キアニーナ牛
ウィキペディアから
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キアニーナ牛は、イタリアの在来種であり、世界中の牛の祖先と言われる[1]。名称はトスカーナ州東部からウンブリア州方面に広がるキアーナ渓谷に由来する[1][2]。
白い牛でラスコー洞窟壁画に描かれている牛にも例えられる[3]。世界で最も大きな牛の品種であり、体重は1200キログラムほど[3](一般的な肉用牛は体重700キログラム前後で出荷される)。
古代エトルリアでは飼育が行われており、続く古代ローマでは白さや大きさが神聖なものとして崇拝の対象になると共に、生贄として捧げられていた[1]。
20世紀末の統計では25万頭飼育されていたが、2000年頃には半数以下の飼育となっている[4]。これはEUの農業政策で食肉処理規格の厳格化から、屠殺場の統廃合や新たな設備投資を迫られるなど(屠殺する動物ごとに別の施設が必要になった)、資本のない家族経営の肥育農家が次々と廃業したためである[4]。また2000年代初頭に起きたBSE問題によって、絶滅に近い形になった[3]。
1万頭ほどが飼育されていおり(2018年時点)[3]、月に約500頭が生産されている(2021年時点)[2]。また、その内の半数が保護指定地域表示における認定を許可されている[2]。
キアニーナ牛の肉質は、脂肪が少なく、軟らかく、タンパク質が豊富で、コレステロール値が低い[1]。一般的な牛肉のコレステロール値は25%であるが、キアニーナ牛は5%以下である[1]。
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナはキアニーナ牛の肉を用いるのが正統である[1]。
世界で最も大きい牛は、2010年にローマで開催された品評会に登場したキアニーナ牛の「ベリーノ」である。その体高は2メートルを超えていた[5]。
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