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イヴァー・ヤコブソン (瑞: Ivar Hjalmar Jacobson、1939年9月2日 - ) は、スウェーデンのコンピュータ科学者である。 ソフトウェア工学、とりわけオブジェクト指向ソフトウェア開発方法論であるオブジェクト指向ソフトウェア工学 (OOSE) や統一モデリング言語 (UML) の開発の業績で広く知られている。
ヤコブソンは1939年にスウェーデンのイスタに生まれた。 1962年にイェーテボリのチャルマース工科大学で電子工学の修士号を取得した。1985年に大規模リアルタイムシステム向けの言語構成の論文を書きストックホルムの王立工科大学で博士号 (Ph.D.) を取得した。
ヤコブソンは1964年にエリクソン社が開発していた電話交換機を制御するソフトウェアの新版の開発でソフトウェアコンポーネントを採用することを提案した。この過程でシーケンス図を考案し、コラボレーション図を開発した。またコンポーネント間でやりとりされるメッセージの流れを記述するために状態遷移図を適用した。
ヤコブソンは、ソフトウェア開発を行うために青写真 (blueprints) が必要であると考えた。仕様記述言語 SDL (Specification and Description Language) の最初の版の開発者の一人である。SDL は電話業界で標準となった (ITU-T勧告)。
ヤコブソンはまた、エリクソンでソフトウェア機能要求を特定するためにユースケースを考案した (ユースケース図)。
1987年にヤコブソンはエリクソンを退職し、Objective Systems 社を創業した。 1991年にはこの会社の株はエリクソンが過半数を取得し、社名は Objectory AB に変更された。ヤコブソンが中心となって、1992年頃に Objectory AB でオブジェクト指向ソフトウェア開発方法論であるオブジェクト指向ソフトウェア工学 (OOSE; Object-Oriented Software Engineering) を開発した。
1995年10月に Objectory AB は Rational Software 社に買収され[1]、ヤコブソンは同社でグラディ・ブーチとジェームズ・ランボーと共に統一モデリング言語 (UML; Unified Modeling Language) の最初の版および Unified Process (UP) の開発を始めた。ヤコブソンを含めたこの3人は、スリーアミーゴス として言及されることがある。 2003年に Rational Software はIBM社に買収され、その際にヤコブソンは退職することを決めた。しかし実際には2004年5月までIBMに上席技術コンサルタントとして在籍した。
2005年11月にヤコブソンはマイクロソフト社と共に Visual Studio Team System のための Essential Unified Process を開発していると発表した。ヤコブソンは Essential Unified Process を「非常に軽量でアジャイルな」ラショナル統一プロセス (RUP) であると説明している[2]。
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