イソクエン酸デヒドロゲナーゼ

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イソクエン酸デヒドロゲナーゼ

イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(isocitrate dehydrogenase, IDH)は、イソクエン酸2-オキソグルタル酸とを相互変換する酸化還元酵素である。イソクエン酸デヒドロゲナーゼにはイソクエン酸デヒドロゲナーゼ (NAD+)(EC 1.1.1.41)と、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ (NADP+)(EC 1.1.1.42)の2種が存在するがクエン酸回路を構成するのは前者の方である。

概要 イソクエン酸デヒドロゲナーゼ (NAD+), 識別子 ...
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概要 イソクエン酸デヒドロゲナーゼ (NADP+), 識別子 ...
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概要 イソクエン酸デヒドロゲナーゼ, 識別子 ...
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ
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Found in Escherichia coli
識別子
略号 IDH1
Entrez英語版 3417
HUGO 5382
OMIM 147700
PDB 1cw7 (RCSB PDB PDBe PDBj)
RefSeq NM_005896
UniProt O75874
他のデータ
EC番号
(KEGG)
1.1.1.42
遺伝子座 Chr. 2 q32-qter
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クエン酸回路を構成するイソクエン酸デヒドロゲナーゼ (NAD+)は二段階でイソクエン酸から2-オキソグルタル酸に変換している。まず、イソクエン酸(二級アルコール)のオキサロコハク酸(ケトン)への酸化をしたのち、続いてこのオキサロコハク酸のβ-カルボキシル基脱炭酸することによりα-ケトグルタル酸へ変換される。

もう一方のイソクエン酸デヒドロゲナーゼ (NADP+)も同じ反応をするが、こちらの反応はクエン酸回路とは関係がなく、ミトコンドリアペルオキシソームと同様に細胞質基質で行われ[1]、補因子もNAD+ではなくNADP+が使われる。

エネルギー論

どちらの酵素とも反応全体の自由エネルギーは-8.4 kJ/molである。IDHはVmax(最大反応速度)を低下させることなくイソクエン酸のKM(ミカエリス・メンテン定数 - 詳細はミカエリス・メンテン式を参照)を低下させる。

構造

NAD-IDHは、3つのサブユニットからなり、アロステリック制御され、Mg2+またはMn2+イオンを必要とする。既知の構造を持つ最も近いホモログは大腸菌のNADP依存型IDHで、2つのサブユニットと13%の相同性と29%の類似性に基づいたアミノ酸配列を持つ。既知の全てのNADP-IDHsはホモダイマーである。

脚注

関連項目

外部リンク

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