オボアルブミン

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オボアルブミン

オボアルブミン(Ovalbumin、略称: OVA)は、卵白を構成する主要なタンパク質で、全タンパク質の60-65%を占める[1]。配列と三次元構造はセルピンスーパーファミリーと相同であるが、セリンプロテアーゼ阻害活性は持たない[2]。オボアルブミンの機能は未知であるが、貯蔵タンパク質として機能していると推定されている[3]

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Ovalbumin dimer, Gallus gallus.

研究

オボアルブミンは、以下のような様々な研究領域で重要なタンパク質である。

  • タンパク質の構造と性質の一般的な研究(大量調製することができるため)
  • セルピンの構造と機能の研究(オボアルブミンと他のセルピンの構造の比較により、セリンプロテアーゼの阻害に必要な構造が特定できる)
  • プロテオーム解析鶏卵のオボアルブミンは、電気泳動ゲルの校正のための分子量マーカーとしてよく用いられる)
  • 免疫学研究(気道過敏のモデルアレルゲンとなるなど、アレルギー反応の刺激によく用いられる)

構造

ニワトリのオボアルブミンは385アミノ酸からなり、ポリペプチド鎖の分子量は42699である[4]。N末端アセチル化(G1)やリン酸化(S68およびS344)、グリコシル化(N292)等の修飾を受けている[4]

このタンパク質は分泌されるが、そのシグナルペプチドは切り離されない。さらにシグナルペプチドは他の多くの分泌タンパク質のようにN末端に付加されているのではなく、21番残基から47番残基までの配列内に存在する[5]

医学的な特性

鉄等の重金属による中毒が疑われる場合、オボアルブミンが投与されることがある[6]。オボアルブミンは重金属をキレートし、金属イオンをタンパク質のジスルフィド結合の中に取り込む。キレート化により、重金属は消化管に吸収されなくなり、中毒を防止できる。

感染症とアレルギー

オボアルブミンは卵アレルギーの原因物質の1つとされている[7]。感染症とアレルギーの関係が研究されている[8]

出典

外部リンク

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