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アウグル(ラテン語:Augur)は、古代エトルリアや古代ローマで設置された公職の一つである。日本語では鳥卜官(ちょうぼくかん)、卜鳥官(ぼくちょうかん)や鳥占官(ちょうせんかん)などと訳される。時には神官とも書かれることもある。執政官やプラエトル(法務官)といった政務官とは異なって、終身制であった。アウグルの主な役割は鳥の鳴き声や飛翔状況を観察して、その状況を基に神の意思を示すことである。アウグルの意思は宗教に留まらず、戦争や商業といったローマの公的な意思決定にも関与したとされる。
ローマ市内を見渡せるカピトリヌスのアルクスに観測所があり、アウグストゥスの時代までは、粗末な小屋があるだけだった[1]。リトゥウス(杖)を手にしてトガを頭に被せ、アルバヌス山を正面に南東を向き、恐らくウィア・サクラを中心線として市内を左右に分け、木を利用して観測範囲を決めて占っていた[2]。
共和政ローマ初期の頃は前任者の指名によって後任が決定され、事実上パトリキに独占されていたが、紀元前300年に成立したオグルニウス法によって、定員が4人から9人に拡充され、そのうち5人はプレプス出身者と決められた[3]。
紀元前104年の護民官、グナエウス・ドミティウス・アヘノバルブス (紀元前96年の執政官)が、17トリブスの選挙によって後継者を選出する法を成立させた[4](Lex Domitia de sacerdotiis 聖職者に関するドミティウス法。コッレギウム(組合)の作成したリストから選挙で選ぶ形式になった[5])。紀元前81年、ルキウス・コルネリウス・スッラのコルネリウス法で15人に増員され、ドミティウス法は取り消されたが[6]、紀元前63年の護民官ティトゥス・ラビエヌス[7]によって、再度ドミティウス法の選出方式が復活した[8]。ラビエヌスの裏には最高神祇官職を狙うガイウス・ユリウス・カエサルがいたという[9]。
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