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アミノ糖のひとつ ウィキペディアから
グルコサミン (Glucosamine) は、グルコースの2位の炭素に付いている水酸基がアミノ基に置換されたアミノ糖の一つである。グルコサミン単体またはコンドロイチンと混合して健康食品として売られているが、関節炎や痛みの緩和に有効であるという証拠はほとんどなく、医薬品として承認されていない[1][2][3]。
グルコサミン | |
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(3R,4R,5S,6R)- 3-アミノ-6- (ヒドロキシメチル)オキサン-2,4,5-トリオール | |
別称 2-Amino-2-deoxy-D-glucose chitosamine | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 3416-24-8 |
PubChem | 439213 |
KEGG | C00329 |
MeSH | Glucosamine |
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特性 | |
化学式 | C6H13NO5 |
モル質量 | 179.17 g/mol |
融点 |
150 °C, 423 K, 302 °F |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
動物においては、アミノ基がアセチル化されたN-アセチルグルコサミンの形で、糖タンパク質、ヒアルロン酸などグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の成分となっている。N-アセチルグルコサミンは、アスパラギンにマンノースを中心とするオリゴ糖鎖が結合するN結合型糖タンパク質の骨格をなすほか(キトビオース構造)、更に複雑構造を持つ糖鎖の主要構成糖である。ヒアルロン酸は、軟骨に大量に存在するプロテオグリカン複合体(アグリカン、ヒアルロン酸、リンク蛋白質の3成分を中心とする複合体)の中心を占める巨大なグリコサミノグリカンである。ヒアルロン酸は、保湿物質として、あるいは軟骨のようなクッション作用を持つ組織の成分として重要である。
グルコサミンは、天然において貝の殻、動物の骨および骨髄に存在している。また、クロコウジカビ (Aspergillus niger) といった一部の真菌にも存在している[4]。
グルコサミンは、1876年にGeorg Ledderhoseによって、濃塩酸を用いたキチンの加水分解によって初めて調製された[5][6][7]。立体化学は1939年にウォルター・ハースによって完全に決定された[8][9]。D-グルコサミンは天然ではグルコサミン-6-リン酸の形で作られ、全ての窒素含有糖の生化学的前駆体である[10]。具体的には、グルコサミン-6-リン酸は、ヘキソサミン生合成経路の第一段階として[11]、グルコサミン-6-リン酸デアミナーゼによってフルクトース-6-リン酸とグルタミンから合成される[12]。この経路の最終産物はウリジン二リン酸-N-アセチルグルコサミン (UDP-GlcNAc) であり、グリコサミノグリカンやプロテオグリカン、糖脂質の合成に使われる。
グルコサミン-6-リン酸の生成はこれらの産物の合成の最初の段階であるため、グルコサミンはこれらの生産の制御において重要であると考えられる。しかし、ヘキソサミン生合成経路が実際どのように制御されているかや、これがヒトの疾患に関与しているかどうかなどは不明である[13]。
グルコサミン単体、またはコンドロイチン(コンドロイチン硫酸)と混合して、健康食品として販売されている[14][15]。甲殻類アレルギーの恐れがある場合、えび、かに由来でない発酵グルコサミンも販売されている[16]。
2017年のメタ分析から、副作用は偽薬と変わらずその証拠の確実性は高いとした[22]。
グルコサミンとクマリン血液凝固阻止剤(有効成分ワルファリン又はアセノクマロール含有)を同時に摂取すると、血液凝固阻止作用が異常に強まるリスクがあると、ドイツ連邦リスク評価研究所 (BfR) によって指摘されている[27][28]。
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