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カワサキ・GPZ900R(ジーピーゼットきゅうひゃくアール)は、1984年に市販された川崎重工業のスポーツツアラーのオートバイである。
映画『トップガン』(1986年公開)、次作『トップガン マーヴェリック』(2022年公開)において、トム・クルーズ演じる主人公「ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル」の愛車として世界的に有名になった一種。
海外市場向けの仕様にはNinja(ニンジャ)のペットネームが付けられた。これは、1980年にアメリカ合衆国・NBCで制作・放送されたテレビドラマである「将軍 SHŌGUN」のヒットにあやかり日本式の名前をとの現地から要請を受けて、アメリカ向けにNinjaと名付けされたという。
GPZ900Rの登場以前、1983年当時のカワサキのスポーツバイクの最上位機種であったGPz1100(ZX1100A)は、Z-1以来の伝統を持つ空冷4気筒エンジンを採用していたが、これ以上の性能向上は望めず、重量が大きすぎるため運動性を損なっていた。
小型で高出力なエンジンとコンパクトな車体を組み合わせることによって、GPz1100以上の動力性能とミドルクラスマシンに匹敵する俊敏さを併せ持ったロードスポーツを実現すべく、GPZ900Rが開発された。エンジンは全く新しく設計された水冷第1世代で、908ccの排気量で115PSを発揮し、1984年当時としては一流の性能だった。また、それを支える車体はラバーマウントを持たずにリジッド締結としたハイテンションスチール(高張力鋼)製で、ダウンチューブを廃止した代わりにエンジンそのものをストレスメンバーとして使用するダイヤモンドフレームを採用し、低重心化に貢献していた。また、空気抵抗を抑えるフルフェアリングと16インチフロントホイールの採用も当時は目新しい点だったと言える。
結果としてGPZ900Rの最高速度は250km/hをマークし、GPz1100よりも馬力では若干劣りながらも、最高速度・加速・コーナリングなどすべての面でGPz1100を上回る性能を持つ軽快なスポーツ車が誕生した。
なお、姉妹車に同一の車体構成でボア・ストロークをダウンしたエンジンを搭載するGPZ750R(748cc/77PS・G1-G3)があり、北米を除く各国に輸出された。日本国内では750 cc超の大排気量車の販売が1991年まで自主規制されていた関係上、国内市場向けとしては750ccモデルのみの販売となった。しかしオリジナルを求めるユーザーの需要も多く、多数のGPZ900Rが逆輸入と言う形をとって日本国内で登録された。
カワサキの本格的水冷エンジンとして第1世代に当たるこのエンジンは、幅を詰めるためウエットライナー(シリンダーライナーに直接冷却水が触れる)という他社ではあまり見られない構造を持つ。幅を詰め、吸気をよりストレートにして効率を高めるため、カムチェーンは左端にレイアウトする「サイドカムチェーン」方式をオートバイ用の横置き直列4気筒エンジンで最初に採用した(カムチェーンを左に寄せるとサイドスタンドで立てた際にシリンダヘッドカバーに雨水が溜まるため、後に開発されたエンジンでは右端で駆動するのが一般的となった)。
トランスミッションは、Z系と同じくクランクウェブが1次減速のプライマリーギヤを兼ねるほか、クランクシャフトはジャーナルの1箇所をキャップで抑える構造とし、エンジン幅の抑制に努めている。フレームにラバーを介さずに直接マウントするリジッドマウントを採用するため、防振対策からこれも4気筒エンジンでは当時まだ珍しかった2次振動バランサー(1軸式)を装備している。シリンダーヘッドは1カム2バルブ駆動のロッカーアーム式DOHC。
なお、カワサキは1983年をもってレース活動を一時休止したために実戦投入には至らなかったが、姉妹車種のGPZ750RをベースとしたTT-F1用レーシングマシンも平行して開発されており、キットパーツとして日本国内外に供給された。
スペックは1984年式(A1)のもの。当時は各国仕様によって最高出力が変更されており、仕向先によって110PS/69PSの仕様も存在した。
1984年に全く新しい機種として市場に投入され、元WGPチャンピオンでカワサキ・ワークスライダーであったコーク・バリントンのデモンストレーションと高性能で注目を集める。
1985年発売。
1986年発売。
1987年発売。
1988年発売。
1989年発売。
1990年発売。
1991年発売。
1992年発売。
1993年発売。
1998年発売。
1999年発売。
2000年発売。
2001年発売。
2002年発売。
2003年発売。
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