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エスポラ級コルベットは、アルゼンチン海軍のコルベットの艦級。西ドイツのブローム・ウント・フォス(B+V)社のMEKO 140型フリゲートの設計を採用しており、ジェーン海軍年鑑やアメリカ海軍協会(USNI)ではフリゲートとして類別している[1][2][3]。
エスポラ級コルベット | |
---|---|
基本情報 | |
種別 | コルベット (フリゲート) |
建造所 | リオ・サンチアーゴ造船所 |
運用者 | アルゼンチン海軍 |
就役期間 | 1985年 - 現在 |
建造数 | 6隻 |
前級 | ドゥルモン級 |
要目 | |
基準排水量 | 1,560トン |
満載排水量 | 1,790トン |
全長 | 91.2 m |
最大幅 | 11.0 m |
吃水 | 3.33 m |
主機 | SEMT ピルスティク16PC2-5 V400ディーゼルエンジン×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
速力 | 27ノット |
航続距離 | 4,000海里 (18kt巡航時) |
乗員 | 士官11名+下士官46名+兵36名 |
兵装 |
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搭載機 | フェニック哨戒ヘリコプター×1機 |
C4ISTAR | DAISY戦術情報処理装置 |
レーダー | |
ソナー | ASO-4 船底装備式 |
電子戦・ 対抗手段 |
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本級は、ポルトガル海軍のジョアン・コーチニョ級コルベットを参考に[1]、MEKO 360型フリゲートをスケールダウンした設計となっており[注 1][2]、B+V社の呼称としてはMEKO 140 A16とされる[3]。MEKO 360型と同様の中央船楼型船型やモジュール設計が踏襲されており、装備の換装・更新が容易になっている[1]。ただしデッドスペースの発生が避けられないモジュール設計を適用するには船型過小であり、ベストセラーを多く輩出してきたMEKO型としては珍しく、本級以外には採用国は現れなかった[4]。
主機としてはSEMT ピルスティク16PC2-5 V400ディーゼルエンジン2基を搭載し、5翼式のスクリュープロペラを駆動する方式とされた[2]。電源としては、出力470キロボルトアンペアのディーゼル発電機3基を搭載した。行動用燃料として230トン、航空燃料5トン、清水70トンを搭載できる。なお小型の艦型で航空運用能力を確保するため、フィンスタビライザーを備えている[3]。
全艦がDAISY戦術情報処理装置を搭載するほか、5番艦は国産の指揮システムも搭載する。艦橋上の前檣にはWM-28火器管制レーダーが設置されており、これには目標捕捉機能も付加されている[3]。またその前面には航法レーダーが設置された。一方、煙突の排気口間には背の低い後檣が設けられ、対空・対水上捜索用のDA-05が設置された。ソナーとしてはASO-4を搭載する[2]。
船首甲板に62口径76mm単装速射砲(76mmコンパット砲)、また船首楼甲板前端部および船尾甲板に70口径40mm連装機銃を1基ずつ設置した。機銃方位盤として、後部上部構造物にLIROD射撃指揮装置が設置されており、2009年には国産技術によるアップデートが行われた。また必要に応じて12.7mm機銃が増備される。後部機銃の直前には、エグゾセMM38艦対艦ミサイル単装発射筒4基が設置されている。また船首楼甲板後部両舷には324mm3連装魚雷発射管(ILAS-3)が設置されており、A244S短魚雷を発射する[2][3]。
船楼甲板後端部はヘリコプター甲板とされており、また後期建造分3隻では、上部構造物後端部に伸縮式の格納庫が追加されている。艦載機としては、リンクス哨戒ヘリコプターの運用も可能とされているが、実際にはアルエットIIIが搭載された[1]。これは2010年に運用を終了しており、以後はAS.355MNフェニックが搭載されている[3]。
# | 艦名 | 起工 | 就役 |
---|---|---|---|
P-41 | エスポラ ARA Espora | 1980年3月 | 1985年7月 |
P-42 | ロセール ARA Rosales | 1981年1月 | 1986年11月 |
P-43 | スピロ ARA Spiro | 1982年4月 | 1987年11月 |
P-44 | パーカー ARA Parker | 1982年2月 | 1990年4月 |
P-45 | ロビンソン ARA Robinson | 1983年6月 | 2000年8月 |
P-46 | ゴメス・ロカ ARA Gómez Roca | 1983年12月 | 2004年5月 |
発注は1979年8月1日に行われ、全艦がリオ・サンチアーゴ造船所で建造された。なお4番艦は、進水後の1986年10月2日に浸水事故を起こし、竣工の遅れにつながった。また1992年、最終2隻の艤装は中断され[3]、そのまま廃棄処分とする予定とされた[2]。しかし1997年5月8日、建造を再開する決定が下され、7月18日、工事再開の行事が開催された。その後、2000年と2004年に順次に就役した[3]。
全艦がプエルト・ベルグラノ海軍基地を母港とし、第2フリゲート戦隊を編成している。通常は外洋哨戒・漁業監視にあたっているが、2・3番艦は1990年から1991年にかけてペルシャ湾に派遣された[2]。
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