リンゴ(フジ、赤、皮付、秋)108.3
ヨーロッパブドウ(小、緑、皮なし)89.1
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生物活性

いくつかの疫学的研究で、ケンペロールを含む食品の摂取とがん、心血管疾患といったいくつかの疾患の発生リスクの低減に正の相関が見られている。おびただしい数の前臨床研究で、ケンペロールといくつかのケンペロール配糖体が抗酸化、抗炎症、抗微生物、抗がん、心保護、神経保護、抗糖尿病、抗骨粗鬆症、エストロゲン/抗エストロゲン作用、抗不安、鎮痛、抗アレルギー活性を持つことが示されている[3]

ケンペリトリンおよびアストラガリンといった多くのケンペロール配糖体が、天然物として植物から単離されている。茶やブロッコリーに含まれるケンペロールの摂取は心臓病のリスクの低減と関連している[3]。類縁体のナリンゲニンも例えばグレープフルーツには同時に含まれている。 ミモザアカシア英語版およびナガバアカシア英語版の花の色はケンペロールによるものである[4]。動物試験における、抗うつ作用が報告されている[5][信頼性要検証][6]

8年間のコホート研究で、3種のフラボノール(ケンペロール、クェルセチンミリセチン)が膵臓癌のリスクを23パーセント低減することが示されている[7]

ケンペロールの摂取は肺癌の発生率を減らすように見える[8]

ケンペロールは、NOXを介した神経変性の強力な予防薬かもしれない[9]

代謝

ケンペロール 4'-O-メチルトランスフェラーゼは、S-アデノシルメチオニンとケンペロールを基質として、S-アデノシルホモシステインケンペリドを生成する。

配糖体

脚注

外部リンク

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