イソブテン

ウィキペディアから

イソブテン

イソブテン (isobutene) またはイソブチレン (isobuthylene) とは工業的に重要な炭化水素で、枝分かれ状に 4 個の炭素を持つアルケンブテンの構造異性体のひとつ。可燃性を持ち、常温常圧で無色の気体。

概要 イソブテン, 識別情報 ...
イソブテン
Thumb Thumb
Thumb
識別情報
CAS登録番号 115-11-7 
PubChem 8255
ChemSpider 7957 
UNII QA2LMR467H 
EC番号 204-066-3
国連/北米番号 1055
液化石油ガス中: 1075
RTECS番号 UD0890000
特性[1]
化学式 C4H8
モル質量 56.11 g mol−1
示性式 CH2=C(CH3)2
外観 無色の気体
密度 0.5879 g/cm3, 液体
融点

−140.3 °C

沸点

-6.9 °C, 266 K, 20 °F

への溶解度 不溶
危険性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
EU分類 Extremely flammable (F+)
EU Index 601-012-00-4
NFPA 704
Thumb
4
1
0
Rフレーズ R12
Sフレーズ S2 S9 S16 S33
引火点 flammable gas
発火点 465 °C (869 °F)
爆発限界 1.8–9.6%
関連する物質
関連するブテン 1-ブテン
cis-2-ブテン
trans-2-ブテン
関連物質 イソブタン
出典
Chemical infobox 出典
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
閉じる

用途

イソブテンは合成中間体としてさまざまに用いられる。メタノールエタノールと付加させると、ガソリンの添加剤として用いられるメチルtert-ブチルエーテル (MTBE) やエチルtert-ブチルエーテル (ETBE) が得られる。やはりガソリンに加えられるイソオクタンも、イソブテンのアルキル化で合成される。メタクロレインの原料ともなる。フェノールもしくは 4-メトキシフェノールとイソブテンのフリーデル・クラフツ反応により、抗酸化剤のジブチルヒドロキシトルエン (BHT) やブチルヒドロキシアニソール (BHA) が作られる。また、イソブテンが重合するとポリイソブチレンとなる。ブチルゴムはイソブテンを含む共重合体である。

製造

イソブテンは石油精製ストリームから硫酸と反応させて単離できるが、通常はイソブタンの触媒による脱水素化によって製造される[2]。1990 年代に、MTBE や ETBE の需要増に合わせイソブテンの製造量も大きく増した。北米では Texas Petrochemicals や Lyondell が主要な製造元である。また、アセトンキシロースセルロースから製造する方法もあり、バイオイソブテンの製法として光を浴びている[3][4][5]

危険性

イソブテンは可燃性が高い気体であるため、爆発を避けなければならない。

出典

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.