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キリスト教系の新宗教 ウィキペディアから
クリスチャン・サイエンス(Christian Science または、The Church of Christ, Scientist)は1879年、メリー・ベーカー・エディによってアメリカマサチューセッツ州ボストン市に創設されたキリスト教系の新宗教。ニューソートの一派として扱われることもある。
エディはニューハンプシャー州ボウに生まれた。生まれつき神経性など体の不調のため病弱であったことから様々な民間療法を経験したが、ニューソートの創始者であるフィニアス・クインビーの暗示療法を経験したことが、その後の彼女の宗教面に於いて影響を受けることになる。その後、夫に先立たれるなどして不幸な出来事が続いた後、1866年に事故で負傷。その際、新約聖書に記されているイエスの癒やしの一つを考えるうちに回復に向かったということから、それに霊感を受けて彼女自身で聖書の研究会を立ち上げた。そして1875年に『Science and Health with Key to the Scriptures』(『科学と健康─付聖書の鍵』)を著し、全ての病気の原因は心的なものであり、人間の病気の本質は心の中の虚偽とか幻想から起るとし、それを取り除くためには神とつながる霊的理解によらねばならぬと唱えた。
1879年にクリスチャン・サイエンスを設立すると、マサチューセッツ州の、主として工場労働者を中心にこの運動を組織化、1892年、ボストンに母教会の第一科学者キリスト教会(The First Church of Christ, Scientist)が設立され、世界各地に支教会が数多く設けられた。日本では1907年(明治40年)にアメリカ人による礼拝が横浜で始まり、1920年(大正9年)に東京でも開始。1940年(昭和15年)に一旦解散したものの、戦後1946年(昭和21年)に京都で米兵による礼拝がグループとして再開、1947年(昭和22年)に東京の教会も再建された。
クリスチャン・サイエンスが急激に勢力を伸ばした19世紀後半から20世紀初頭にかけてのアメリカは、のちに「金ぴか時代」と呼ばれる、拝金主義に浮かれた世相だった。クリスチャン・サイエンスもまた時流に乗り、自身や子供に病気を持った上流家庭の婦人をターゲットにして貪欲に富を追求した[1]。すべての物質を否定するはずのクリスチャン・サイエンスの教義と自己矛盾した態度は、カトリックとプロテスタントなど既成宗教から批難された。また、マーク・トウェインはクリスチャン・サイエンスを宗教団体とは見なさず、嫌悪を込めて「トラスト」と呼んだ[1]。
クリスチャン・サイエンスは神学や哲学的要素よりも信仰療法に重きを置いた特異な宗派であり、その名前と異なり、宗教でもなければ科学でもないという批判がある[1]。もともと「クリスチャン・サイエンス」という言葉は、エディの師であるクインビーが自らの治療法に付けた名前だが、「サイエンス」という名称はクインビーもしくはエディがそう呼んだだけのことであり、19世紀の科学的実証主義を楽観的に信じた一般人に訴求した言葉でしかない[1]。
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