アケローン川古代ギリシア語: Ἀχέρων / Acheron)は、ギリシア北西部のイピロス地方を流れる川。古代ギリシア神話ではカローンが死者の魂を冥界ハーデースへと渡す、地下世界の川ステュクスの支流と信じられた。

概要 アヘロンタス川, 水源 ...
アヘロンタス川
流路
水源 ヨアニナ県
河口・合流先 イオニア海
流域 ギリシャの旗 ギリシャ
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アケロンという名前はἄχοςに由来し、ため息の川を意味する。また別の説によれば、響く・騒音を立てるという意味のἂχηの語根ἀχと、流れるという意味のἠχέωからなり、水が勢いよく音を立てて流れる川を意味する。

現代ギリシャ語ディモティキ)ではアヘロンタス川Αχέροντας / Acherontas)という語形になる。ヨアニナ県南西部のゾティコに源を発し、テスプロティア県東南部を通過して、プレヴェザ県パルガ (Parga) 付近でイオニア海に注ぐ。

神話におけるアケローン川

アケルージアと呼ばれる湖と今もアケローンと呼ばれる川が、近接するネクロマンテイオンの遺跡とともに、コルフ島対岸の本土側パルガ(en:Parga)近郊にある。

アケローン川のもう一つの支流が、アケルージアン洞窟(今のトルコエレーリ)で地表に湧き出ると信じられ、ロドスのアポローニオスの伝えるところでは、アルゴ船の乗組員によって目撃されたとのことである。

イタリア半島に植民したギリシア人たちは、アケローン川が流れ込むアケルージア湖と、アヴェルナス湖(en:Avernus)を同一視した。

プラトンは、『パイドン』の中で、アケローンを世界で2番目に大きな川であるとし、これを超えるのはオーケアノスのみであるとしている。彼は、アケローン川は人の住まない地の大地の下をオーケアノスとは逆の方向に流れていると主張した。

ウェルギリウスは、『アエネーイス』第6巻の地下世界の記述の中で、他の地獄の川とともにアケローンに言及している。

ダンテの『神曲』“地獄篇”において、アケローン川は地獄前域で地獄との境界をなしている。ギリシア神話に従えば、渡し守カロン(カローン)がこの川を越えて死者の魂を地獄へ渡しているという。

神としてのアケローン

アケローンの語は時として、ハーデースそれ自体を指すもの(提喩)として使われる。

このポタモイ(河の神)アケローンは、冥界のニュムペーオルプネー[1]あるいはゴルギューラとの間にアスカラポスをもうけた[2]

脚注

参考文献

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