ウチワエビモドキ(団扇海老擬 Thenus orientalis)は、セミエビ科に分類されるエビの一種。インド太平洋熱帯域に分布し[6][7][8]混獲されたものが食用に供される[6]

概要 ウチワエビモドキ, 保全状況評価 ...
ウチワエビモドキ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類(De Grave et al. (2009)[2]
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 軟甲綱 Malacostraca
: 十脚目 Decapoda
: セミエビ科 Scyllaridae
亜科 : ウチワエビモドキ亜科
Theninae Holthuis, 1985[2][3]
: ウチワエビモドキ属
Thenus Leach, 1815[2][4]
: ウチワエビモドキ
T. orientalis
学名
Thenus orientalis Lund(1793)
英名
Bay lobster[5]
Flathead LobsterFAO公式)[6]
ほか多数[6][7]
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特徴

成体の体長は15cmほど。背中の正中線がわずかに隆起するものの、体は上から押しつぶされたように平たい。体の幅は前方ほど広く、後ろに行くほど狭くなる。他のセミエビ科のエビ類は複眼が背中側にあるが、ウチワエビモドキの複眼は甲の外縁につくので区別がつく。

背面は全て顆粒状突起に覆われ、甲のくぼみ部分には短毛も密生する。頭胸甲の正中線上に3つの突起、第2触角の縁には鋸状の歯があるが、頭胸甲の縁は複眼の後ろに小さな棘が2つあるのみで、ウチワエビゾウリエビほど棘だらけではない。

インド太平洋に広く分布し、日本の南西諸島からフィリピンベトナムインドネシアタイランド湾紅海南部で確認されている。水深8-100mの砂泥底に生息するが、一般には10-50mで見られる。オーストラリア東岸の個体群は、現在では別種のThenus parindicusThenus australiensis とされている[1]。和名はウチワエビと同様に砂泥底に生息し、姿も似ることに由来するが、ウチワエビより熱帯性が強い。沖縄ではスナワラグチャと呼ぶ[9]。英語での地方名の一つ "Moreton Bay bug"[6][7] は、オーストラリア・クイーンズランド州モートン湾に由来する。

近縁種

ウチワエビモドキ亜科 Theninae はウチワエビモドキ属 Thenus のみからなる単型科で、5が属するとされる[4]

  • T. australiensis Burton & Davie, 2007
  • T. indicus Leach, 1816
  • T. orientalis (Lund, 1793) - ウチワエビモドキ
  • T. parindicus Burton & Davie, 2007
  • T. unimaculatus Burton & Davie, 2007

利用

大量に漁獲できるものではないが[6]、地域によっては食用に供され[6]、さまざまな料理に用いられる。肉は美味[9]

脚注

参考文献

外部リンク

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